こんにちは。札幌出身・アメリカ在住の皮膚科専門医/美容皮膚科医の日景聡子です。
 
他科の知り合いのドクターから、こんな爆弾発言(!!)がありました。
 
「先生の言うように、スキンケアでシミが改善するなら、美容皮膚科いらないんじゃない?」

 

今日はその誤解について書いておきます(笑)

 

確かに、私のブログだけを読むと、そのように思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

私は、普段からスキンケアについて様々なことをお伝えしていますが、

スキンケアだけで全てが解決するわけではありません。


むしろ、スキンケアの限界を知ることが、美容医療を知ることにもなり、

美肌を目指す時に必須のステップなのです。

 

 

顔にできる色素斑は、大きく分けて2タイプある

 

シミの分類、ネットなどでもよく見かけますが、大きく分けると4種類です。

顔にできる「アザ」も入れて5種類としている先生もいます。

 

今日は詳しい分類は置いておいて、

これらシミとアザを合わせた色素斑は、大きく2タイプに分かれます。

 

スキンケアで改善させられる、または悪化を食い止められるものと、

改善のためには医療の力が必要なもの、です。

 

しかし、こういった事実を知らないがために、

治療が必要なものを自力で治そうとするあまり、

間違ったスキンケアを繰り返し、

 

不必要に別な種類のシミを呼び寄せてしまっている、

という場合が、往々にしてあるんです。

 

(具体的な例は、明日お話ししますね。)

 

 

スキンケアと美容医療の線引きができることが、美肌への近道

 

どのシミがどのタイプで…を見分けるのは、私たち医師の仕事ですので、

ご自分で判断してほしいと言っているわけではありません。

 

ただ、自宅でできること(スキンケア)とできないこと(美容医療)がある、

というのは、きちんと知っておいていただきたいと思うんですね。

 

 

「シミを『治療する』っていう発想がありませんでした」とは、

先月の美容講座でいただいたご感想です。

 

病気じゃない=治療じゃない、というのは、まだまだ根強い考えですよね。

美容クリニックは、セレブが行く高級エステ、と思っている方も多いと思います。

 

でも、美容医療は、一般の皮膚科・形成外科領域の延長線上にあります。

肌のお悩みを医学的に解決するための、確かな技術なのです。

 

 

攻めと守りを、うまく使い分けて

 

私はよく、スキンケアは基礎編で、美容医療は応用編、という言い方をしますが、

スキンケアは「守りの美容」で、美容医療は「攻めの美容」とも言えます。

 

スキンケアは、いかに肌を守るか、悪くしないか、予防するか、

に焦点を当てるべきだと、私は考えています。

 

それが、私のコンセプトである、

日焼け止めとメイク落としに気を付けて、化粧品で保湿する、

ということなのです。

 

一方、自力で改善が難しいものは美容医療の力を借りるべきで、

それが「攻めの美容」になるわけですね。

 

守っていたところから一歩踏み込んで、メラニン色素を破壊したりするわけです。

 

しかし、美容医療だけで良いかというと、そうではありません。

 

スキンケアがきちんとできていないと、治療がうまく行きませんし、

治療してもまた新たなシミができてしまいます。

 

スキンケアと美容医療は、決して片方だけで良いわけではなく、

むしろ、お互いを補い合うものなのです。

 

それに気づけた方は、肌が良い方に変わっていきます。

 

今まで私は、スキンケアの大切さについて書いてきましたが、

スキンケアでできないことも、当然あります。

 

その境目がわかれば、自分だけで思い悩むこともなく、

医学的に間違った方向へ頑張りすぎることもないですよね。

 

今後は、スキンケアの先にある、

具体的な美容医療のことも、少しずつ書いていこうと思います。

 

美容医療を知れば、スキンケアがどう役立つかがわかりますし、

多くの方が抱いている、美容医療に対する漠然とした不安や、

敷居の高さというのも、なくなってくると思うのです。

 

あなたが大切な肌と向き合うお手伝いができれば、とても嬉しいです。

 

いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。
 
Instagram