ゴールデンウィークが明けると、参観日があった。

 

 

参観期間1週間のうち、1日だけ選んで参観をする。

 

時間は何時間観てもよく、出入りも自由。

 

 

 

幼稚園ママ達の定番は、ママ友と時間を合わせてお昼前に参観をし、

 

その後ランチに行く、というもの。

 

 

 

私は、もちろんそんな余裕なんてない。

 

集団生活が苦手な息子は、幼稚園でどんなふうに過ごしているのか、入園してからずっと気になっていた。

 

 

だから午前中から行って、なるべく長く観ていることにした。

 

 

 


 

朝、幼稚園の教室に入ると、既に私の他に2人のママがいた。

 

 

子供たちは絵を描いている。

 

息子はあまり絵を描かない子で、この日もあまり描かないまま戸惑っている様子だった。

 

 

そのうち、息子が使っているペンを他の子が持って行ってしまったことに怒り、ペン一式を床にぶちまけた。

 

 

 

その後も、みんなは集まって歌を歌い始めているのに、一人遅れてきたり、

 

同級生がタワー状に積んでいた積み木を、崩してしまったり…

 

ずっと冷や冷やしながら、息子の様子を見守っていた。

 

 

 

他のママ達は、1時間くらい子供を観て、教室を出て行ってしまうけれど、

 

私は、やっぱり心配で教室を離れることができなかった。

 

 

 

結局、帰りの会の時間まで教室にいた。

 

 

 

 

午後になって、PTA会長のMさんが教室に来ていた。

 

PTA会長とは同じクラス。

 

この幼稚園は縦割り保育なので、朝の会や帰りの会、お弁当などの時間は縦割りクラスで過ごす。

 

 

だから、年長児のママであるPTA会長とも同じクラスになった。

 

 

 

帰りの会を参観しているのは、私とPTA会長ともう一人だけ。

 

 

 

 

 

たぶんこの日、息子は調子が悪かった。

 

疲れていたのか、いつもと違う参観日に戸惑い、不安になっていたのか…。

 

普段の帰りの会の様子と違っていた(帰りの会は迎えに行くといつも見られる)。

 

 

 

ついには、プレ幼稚園の時のように、みんなの号令を大声で遮ってしまった。


(プレ幼稚園のエピソードはこちら

 

 

 もうやらなくなっていたのにな…。

 

 

 

1日の中で色々重なって、気持ちが落ち込んでいた。

 


 

息子は幼稚園に入って、成長するどころか、以前に逆戻りしてしまったのかもしれない。

 

成長の度合いに合わないところに入れて、私が息子を苦しめているのかも。

 

周りの子供たちにも、先生にも申し訳ないな…

 

 

 

そんなことを考えていた時。

 

 

 

 

「どうぞ。立ちっぱなしも疲れちゃうから、一緒に座りましょう。」

 

 

後ろからささやく声がした。

 

 

 

PTA会長のMさんだった。
 

 

Mさんは私の分の椅子をセットしながら、ニッコリと笑った。

 

「さぁさぁ。どうぞ。」


 

入園式やPTA総会の壇上で話しているときとは、ずいぶん印象が違う。

 

 



 

息子や私の様子を見て、本当のところMさんがどう思っていたのかはわからない。



だけど、Mさんの言葉からは、安心感と温かさを感じた。


その時の言葉はすごく有難くて、いまだに覚えている。

 

もう本人は覚えていないと思うけど…。



 

 

私も、あんなふうに声をかけられるようになりたいな、と思う。

 

 


Mさんとはそれ以来、時々話すようになった。

 





参観の数日後、息子のサポートについて、幼稚園と改めて相談することにした。







参観日、私は息子のことで四苦八苦していたが、


同じ教室内で、なぜか大号泣しているママがいた…

 

 

 ~ 続く ~

 

 

↓別のブログで、こんな記事を書いています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

当ブログは、過去の回顧録です。

 

息子の現在の姿ではないことをご了承ください。

 

個人の特定を避けるため、具体的な数字や名称等にはフィクションが織り交ぜてあります。

 

「発達障害を持つ子をとりまく現実をお伝えする」という当ブログの目的のため、発達障害に関するエピソードは事実に基づく記載をしています。