私のInstagramにも少し出していたのでご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、現在当院では乳輪・乳頭アートメイク(ブレストアートメイク)の準備を進めています。
乳輪・乳頭アートメイクとは、乳がんで自分の乳房を切除した方の乳輪と乳頭をアートメイクで描く技術です。
温泉に気兼ねなく行けるようになりたい、女性としての自信を取り戻したい、などのお悩みに寄り添う技術です。
全国的にも施術可能な施設は少ないため、今後の発展が期待される分野ですが、当院でも導入に向けて準備を進めております。
乳輪・乳頭アートメイクの第一人者である岩元淑子さんにお越しいただき、当院の看護師が技術指導を受けました。
(ブレストアートメイクは、岩元さんの商標です。)
実は私が眉のアートメイクを受けたのは、(もちろん役得の部分もありますが)岩元さんの技術講習に向けて実際の皮膚で練習するためだったのです。
普段はこういう人形で練習しているのですが、やはり人間の皮膚とは感触が違いますのでね。
乳輪・乳頭アートメイクでは、パウダーという技法を使います。
そこで、私の眉をパウダーで仕上げてもらいました。
↑施術直後です。
眉のアートメイクの写真では毛並み(線)が入っていることもありますが、私の眉に毛並みがないのはこうした理由です。
パウダーは、点描のようにして色素を入れていきます。
乳輪・乳頭アートメイクはアートメイク看護師の間で認知度が高まってきていますが、実際に乳がんを扱う医師で知っている人はわずかなようです。
(私も同期を通じて何人かの方に聞いてもらいましたが、「知らない」とのことで…現状では自由診療だからというのもあると思います。)
ゆえに、乳がんの方でご存じの方もまだ少数なのではないかと考えています。
乳輪・乳頭アートメイクでは、主治医である乳腺外科・再建に関わる形成外科・MRIなどを撮影する放射線科の皆さまとの信頼関係が大切です。
技術を習得しただけでは終わらないのが、通常のアートメイクとの違いだと思います。
たとえば、「アートメイクを入れたら、経過のMRIは撮れないんじゃないの?」となってしまうと、患者様の不利益になってしまいます。
(実際のところ、火傷になる可能性は非常に低いという論文が出ています。)
そういった部分を含めて少しずつ連携させていただきながら、前に進んでいきたいと思います。
当院は保険診療も美容医療も行っているクリニックですので、通常のアートメイクだけでなくパラメディカルアートメイク(医療を補助していく技術としてのアートメイク)にも取り組んでいきますので宜しくお願いいたします。
(写真向かって左が岩元さんです。ご指導ありがとうございました。)
話の順序が逆になってしまいましたが、私のアートメイクの様子や経過につきましては改めてお伝えしますね。
※通常のアートメイクは、これまで通り佐藤が対応しております。今後変更がありましたらお知らせいたします。