仏壇も神棚もない、ただの賃貸に住んでる私たちは、子どもたちの遺骨の入った骨壺を寝室の本棚に置く事にした。
昔に編んだレースの上に骨壺と、スーパーで買ってきたお花とお供え物のミカンを置いた。
できる事が全て終わると気持ちもだいぶ落ち着いた。
そんな気がしていた。
夫が、気分転換にと旅行に誘ってくれた。
一泊二日の車で行ける距離の旅行に、産後4日目で行く事になった。
体力は戻っていなかったが、夫の気持ちに答えるためにも努めて明るくふるまい、なるべく疲れはみせないようにした。
が。
夜。寂しさはいつも夜に襲ってくる。
子どもたちと一緒に旅行したかった。
二人も楽しいけど、四人で旅行したかった。
そう言って泣く私を慰めてくれる夫の目にも涙があった。
あといくつ夜を迎えれば、私は泣かなくなるのだろう。