片隅の微笑み | 近藤サト オフィシャルブログ「ベルベットフィール」Powered by Ameba

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新橋の行きつけの喫茶店。
夕方頃は場所柄、夜の銀座で働く華やかな女性達がつかの間、羽を休めている。

髪を麗しく結い上げ、綺麗な爪でスマホを操作していたり、仲間同士で軽口を叩いたり。

そんな彼女達は、少し近寄り難いけれど見とれずにいられない。

私は女性だし、彼女たちが働くお店に行くことはないから、どんな仕事なのだろうと余計にいろいろ妄想してしまう。

先日の夕方、その喫茶店に行こうとエレベーターに向かうと、前に、髪をきちんとセットした背の高い美しい女性が立っていた。
同じ喫茶店に行くのかしら、と期待していると、エレベーターのドアが開きかけた。
すると、前に立っていた彼女が、すっと横により、振り向きざま私ににっこりと微笑みかけて『お先にどうぞ。』と促した。

私はちょっと驚いたが、まるで女神の命に従うごとく、先にエレベーターに乗り込んだ。

彼女は同じ階で降りなかったが私がエレベーターを降りるときも、微かに微笑んだ。

おそらくは私より20歳は若いであろう女性の
微笑みに、しばらく魂を抜かれてしまった。

今日も銀座のあちらこちらで、そんな微笑みがほころんでいるのかしら。