平成30年11月

温泉が好きな私は、思い切って夫と2人で温泉に行くことにした。

夫は嫌がりもせず、2人で温泉に行った。

夫は職場で外部の営業の男の子が急に辞めて、後任に女の子が来たと話していた。


まもなく夫の様子が変わりだした。

私が話すと蔑んだを目をするようになり、会話もだんだんしなくなり、買い物に行く車の中では口喧嘩をするようになった。

スーパーで買い物をした時、クイックペイの使い方がわからないとスーパー中に響く声で怒鳴られた。

娘の成人式に車で送って貰いたかったが、怒られると思うと夫に聞くことが出来ず、娘が夫に話してくれた。

私は好きなヨガをしたいのと、自分は元気なんだと思いたくて、週末はせっせとヨガに通った。

夫は寝室で、ずっと携帯をいじるようになっていた。

少し寝室から出てきた方が良いよと言っても、携帯をいじっていた。


自家再建は、令和一年の3月、11日間の入院だった。

13時間の手術で先生達が「これから飲みに行きますか」と言っているのが聞こえてきた。

この人達の体力は何者なんだろうと思った。

術後、体がガタガタ震えだし、熱を出した。沢山布団をかけられ、今度は熱くてたまらなくなった。

もう1時間は経ったかと思い時計を見ても、5分しか経っていなかった。

辛さは2日めまで、続いた。

紙をオムツをして、下剤の関係なのか下痢を何度もした。

看護師さんに汚れをとって貰うのは、とても恥ずかしかったし申し訳なかった。


母がすぐ面会に来たが、とてもイライラしてもう来なくて良いと言ってしまった。

母はそれから面会には来ていない。

夫は毎日面会に来たが、いつも面会終了の5分前に来てすぐ帰った。

自宅から遠いのに大学院1年の息子は2回面会に来て、隣でゲームをしていた。

大学3年の娘は反抗期なのか、面会に来なかった。


仕事は、退職金のない正職員だったので、今度は休ませて貰おうと1ヶ月休んだ。

これが転職前の立ち位置なら、2、3日で回復するシリコンを選んだと思う。


コルセットを数ヶ月着けなくてはならず、服の上から巻いていた。

今考えると格好悪い姿だった。

毎日自宅にいるので、夕食を作り夫が帰ってくるまで待った。

4月に復職すると、待ってましたとばかり新規がどんどん振られる。

おかげで、太ももに帯状疱疹が出来てしまった。


仕事復帰して1ヶ月が経った5月上旬、クルマの中で「仕事を辞めたい。リクルートでもなんでも仕事はある。」と夫が言った。

私は一年前に転職をして、歳を取っても働きやすい、給料が下がった職場にいた。

子供たちは学生だ。

咄嗟に出た言葉は、「私は何度も転職をしてきたけど、結局はずっと平社員のままだよ。私はまだ資格があるけどお父さんはない。今の地位を捨てることだよ。甘いよ。」と言った。


数日後「接待か誘われたのかわからないけど明日飲みに行く」というので一万円を渡した。

「前から好きな人だから、楽しみなんだ」と言うし、転職したいと言っていたので「良かったね。職場以外の人と飲むのも良いね」と返事した。

私は鈍感なので、女性とは全く思わなかった。

飲みに行ったものの夫が帰って来ない。

なんとなく眠れず、ソファでウトウト寝ていたら、午前2時に帰ってきて何も言わずにそのまま寝室に入ってしまった。

次の日は、出張で「昨日遅くまで飲んで車の運転大丈夫?」と言うと下を向いたまま、家を出て行った。


出張から帰ってくると、何かぼーっとしている日が続き、鬱だろうかとも思った。

夫はどんどん表情がなくなり、私とはひとことも口を聞かなくなった。

体重も落ちているようで痩せていき、鬱病になのではないかと思った。

でもよく見ると、子供達とは会話をしている。

夫の転職の話を子供達に伝え、一言も話をしないと、子供達に相談した。

息子は「そんなに大変な仕事なら、辞めた方が良い」と言い、母に相談すると、「男の人が言うぐらいだから、転職した方が良い。身体が一番だから。」と言われ、そうだな、身体が一番だと思った。


夫は1ヶ月ほど、いろんな理由で飲みに出かけるようになった。

私はなんだか悪い予感を持つものの、怖くてお金を渡していた。


ゴールデンウィーク、半年前から予約していた温泉に夫と2人で行くことになった。

車の中でも旅館でも夫は一言を口を聞かない。

大浴場に向かう途中でタオルを忘れたことに気付き、部屋に戻ると、夫は見ていた携帯を慌てて落とした。

帰りの車の中でも、夫は口を聞かない。

とうとう、私は「仕事で嫌なことがあるからと言って口を聞かないのはおかしいと思う」と怒って言った。

夫は車からすぐに自宅には戻らず、数分後に帰宅した。

家に帰るとウイスキーを一気に飲み、「離婚したい。もう言ったから、気持ちは変わらないから。」と言った。

頭を金槌で叩かれたような気がした。

全てが無くなってしまうように感じた。

夫に離婚理由を聞くと、「両親なら介護がこれから必要になる。結婚する前に私が別れたくないと言ったから結婚した。十数年前から気持ちはなかった。子供達の将来を考えて止めた。娘が成人式を迎え、区切りがついたと思った。」

私が離婚の理由が納得出来ないと言うと、どんどんエスカレートして声が大きくなっていき、「お前が悪いんだ。」とマンション中に響く大きな声で怒鳴った。

息子が帰宅して、突然離婚すると言われたと伝えると、ら2人の様子を見て、「一時休戦」と言いまた出かけた。

娘に伝えると確か泣いたように思う。


過去のことを遡って書けるようになり、病状は良くなってきていると思う。

文字で改めて書くと、とても辛く気持ちも落ち込む。

この記録を先生に見せることが出来たらと思う。

辛いけど書く。


この続きは次のブログに書く。