札幌出身の皮膚科専門医/美容皮膚科女医のSatokoです。
 
Thanksgivingの記事をはさんで、前回の続きですが、
シャンプーのお話に1つ追加をさせてください。
 
家族の誰かがアタマジラミをもらってきた時は、
基本的に全員シャンプーを使った方がいいです。
 
というのも、寝具やバスタオルを共有しないように気を付けたとしても、
ソファなどにも付いている可能性がありますし、
完全に予防することは難しいと思った方がいいです。
 
ピンポン感染といって、
誰かが治ったころに別の誰かがなって、
またそれをもらって…と
延々と繰り返してしまうからです。
 
大変でしょうが、家族みんなでシャンプーした方が
最終的には早く収束します。
 
シャンプーの効果を手助けするアイテム
 
アタマジラミ用の細かい目のコームがあります。

これで、虫と卵を物理的に取り除きます。

 

スミスリンシャンプーは、卵には効きませんので、

卵がかえる2-3日ごとにシャンプーを使うことになっています。

(間の日は、普通のシャンプーです。)

 

なので、毎日コームを一緒に使うといいですね。

ポイントは、髪を濡らして使うこと

 

乾いた髪をこれで梳かすと、絡まってとっても痛いです。

また、卵や虫があちこちに飛んでしまう恐れがあります

 

なので、お風呂場で髪をシャワーで濡らして、

このコームで髪の毛を梳かして、

シャンプーをするといいですね。

 

前回も書きましたが、

お子さんのシャンプーは、

大人の方がしっかり洗ってあげた方がいいです。

 

アタマジラミは、後頭部や耳の後ろなどにいることが多いのですが、

子ども自身ではうまく洗えない部位なんですよね。

 

年長さん~小学生になると、

自分で頭を洗う子も増えてくるのですが、

アタマジラミの期間中は、親御さんが洗ってあげてくださいね。

 

特に、小学生のお兄ちゃん、お姉ちゃんは、

自分で洗えるからと盲点になりやすいです

 

スミスリンシャンプーにもコームは付いてくるのですが、

ちょっと目が粗いのと、プラスチック製なので、

できれば専用コームもあった方が安心です。

 

ネットで「アタマジラミ くし」と検索すると、数種類出てきますので、

お好みのものを買われるといいかと思います。

 

 

アメリカで教えてもらったアタマジラミ対策
 

いわゆる民間療法に入りますが、

アメリカではポピュラーで、一定の効果が出せるそうです。

 

スミスリンシャンプーもコームも用意していなかった…

しまった!という方。

 

オリーブオイルも民間療法の1つとして効果があるんだそうです。

 

前回、アメリカのアタマジラミ対策商品をご紹介しましたが、

実際はシャンプーの毒性が強くかぶれやすいとのことで、

敬遠する親御さんが多いんだそうです。

 

(買っちゃいましたが…汗

 

オリーブオイルは予防として使う方も多いとのこと。

 

つまり、子どものコミュニティで流行っているんだけど、

わが子には今のところ卵や虫は見つからない…

でも心配、という場合ですね。

 

やり方はシンプルです。

エクストラバージンオリーブオイルを頭皮と髪の毛全体にたっぷりかけて、

シャワーキャップで2時間密封するんだそうです。

 

オイルが垂れるので、

肩のところにタオルをしっかり巻いておいてくださいね

 

虫をオイルで窒息させるのと、

卵を髪の毛からはがしやすくする目的です。

 

(普通のオリーブオイルでも良いのかもしれませんが、

アメリカの方は「エクストラバージンオリーブオイル」と強調していました。)

 

ただ、これは、シンプルながら中々難しいですね。

お子さんが2時間、その状態で黙っているかというと…

家じゅうがオリーブオイルだらけになるかもです。

 

何か映画のDVD1本、観せてあげるといいかもしれませんが、

最終手段に取っておくほうが良さそうですね。

 

ただ、オリーブオイルならどこにでも売っているので、

シャンプーやコームが届くまでの緊急処置として有効だと思います。

 

ぜひ頭の片隅に入れておいてくださいね爆  笑

 

 

日常で気を付けること
 

シーツや枕カバー等は毎日洗濯し、

できれば乾燥機にかけましょう。

 

乾燥機がない場合は、アイロンをかけましょう。

 

それから、掃除機も毎日かけましょう。

特にお布団と寝室の床。

 

バスタオルは1人1枚ずつ使いましょう。

毎回お洗濯です。

 

家族やお友達と、帽子やマフラー、

カチューシャ、コートなどなど

とにかく共有しないようにしましょう。

 

今まで列記してきましたが、

アタマジラミを家族の誰かがもらってくると、

本当に大変です。

 

毎日のシャンプー、掃除、洗濯…

共働きのご家庭だと、尚更キツイです。

 

だからこそ、準備をしっかりすることで、

少しでも慌てないようにしたいものです。

 

 

 

アタマジラミが冬に流行る意外な理由
 

アタマジラミは夏に流行ると思われがちですが、

アメリカでは冬に流行ることが多いそうです。

 

今回の学校からのお知らせも、冬になってからですよね。

夏には1回もありませんでした。

(というか、夏休みが長すぎなんですが…ガーン

 

なぜかというと…コート掛けを共有するからなんです。

 

アメリカでは2人で1つのコート掛けを使うことが多く、

コートのフード部分から移るんだそうです。

 

確かに、冬のコートってしょっちゅう洗わないですし、

帽子やマフラーなど顔回りに身に着けるものも多いですよね。

 

なるほど…と思いました。

 

日本でも、幼稚園はどうかわかりませんが、

保育園や小学校でも、所狭しとコートがかけられていました。

 

共有はしないまでも、

同じようなことが起こりうるなあと思いました。

 

もちろん、コート掛けについて

クレームを言うつもりは全くありません。

 

ここで一番大切なのは、

アタマジラミは思わぬところから年中流行しうる

ということをきちんと頭に入れて、対策を立てておくことです。

 

あとは、発生しないことを願うのみ、ですねアップ

 

 

最後に…女の子のいるご家庭は
 

アタマジラミが治ったはずなのに、

髪の毛に白いものがある…

 

娘さんが学校で「まだシラミの卵が付いてる!」

と言われて泣いて帰ってきた…

 

ということにならないように、

1つ補足させてくださいね。

 

髪の毛に白く細長く巻きつく付着物に

hair castというものがあります。

 

一般にはほとんど知られていない疾患です。

 

ポニーテールをする女の子に多いんだそうですが、

発症原因はよくわかっていません。

 

これをアタマジラミの卵と勘違いして、

ずーっと治療を続けてしまう場合があります。

 

アタマジラミの卵は、

地肌近く、髪の毛の根元から1cmくらいのところに

産み付けられているのがポイントです。

 

アタマジラミの卵はガッチリと髪の毛にくっついて動きませんが、

hair castは毛髪に沿う方向に簡単に動きます。

 

心配であれば皮膚科で確認することもできますよニコニコ

 

治療法はなく、1個1個くしで取っていくしかないのですが、

こういうものがあると知っていれば、

必要以上に不安にならなくて済みますね。

 

 

今日は長くなってしまってごめんなさいあせる

 

実は昨日、お友達数人でお茶していて、

学校でアタマジラミ流行ってるよねーという話になったので、

前回と今回のようなことを話したら、

 

「え~!!そんなこと全然知らなかったびっくり」と。

 

周りのお友達が知らないということは、

きっと他にも知らない方がたくさんいらっしゃって、

 

そういう方が何かで私のブログに辿り着いて、

なるほど、と思ったり、

 

役に立ったなーと思ってくださることを願って、

記事を書いていきたいと思っています照れ

 

いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。