札幌の皮膚科専門医/美容皮膚科 女医 日景聡子です。
かねてより少しだけお知らせしていましたが、このたびニキビの外用薬(保険診療)でベピオウォッシュゲルが発売になりました。
6月16日(月)から処方できます。
現在処方しているベピオゲル、ベピオローションの姉妹品ですね。
ベピオの名前の由来は過酸化ベンゾイル(BPO)です。
毛穴詰まりを予防し、抗菌効果もあります。
ウォッシュゲルの最大のメリットは、その名の通り「洗い流すこと」です。
外用後5‐10分で洗い流してしまうので、一晩中薬をつけていなくていいんですよね。
その代わり、従来製品よりも濃度が2倍になっています。
私の外来は正直な学生さんが多く、また私のキャラもあってなのか(笑)、「うまく塗れませんでした」「先生すみませんサボっちゃいました」ときちんと申告してくださる方が多いです。
で、理由をよくよく聞いてみると、「一晩中顔についてベトベトするのが嫌だ」「お洋服の色が抜けてしまうのが気になって使えなかった」という声が結構多いんですよね。
(白いものや変色が気にならないものを身につけましょうと指導するんですが、ついうっかり着てしまうこともあるんだと思います。)
ベピオシリーズは背中や胸など体に塗ることもできますが、着るものに気を遣うというのが挫折の大きな理由になっていました。
かくいう私も、顔に塗ったベピオゲルが寝ているうちに服についてしまってキスマークのようになったことがあります。笑
この記事、今でもアクセスが多いんですよね。笑
ベピオウォッシュゲルは洗い流すタイプなのでボディでも使いやすいですし、寝ている間に髪の毛が顔についてしまわないのもいいと思います。
メーカーさん曰く、薬が残って多少脱色されるリスクはあるとのことですが、それでもかなりストレスが減りますよね。
それでは今までのベピオゲル、ベピオローションはいらないのか?というとそうではなく、塗り心地の面から従来品を好まれる方もいらっしゃると思います。
ベピオローションのほうが赤みや皮むけが少ないようです。
6月16日以降、ご希望の方は順次切り替えていきますのでよろしくお願いします。
最後に、この薬を使うことの大切さも書きますね。
ベピオゲルやベピオローションは、ニキビの治療だけでなく予防にも使えます。
いま出ていない部分にも塗ることで、毛穴が詰まりづらくなりニキビの発生を抑えてくれるんですね。
外来でいつもお話ししていることですが、ニキビが出ているところだけしか薬を塗らないと、次から次へとニキビが出てきます。
1個ニキビが治ったら違う毛穴からニキビが出てくるという、モグラたたき状態になってしまいます。
なのでモグラが出てこないように(新しいニキビが出てこないように)、毛穴全体に薬を塗っていくことが必要なんですよね。
統計をとると、顔全体に塗っている方は非常に少ないようです。
それは、先ほどあげた通り「続けづらいと感じる要素」がいくつかあって挫折してしまったというのもあると思います。
最近では少なくなりましたが、「ニキビができたので抗生剤をください」という患者様がいます。
たしかに抗生剤が効く場面もありますが、長期的なコントロールに抗生剤は向きません。
普段からニキビを予防していく薬を使わないとダメなんですね。
抗生剤頼みになってしまうと耐性菌(抗生剤が効かなくなる菌)が増えてしまいます。
皮膚科のみならず他科領域でも耐性菌の問題は出てきており、世界中の問題になっているんですね。
医学界全体の大きな問題であり国際サミットでの議題にもなるくらいです。
いざという時に薬が効かないという事態が、すぐそこまで来ているんですね。
不必要な抗生剤を使わないでニキビ治療ができる時代なので、新しい薬を上手に使っていただきたいなと思います。
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