歯周病は歯磨きをしないとなる

 

これは今の常識です。

 

歯周病の原因は細菌ですから、歯磨きなどの手段で細菌を除去しなければ歯周病になるのは当然でしょう

 

でも100%なるとはだれも言えない

 

これも同時に治療をしていると誰もが実感することでしょう

 

何故これだけ歯石がついて歯垢がついているのに

 

歯周病に全くならないのだろうか?

 

そんな疑問にかられる患者さんは存在します。

 

 

 

考えてみると

 

人間の身体はたくさんの微生物が住み着いています

 

例えば腸内細菌は100兆個にもなると言われています

 

そんな細菌たちを僕らは腸の中で飼っているわけです

 

口の中も常在菌が100億以上いると言われています

 

 

そう僕らの身体は細菌と共生していきているわけです

 

ということは歯を磨かないで歯石や歯垢だらけなのに歯周病にならない人は

 

この細菌たちと共生できる何かがあるのかもしれません

 

 

 

その共生できている理由で一番可能性があるのは

 

免疫

 

かもしれません

 

細菌の力に拮抗した免疫があれば

 

細菌は組織を破壊することはできません

 

つまり口の中の細菌の数に対抗できる免疫力がもしかしたらその人にはあるのかもしれません

 

 

 

人間はそのような例外からヒントを得て発展してきました

 

インフルエンザにかからない人

エイズウイルスに感染してもHIVを発症しない人

 

そんな人たちのおかげでどれだけのウイルスにも対抗できる薬を作る可能性があることを知りますし、その人の中の特殊な何かが治療の参考になることがあります

 

 

 

 

歯周病にかかると俗に言われるだけの歯垢や歯石を飼っていても歯周病にならない人が、

もし大病をするなどして免疫と細菌の共生のバランスが崩れたら

その細菌たちの攻撃に対抗できる免疫力が弱まって、歯周病に移行するのかもしれません

 

個人的にはこのような

ストレスであったり、体調の変化であったり、風邪であったり病気であったり、もっと誰でもおこることで言えば加齢であったりという

 

免疫力を下げる因子というのは歯周病を筆頭に炎症というものに大きく関与していると思っています。

 

 

このように考えると

歯科医師というのは一元的に口の中を見るのではなく

個体差というものにも目を向けていかなければならないことをつくづく考えさせられます

 

そして実際

歯周病の予防には口腔ケアだけでなく免疫力の改善というのも着目されています

全身となると歯科医師ではなく医師の考えや診断も必要だと思いますので

個人的にはそういうことを医師と連携して考えていけたらと思いますが

それもまた先の話なのかもしれませんが、そのような視野で医師と話せる時がきたらと思っています

 

 

※とはいえ歯を磨いて細菌を少なくするのは大事なことなので歯磨きもよろしくお願いいたします(笑)