下の歯が生えてきたそうちゃんは、日に日に出てくるその歯が気になったのか、気づくと下の歯をペロペロと高速で舐めるようになり、おかげで毎日よだれで大洪水になり、時々カニのように泡まみれになっては皆を笑わせてくれていました。

そして、よだれの激しくなったそうちゃんは口腔内の吸引がとても増えていたので、これを機に主人も吸引ができるようになればと、すでにできるようになっていた私が指導係となって練習をさせてもらえることになりました。

初めてのパパの吸引は、緊張感が伝わってしまったのか、慣れない手つきにそうちゃんはかなり顔が強張っていて、すごく嫌そうな表情をしていました。笑

これがその時の写真です。
完全に怯えて固まっています。笑

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でも数日後には主人もそうちゃんもすっかり慣れていて、口腔内の痰の吸引は完全に私たち夫婦でやってあげられるようになりました。


また、ちょうどこの頃、少し状態の落ち着いていたそうちゃんに、主治医から新たな提案をいただきました。

それはそうちゃんの気管に入っている挿管チューブをカフ付きのものに変えるというものでした。

カフとは挿管チューブの先端についてる風船のようなもので、なかなかチューブが合わずにいつもリーク(空気の漏れ)の激しかったそうちゃんのために、風船を膨らませて少しでもリークを減らせば、サチュレーション低下も減らせるのではという理由からの提案でした。

前向きに試していけることは、私たちとしてはぜひお願いしたかったので、即答でお願いすることに決めました。

初めて再挿管をしたときには、挿管困難で救命できないかもしれないなどと心配なことも言われていましたが、この頃には何の問題もなく挿管できるようになっていたので、私たちは安心して見守ることができていました。

再挿管当日、そうちゃんは体調も良く、すぐに終わるかなと思いながら外で呼ばれるのを待っていましたが、予想外になかなか呼ばれないまま、20分、30分…気づくと1時間以上が経ち、私たちもさすがに少し心配になってきていました。

時間は20時を超えていて、20時になると照明が落とされ薄暗くなるGCUで、そうちゃんのベッドの付近だけが照らされているのが外の小窓から確認できましたが、パーテーションで隠されていた為に気になるそうちゃんの様子を見ることはできませんでした。

どうしたんだろう…
何かあったのかな…

心配になりながら待ち続け、やっと呼ばれた頃には再挿管を始めてから2時間近くが経っていました。

「今日はそうちゃんにやられたわ~」

そう笑いながら呼びに来てくれた看護師さんとGCUへ入っていくと、先生方も少しお疲れで苦笑いの様子でした。

再挿管中のそうちゃんは、生えてきた歯をペロペロと舐めて邪魔をし、よだれまみれで頻回の吸引が続き、無理矢理やろうとするとサチュレーションを下げるという、なかなかの大変さで先生方を困らせていたそうです。

遅くまで頑張ってくださった先生方や看護師さんたちにお礼を伝えたあと、チューブ固定前のそうちゃんに「お疲れさま」と声をかけてカメラを向けると、暗闇の中でしてやったりな表情でニヤッと笑ってくれました。
皆を困らせたあとのその表情が、なんだかとても悪ガキに見えました。笑

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日に日に面白い表情が増えていくそうちゃんに私たちはいつも楽しませてもらっていました。


ただ、せっかく苦労してやってもらったカフ付きチューブの再挿管でしたが、残念ながらほとんど効果がなく、この後もカフを膨らませてもリークが大幅に減ることもサチュレーション低下がなくなることもなく、何をしても改善されないチューブとの相性の悪さには謎が残るばかりでした。