***<<会話成立に先立つ最低限のオススメセット>>***

 

『ヌメロ・ゼロ』ウンベルト・エーコ(河出文庫)

『幻影(イメジ)の時代』ブーアスティン(現代社会科学叢書)

『紀元二四四〇年』メルシエ(法政大学出版局)  

 

『ニーチェ』ジャン・グラニエ(文庫クセジュ)

『百科全書』マドレーヌ・ピノー(文庫クセジュ)

『民主主義の本質と価値 他一篇』ハンス・ケルゼン(岩波文庫)

『民主体制の崩壊: 危機・崩壊・再均衡』フアン・リンス(岩波文庫)

『ナショナリズムの歴史と現在』E.J.ホブズボーム(大月書店)

『プロ倫』マックス・ヴェーバー(岩波書店)

『現代議会主義の精神史的状況』カール・シュミット(岩波文庫)

『現実の社会的構成―知識社会学論考』ピーター・バーガー、トーマス・ルックマン(新曜社)

 

『定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行』ベネディクト・アンダーソン(書籍工房早山)

『ナショナリズム』E.ケドゥーリー(学文社)

『ナショナリズムとは何か』アントニー・D・スミス(ちくま学芸文庫)

『社会主義』ジョルジュ・ブールジャン(文庫クセジュ)

『ファシズム』アンリ・ミシェル(文庫クセジュ)

『ロシア革命の考察』E.H.カー(みすず書房)

『民族とナショナリズム』アーネスト・ゲルナー(岩波書店)

 

『ユダヤ人国家』テオドール・ヘルツル(法政大学出版局)  

『未来の歴史』ジョルジュ・ミノワ(筑摩書房)


『考古学と古代イスラエルの宗教』W.F.オールブライト(日本基督教団出版局)

『石器時代からキリスト教まで』W.F.オールブライト(日本基督教団出版局)

『古代パレスティナの宗教』W.F.オールブライト(日本基督教団出版局)

 

『聖なる天蓋』ピーター・L・バーガー(ちくま学芸文庫)

『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ(東京創元社) 

『フーコーの振り子』ウンベルト・エーコ(文春文庫)

 

***<<オススメセットEND>>***

 

さて、本日はコチラ。

 

『人間の生の遺産』エルヴィン・シャルガフ(法政大学出版局)

 

氏の著作を読むにあたっては幾つかの前提を共有しなければならない。という事は、前回と違って今回はその共有が必要な本なのであり、場合によってはその一言だけで感想の殆どを網羅しているとも言える。まあ流石にそれではと多少は続けはするのだけど。

ではその前提より最も厄介なものから片付けてしまうと「2、30年前の本ながら現在の私にもろもろ向けられている気がする」である。はい、やはりアタマがオカシイの反応は当然なので前提を共有していない向きには本年分だけでも過去投稿に目を通して頂くしかない。

次いでその向けられているとは具体的にどういう事かと言えば「パクり、マウント、平準化の一環」である。何かしらの対象について存在や痕跡の上書き更新は歴史に目をやれば、それも考古学の範囲にまで目をやればチョイチョイと出て来る話。奥州藤原四代等の西暦1000年前後などはつい先日、1年目から近現代とは先日述べた。それより前の長い長~い歴史、人類の歩み。その間に何度となく繰り返された手段に、既に熟成の域にある手法にと。

一方でそれならばの私の解釈、方針、スタンスは「認識や主張を同じくするところについては強力な援軍として利用する」という事であった。以後氏の著作群、氏の著作群と事あるごとに述べているのは皆さんご存知の通り。

そして著作一般の性質についてになるが未発表の手稿、本人の意思には反する編集その他特に死後のもろもろという事情、より簡潔には本当に当人によるものかねとの問いは常に念頭に置かなければならない。少なくとも私は既にそうした経験を幾つか重ね、当ブログに紹介した事もあるはずである。

最後に最早著作の話ですらないのだが「世の中は世相、風潮、常識、雰囲気づくり等の勢力争いであり、そのメインとなる上部構造そして限定的な投影としての下部構造」および「何らかの改変においてはまず極端な目標に向けて突き進み、頃合いを見計らってソフトランディングの動きが出て来る」等の世の中のお約束を挙げておく。

そうしてようやく本書の細かな感想を述べるならば以下である。

 

①著作群の中でも一風変わった印象を受けるが訳者が違うとの事

②部分部分についても異なる印象を受けるが章ごとにも訳者が違うとの事

③科学について述べるところは凡そは今までと同様の文脈であった

④言葉や文章について述べるところも凡そは今までと同様の文脈だが、それゆえにこそやはり科学等への文脈との差異に違和感を禁じ得ないのであった

⑤世論を話題とする箇所については何らかの宗教、思想団体の存在を背後に感覚せずにはいられない

⑥著述の状況、近況がチョイチョイ出て来る事については正直胡散臭い

⑦総じての印象、感想は「ソフトランディングの試み」の一言に尽きる

 

やはり共有すべき前提こそが大きいと言えよう。ソフトランディングの対象については以前から奇妙に目についた言葉やら文章表現やらの意義、価値、権威づけ同様に科学についてかつての舌鋒鋭さは何処へといった感想に明らかであろう。そう、氏の著作群については私が手に取った順番も非常に重要なのであった。その視点からは何が刺さるかは人それぞれではあろうが最初の頃に手に取った2、3冊こそがオススメにて本書はさほどの優先度ではないかもしれない。

 

***<<会話成立に先立つオススメセット簡易版>>***

 

『アニアーラ』ペラ・コーゲルマン監督

『メッセージ』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 

『They Walked Like Men』Clifford D. Simak(Gateway Essentials Book 138)

『ニーチェの馬』タル・ベーラ監督

『サタンタンゴ』タル・ベーラ監督

『サクリファイス』アンドレイ・タルコフスキー監督

 

『キリスト教暴露』ドルバック(現代思潮社)

 

***<<オススメセットEND>>***