GoPro Hero 11 Black による 3D VR180 カメラリグ 2023年11月版 | 水中カメラマンのデスクワークな日々

GoPro Hero 11 Black による 3D VR180 カメラリグ 2023年11月版



GoPro Hero 11 Black に Max モジュラーレンズを付け、それを2セット横に並べて 3D の VR180映像を撮影するようになり約1年少し経過しました。

この組み合わせでVR180映像を撮っている人なんて、おそらく全世界探しても10人も居ないと思われるので、情報は皆無。全て自分で工夫しながら行うしかありません。

3D は基本的にカメラを2台並べて撮れば3D映像が撮れるわけですが、2台並べて撮るにしても、正確に向きや位置を揃えて撮らなければ、3D映像として視聴するには耐えがたい酷い3D映像になってしまいます。

幸い、ここ1年いろいろテストしてわかった事ですが、多少カメラの向きや位置がずれていても、後処理(Adobe AfterEffects)を丁寧に行えば調整できます。 もちろん、ずれにも限度がありますし、正確に向きや位置が合っている事に越したことはありません。

効率的な後処理を考えると、向きや位置が正確に合っている以上に、全ての撮影カットで同一である事が重要です。

つまり、REC の ON/OFF する毎にカメラが微妙に動いて、カット毎にカメラの向きや位置がずれる事が無いようにしなければなりません。

GoProの欠点として、カメラを固定するベースが、ぐらぐらしていて、がっちり完全に固定する事ができません。
そのまま使用すると、REC ボタンを ON/OFF する毎にカメラが微妙に動くのです。

なので、REC ボタンを ON/OFF しなくても良いように、当初は複数のGoProをリモートで同時に制御できるスマホアプリを使用していました。 これなら、一度セットしたGoPro に触れる事なく、電源の ON/OFF 、REC ボタンの ON/OFF の操作ができたのです。

しかし、、

GoProリモートアプリは、とても不安定でした。


特に人が多い所では、電波が干渉するのでしょうか? 不安定というより、使い物にならないレベルでした。

結局、 リモートアプリを使用する事は辞めて、GoPro本体のREC ボタンを都度指で押すという方法に戻ったのです。

そこで、重要になるのが、GoPro本体のREC ボタンを指で押しても、GoPro本体が動かないようガッチリ固定させる方法です。

専用のカメラリグメーカーがVR180用のリグを発売してくれていれば、それを購入するば良いのですが、そんな既製品はありません。

ここ1年、いろいろ試行錯誤しましたが、今日紹介するのは、ここ1年で辿り着いた最新の私のリグです。
もちろん、これが最終形ではありません。
もし、もっと良いアイデアがあれば、是非とも教えて下さい。


以下の画像は、いずれもジンバル(DJI Ronin RS3)に固定しています。

●片方のGoProを逆さにする事で、レンズ間距離を寄せたり離したりできるシステム
2台のGoProの背面にアクリル板を押し付けてしっかり固定します。
 



一般的に人の目と目の間の距離、瞳孔間距離(IPD)は、60~65mm といわれています。
なので、3D カメラのレンズ間距離も同じである事が望ましいのです。

ただ、特別な例として、小さな被写体に接近して撮りたい場合、3D カメラのレンズ間を寄せて撮った方が3Dで視聴するには楽に視聴できます。
この場合、被写体の大きさが実際よりも大きく見えてしまいます。

逆に、遠くの被写体を一般的な瞳孔間距離と同じ3Dカメラで撮影すると、立体感があまり感じられず平面的な映像になります。
そこで、あえて3D カメラのレンズ間を広げ、遠くの被写体でも立体的に見えるように撮る事があります。
たとえば、打ち上げ花火は、カメラを5~6m離す事で、球形に開く花火の3D映像が撮れます。

3D カメラのレンズ間を瞳孔間距離より広げて撮った3D VR180映像では、視聴した際には被写体は実際の大きさよりも小さく見えます。


●GoProをシンプルに横に並べて寄せ、前面と背面をアクリル棒を押し当ててしっかり固定します。 前面のアクリル棒は、内蔵マイクを塞いでしまうので、スペーサーを入れて内蔵マイクを塞さがないようにしています。



このシステムでのレンズ間距離はいちばん寄せても 70mm です。
人間を撮ると、実際よりも少し小柄に見えます。
風景ではほとんど違和感が無いので、これが私の基本システムです。

いずれの設定でも4チャンネルサラウンド録音に対応したZOOM ハンディレコーダー 「H2n」を後ろにセットし、 GoProへは、Line(ステレオ)で、メディアモジュラーに入力します。

メディアモジュラーは不要な部分を切り捨てて本体に接続しています。
メディアモジュラーを装着すると GoProがフリーズする頻度が増え、リセットするには電池を抜く必要があるのですが、標準のままだとカメラ固定ネジを外しばらしてから電池を抜くという非常にやっかいな手順なので、単純にメディアモジュラーを引っ張れば取り外せるよう不要な部分を切除しました。

ただ、4チャンネルサラウンド録音はしているものの、Youtubeにアップしている動画は現状はステレオだったり、GoPro内蔵マイクの音だったりします。

【参考資料】

●カメラのレンズ間距離と瞳孔間距離の違いにより被写体の大きさが変化してしまう件の詳細は以下のサイトに詳しい解説があります

https://vrlab.meijo-u.ac.jp/edu/HMD-IPD-distortion.html

● レンズ間を広げて立体感を誇張した 超立体視3D映像 ( Hyperstereoscopy , Exaggerated stereoscopic )のYoutube再生リスト

https://www.youtube.com/playlist?list=PLMyf7bjc4ZIFopJmhmuMQfiPQC22KFRfJ