2日目(3月1日Thur)
昨日に引き続き曇り。気温11℃
日本とほぼ同じ気候。寧ろ香港の方が寒く感じた。
夕べ遅くに食べたせいか、多少胃もたれしている。ここはやっぱりお粥かなぁと、店を探す為、油麻池のホテルからネイザンロード という大通り沿いに出る。
この辺り、飲食店が軒を連ね、最近は日本のファストフード店が多く目立つ。香港まで来てさすがに”す◯家”や”吉◯家”で食事する気にはなれず、既にお粥腹になってるので意地でも食ってやろうと、旺角近くまで歩いたところに”南龍粥店 ”という、 昔の香港カンフー映画のセットに出てきそうな金文字の看板を発見!ここや!本能の赴くまま入店。
店に入ると、全て漢文の試験問題のようなメニューばかり(笑)ここはGoogle翻訳(繁体字)が大活躍。 注文したお粥と香港式炒麺オーダーして量の多さにビビる。
肝心のお粥はというと、可もなく不可も無く、具は豚肉団子のみで、お粥はほぼ飲み物。
液体を摂取したちゃぽちゃぽのお腹を抱えてビクトリアハーバーに向かうためMTR で尖沙咀 へ。
肝心な事を書き忘れてたけど、香港は公共交通機関が発達しており、TAXI、地下鉄、ミニバス、トラム、ローカルバスのいずれかで目的地まで辿り着くのだが、僕は香港に行った時は、オクトパスカード という、日本のピタパやイコカカードのようなICカードを使ってる。地下鉄の駅などで買うことができ、料金が少なくなるとここでチャージもできる。このカードで上記の乗り物全て乗れるし、買い物もできる香港マストアイテムだ。
駅から10分ほど海岸方面に歩いていくと、対岸にある香港島 に隣接する摩天楼のビル群が目の前に広がってくる。ここから見る景色は香港で最もポピュラーで、“100万ドルの夜景”で有名。香港に明るく無い人も、この夜景の写真やポスターを一度は見た事があるのではないだろうか。ここは海外からの観光客が沢山訪れる場所で、ここから海沿い東側まで、星光大道(アベニュー・オブ・スターズ)といって、 ジャッキー・チェンやチョウ・ユンファなど香港スターの手形やサインが地面や壁に飾られており、アメリカのウォークオブフェーム香港版といったところか。
ここに来た最大の目的は僕の人生の師“ブルース・リー”先生の銅像が建っている前で先生と同じポーズで写真を撮るというミッションがあったからだ。2019年以前、この像はもっと西側に建てられていたのだが、5年前に訪れた時は、今の場所に移設されてはいたが、周りの植え込みや説明書きのプレートが無く、まさに工事中で、撮影するビジュアルでは無かったのだ。
余談だが、民主化運動の時はリー先生の名言“Be Water, My friend”(友よ、水になれ)が香港人の精神的支柱の言葉、スローガンになり、沢山の人が勇気付けられたそうだ。
以下、リー先生アメリカ時代のインタビューから抜粋
Empty your mind, be formless, shapeless – like water.
心を空にせよ。型を捨て、形をなくせ。水のように
Now you put water into a cup, it becomes the cup,
カップにそそげば、カップの形に
you put water into a bottle, it becomes the bottle,
ボトルにそそげば、ボトルの形に
you put it in a teapot, it becomes the teapot.
ポットにそそげば、ポットの形に
Now water can flow or it can crash.
そして水は自在に動き、ときに破壊的な力をも持つ
Be water, my friend.
友よ、水になれ
単純な僕はこの言葉に感銘を受け、多くの勇気をもらえた。
10代の頃は上っ面のカッコよさにシビレてたけど、
歳を重ねる毎、その時代にぶち当たる壁の前でリー先生のこの言葉に勇気付けられていたように思う。
銅像前ではお約束のリー先生と同じポーズで写真を撮ろうとする、数人の外国人観光客が居たのだが、どいつもこいつもウルトラマンのスペシウム光線のできそこないのようなポーズでサマになってない(笑)僕が、こうやってポーズとるねん!ってお手本を示すと、彼らから拍手が起こってちょっぴり恥ずかしかった。
念の為、移設する前に撮った過去のファイティングポーズと今年撮った比較写真も載せておく。
尖沙咀のスターフェリー乗り場前にあるバス停からNo.6のバスに乗り、香港の電脳街といわれる深水埗 (シャムスイポー)へ。
低料金なのにミシュランガイドにも載っている飲茶の超有名店“添好運 ”(ティムホーワン)で5年ぶりに本場の飲茶をいただく。
それにしてもここのチャーシューパイナップルパンは絶品や!パイナップルといってもパイナップル成分は全く含まれない、日本のメロンパンと同じコンセプトなのだ。サクサク過ぎる食感の生地の中には醤油ベースで味付けされたジューシーなチャーシューがゴロゴロ入っており、口の中でサクサクとトロトロとゴロゴロの3つが入れ替わり立ち替わり。永遠に食べ続けられそうだったが、この日の夜は、香港人の友人、真理さん(Maly)にディナーのお誘いを受けていたので、お昼は軽めの飲茶で終了。お店の前から偶然にもホテルの有る油麻池行きのバスがあったので、それに飛び乗り一旦ホテルでブレイク。
ホテルに戻り、スマホの充電しながら、ホテル近くのベーカリーで買ったエッグタルトとその隣にあるKマートのコーヒーマシンで買ったコーヒーををすすり、エッグタルトをほお張る。本当はスタバで優雅にコーヒーをいただきたかったのだか、何せ円安・物価高のお陰で、コーヒー1杯が日本の2杯分くらいの値段!ムダの無い、本当に必要なものだけをいただく旅にしたかったので、コーヒーはこれで充分満足。
ディナーの待ち合わせは19時だったが、久しぶりの九龍城だったので少し早めに出て街ブラしようと15時半ころホテルを出発。
ネイザンロード沿いのバスに乗り30分ほど経過。Googleマップで場所を確認中、リー先生が通っていた“喇沙小學”(ラ・サール小学校)がバスのルート上にあることを発見!何でも自分に都合良く考える性格の僕は、偶然というよりはリー先生がここに導いてくれたように思えた。
余談だが、この辺りは世界一着陸が難しいと言われた啓徳空港 があった場所から近く、以前、九龍城は、1991年まで“九龍寨城 ”と言われ、返還前のイギリス政府も中国政府も手が出せない治外法権の場所で、違法建て増しの悪魔の巣窟と言われた巨大城塞があったエリアで、今は城塞跡は公園として多くの観光客が訪れている。
今回、真理さんから一緒にお食事でもどうですか?とお誘いいただいた時、久しぶりの香港なので、全力で香港を満喫できる、観光客や外国人があまり居なくて、且つ日本人に余り知られていないような地元ローカルレストランに行きたい!と厚かましくもお願いしていたところ、
地元で潮州料理として名高い“樂口福酒家 ”ともう一つのレストラン“ 創發潮州飯店 ”をサジェストしてくださり、
どちらの店も甲乙つけ難くギリギリまで悩んだ結果、歴史のある方を選んだ。このお店を19時でリザーブして下さっていたので、バスを降りていそいそと向かう。九龍城には何度か来たことがあったので、東西南北さえ分かればどこにでも行ける動物のような人間なので、南東に向かって歩き、広い通り沿いに出る道を左に曲がったら偶然にも料理店の前に出てビックリ!これもリー先生のお導きか(笑)お店は、とても歴史を感じる建物の外観と今では少なくなってしまった香港らしい電光看板、とても味わい深い佇まいに完全にノックアウト!
こんな素敵な店をチョイスする真理さんのセンスの良さに脱帽!
おのぼりさんのような日本人が店の前で待っているのも何なんで、先に入店する。眼鏡の似合うイケメン店主が愛想よく予約席まで案内してくれた。とても歴史を感じさせる内装。決して古めかしく無く、映画の ロケに使われるのも納得。
着席して直ぐに真理さん登場。5年ぶりの再会。相変わらず可愛いなぁ。あ、僕たちは皆が期待するような関係では無いのであしからず。
今日は、二つ年下の妹 Abby(アビー)さんにも声を掛けてくれているそうで、ますます楽しみになってきた。
数分後、 アビーさん登場。控えめな感じ。真理さんと 2つ違いだそう。共に日本語検定持っていて、真理さんN2、アビーさんN1って、多分僕より日本語理解してるわ。凄すぎるTwo Girls!僕の苦手な食べ物聞いてくれてからおすすめの料理をオーダー。
最初に大きな器に“胡椒スープ"”(通称)なる料理が運ばれてきた。多分、豚や鶏、薬膳のエキスと、そこにこれでもか!ってくらいの胡椒が効いており、初めて体験する味。スープそのものはあっさり目やけど、一口飲み出すと止まらないし、めっちゃ温まる!この日の香港は、夕方少しだけ雨が降って寒かったので、冷えた体に沁みて香港のやさしさを感じた。続いて油で揚げた牡蠣のオムレツ?多分、玉子と粉系の生地を合わせた中に、これでもかっ!っていうくらいの牡蠣がインサイドしており、
普段、というより日本では牡蠣は食べないのだが、郷に入っては郷に従え精神で一口食べてみてビックリ!油っこく無くてめちゃくちゃ美味しい!!何これっ?臭みもエグ味も無く素材のうま味しか無い!素材の良さもさることながら、下処理や調理の仕方なのか?とにかく一手間も二手間もかけてる感じがした。同時にガチョウ肉の盛り合わせもテーブルに!これは甘辛い醤油ベースで味付けされたガチョウ肉とその下に隠れるように豚肉や鶏肉、多分シマチョウ等のバラエティミートと味付け玉子が盛り付けられており、肉はどの肉もジューシーで柔らかく程よい甘辛さで味付けされており、白いご飯が止まりません!
中華系の食文化だと思うが、一つ一つの料理の量が多く、それをみんなでシェアしていただくという感じなので、卑しい僕に取っては、色々な料理が楽しめてホンマにこの食文化好き!その後は麺料理。中華麺?と言って良いのか定かではないが、麺をを油でカリっと揚げて、黒酢と砂糖をお好みで付けて食べるという至ってシンプルな料理で、砂糖付けた麺なんか食べられへんわ!って内心思ってたけど、想像してたのとは全然違う!黒酢と砂糖付けるだけで何でこんなに美味しいの?麺の揚げ具合も絶妙で、これもとても美味しかった。
こうやって見ると茶色の食べ物ばかりやけど(笑)最後の〆は白!中身は何かというとタロイモに衣をつけてカリっと揚げたもの。これが口直しにバッチリ合うのよねぇ。
最後に真理さん、アビーさん姉妹と記念撮影!
真理さん、アビーさんご馳走さまでした!多謝!