春節に思う | 近藤サト オフィシャルブログ「ベルベットフィール」Powered by Ameba

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渋谷駅で見かけた中国人の若い夫婦。ご主人の両手には大きなスーツケース。大変そう。

誰でも知らない国を旅行するのは大変だと思います。

私だって中国出張や旅行はいつも珍道中です。

友人と上海に旅行したときのこと。
豫園という、東京で言えば浅草みたいな観光地で小籠包の有名店にはいりました。

店内は満席。でも会計のところに人がいるだけで、誰も案内してくれません。料理を運ぶスタッフは慌ただしく動き回っています。

列んでいる人もいません。

声をかけても英語が全く通じません。

為す術なく立ち尽くしていると、大きな相席用の円卓で食事中の中国人が手招きします。

何だろうと思って行ってみると、自分の背後に立て、と言っているよう。

そこでよくよく店内を見ると、それぞれの円卓で食べている人の背後に人が列んでいます!放射線状に・・。

それが暗黙のルールだったのです。

食べてる背後に次の人が列んでいるって、落ち着かない気もしますが、郷に入れば、です。

優しい中国人のおかげでやっとのことで座り、小籠包を頂きましたがこれは人生最高に美味しい小籠包でした。

その円卓に同席していた別の中国人旅行者の家族に挨拶をするとにこやかに話しかけてきました。
が、我々、中国語は1μも解りません。

じゃあ、漢字の筆談ならと、紙をだし
まず『友人』同士であると伝えました。
すると向こうの中学生くらいの娘さんが家族構成を教えてくれ、家族旅行に来たとのこと。

次は居住地です。『東京』は直ぐに理解。

しかし、中国人家族が何処から来たのかさっぱりわかりません、
娘さんは略字の中国語で書くので
見たことのない漢字ばかり。全くの別言語なのです。

でもなんとか知りたいとねばっていると、彼女がポンと膝を打つように紙に数字を書き付けました。

『731』

もう言わずもがなでした。
ハルピンです。

中国においても日本においても、『731』の意味するところは一つしかありません。

第二次世界大戦中、満州に置かれた帝国陸軍の第731部隊のことです。

731部隊については私自身の私見はここでは述べませんが、戦争の暗部を象徴するものの一つではあるでしょう。

我々が、ハルピンと了解すると、娘さんは
やっと伝わった!と嬉しそうに微笑みました。

中国は他にも

何度か行きましたが、不愉快な思いをしたことはありません。

ただ毎回感じるのは、戦争中の記憶がまだ消えずにそこここに残っているというこです。

渋谷で見かけた中国人旅行者が楽しい思い出を作って中国に帰って欲しいと願います。