こんにちは。 札幌出身・アメリカ在住の皮膚科専門医/美容皮膚科女医の日景聡子です。

 

昨日の記事に関連して、今日はシミのお話を書きますね。

 

お友達でシミに悩んでいるという方を見てみると、

こういう感じのお肌が多いのです下矢印

 

↑無料の画像に、私が少しシミを付け足したのですが…

 

くっきりとした細かいシミの周りに、何だかぼんやりしたまあるいシミが

頬全体に広がっているのが見えますか?

 

肝斑(かんぱん)というシミは、こんな感じで、主に頬に、

広い範囲でモヤっと境界がぼんやりして現れてきます。

 

(実はこの部分はもともとのイラストに描いてあり、

作者の方はおそらくチークのつもりだったのでしょうが、

とてもわかりやすいイラストだったので、私が今回の説明のために、解釈を変えています)

 

 
間違ったスキンケアが、シミを生み出すことも
 
昨日、シミの種類には複数あると書きましたが、
実際のお顔には、何種類かのシミが混ざっていることも多いんですよね。
 
詳しい病名はともかくとして、上のイラストのように、
そばかすや、細かい老人性色素斑と肝斑が合わさっていることが多いのです。
 
これはどうしてかというと、
シミを隠そうとしてコンシーラーを一生懸命に塗りこんでいた、
シミを取ろうとして「くすみ」を取るアイテムでゴシゴシ擦っていた、
 
そんな習慣が隠れているからです。
 
肝斑自体がモヤっとしているシミなので、これをくすみだと思って、
ゴシゴシしている方も…
 
残念ながら、自分で肝斑を作り出してしまっていた可能性が高いんです。
 
そばかす、老人性色素斑など、1個1個出てくるシミの大半は、
医療として塗り薬を使ったり、メラニンを破壊することが必要です。
 
しかし、ご自分で頑張り過ぎて、
新たなシミ(肝斑)を呼び寄せてしまっていたんですね。
 
シミの形や分布から、その方のスキンケア・メイク習慣が見えてきます。
 
スキンケアとメイクと美容医療が繋がっているということは、
こういうことなのです。
 
 
スキンケアを改善してこそ、美容医療が生きてくる
 
このような方の場合、まずは擦らないスキンケアを徹底したうえで、
飲み薬や塗り薬で肝斑の治療を始めます。
 
そして数か月単位で肝斑を落ち着かせてから、
もともとあったシミをレーザーなどで治療することが一般的です。
 
肝斑は、普通のシミ取りレーザーを当てると悪化することが知られており、
一度に全てのタイプのシミを治療するのはリスクを伴います。
 
(特殊な機器や化粧品もありますが…今日は一般論として話しますね)
 
スキンケアに意識を向けないまま治療を続けても、
肝斑が悪化したり、もとのシミに強い出力を当てられなかったり…
 
もしくは副作用が出たり、治療が中途半端で終わってしまいます。
 
「自力では治せないシミもある」と認識したうえで、
新たにシミを生み出さないような習慣(擦らない、紫外線対策など)を意識し、
 
スキンケアと美容医療を上手に組み合わせることが大切です。
 
 
「守り」ができていないと、十分に「攻め」ることができない
 
昨日の記事で、スキンケアは「守りの美容」、
美容医療は「攻めの美容」とお話ししましたが、
 
「守り」ができないと、「攻め」ができないというのは、
今回の例でおわかりいただけたんじゃないかな、と思います。
 
自分で全て頑張らなくてもいいんだ!と思えれば、気持ちが楽になりませんか?
 
スキンケアでは治らないものを治ると期待しながら、
不必要にケアをしたりメイクを重ね塗りしたりして、
新たなシミを生み出すこともないですよね。
 
年齢を重ねるごとに、メイクがシワに入り込んで目立ちやすくなります。
コンシーラーも、時間が経つと浮いてきて、逆に隠しているのがわかってしまったり…
 
スキンケアと美容医療の力でシミを改善できれば、
厚塗りメイクはいらなくなって、心も軽くなりますよね。
 
美肌になるためには、普段からスキンケア習慣を意識し、
そのうえできちんとした美容医療を取り入れることです。
 
あなたも、まずは毎日のスキンケアから見直してみませんか?
 
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。
 
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