こんにちは。 札幌出身の皮膚科専門医/美容皮膚科女医の日景聡子です。
 
 

たまーに、食事のことを書いておりますが、以前もお話しした通り、バランスが大事だと思っています。

 

 

これは私の価値観ですが、どんなに美肌に良くても、ガンになりやすい食事はやっぱり取り入れづらいんです。

 

 

ある程度、長生きしたいので。

 

 

(これは欲張りもありますが 笑、今は家族のためです。)

 

 

そして、美容のドクターの間でも食事に関しては意見が分かれていて、私としても、どれか一つを自信を持ってお勧めするのは難しいなあと思っているのです。

 

 

行き過ぎた紫外線ケアのデメリット

 

さて、私の立場からは日焼け止めについていつもお話ししておりますが、行き過ぎた紫外線ケアには残念ながら負の側面もある、ということをお伝えしなければなりません。

 

 

紫外線を浴びないことで、骨粗しょう症のリスクが上がってしまうんですね。

 


 
紫外線って、悪者扱いされてばかりですが、ビタミンDの合成を助けていることは、あまり知られていません。
 
 
ビタミンDは、もちろん食品を通して腸からも吸収されますが、実は紫外線とコレステロールを原料に、皮膚でも合成されているんですね。
 
 
ビタミンDは、骨を作るカルシウムの代謝をサポートするのですが、これが足りなくなると骨がうまく作れなくなるんです。
 
 
(骨って、作られて壊されてを繰り返し、常に改造されています。)
 
 
美肌ブームの弊害?!
 
実は、お母さま方が紫外線を気にするあまりお散歩に行きたがらなかったり、お子さんを外に出したがらなかったりするケースが増えています。
 
 
また、日焼け止めをお子さんに全身くまなく塗ってしまうために、お子さんがビタミンD欠乏となり、骨がうまく作られず変形したりする「くる病」が増えている、というのは以前から知っていました。
 
 
(ちなみに、完全母乳の場合、ビタミンDが不足しやすいです。)
 
 
そして、美容的な観点から紫外線を避けすぎて、ビタミンD欠乏の若い女性が増えているんですよね。
 
 
私はこのことを知っていたので、夏は足には日焼け止めを塗らずにいました。
 
 
(面倒くさかった、というのもあり…^^;)
 
 
日光浴だけでは、やっぱり難しい…食べ物も意識しましょう
 
私の持っている数年前の皮膚科の本には、手のひら2枚分の面積で15分間紫外線を浴びれば
ビタミンDは十分合成できる、と書いてありました。
 
 
そのため、すっかり油断していたのですが、上でご紹介した佐藤みはる先生の最新情報によりますと、冬の札幌では、300分紫外線を浴びないといけないみたいです。
 
 
確かに、緯度や季節で違いが出るのは当たり前ですよね。
 
 
 
↑札幌と同じ緯度のアナーバー。本日午前10時でマイナス11℃。
300分どころか、3分でも辛い…
 
 
というわけで、特に冬は食品からビタミンDを摂取しなければなりませんね。
 
 
詳しくはみはる先生の記事を読んでいただきたいのですが、少しだけ追加させていただくと、シイタケなどのキノコにもビタミンDは含まれています。
 
 
 
 
ちなみに、ビタミンDは卵巣機能にも関わっているという報告があります。
 
 
最近は、50代でも30代に見える、いわゆる美魔女も数多くいらっしゃいますが、ハイヒールでつまずいただけで骨折するようでは、ちょっといただけないかなあ、と…
 
 
あ、こういう記事を書くと、サプリなどで大量に摂取する方がいらっしゃいますが、ビタミンDは脂溶性のため蓄積しやすい(おしっこで出て行かない)ので、適量を守ってくださいね。
 
 
腎臓に負担がかかったり、最悪の場合、意識障害に繋がります。
 
 
体の外側からだけでなく、内側からもケアしたいですね。
 
 
今日は自分への戒めも込めて書いてみました。