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【香港空港のスタバの位置は覚えた】

私は再度中国の地に降り立った。
先月、すでに1回来ているので勝手はいい。
迎えの車に乗り込み、ホテルに到着。
そして、煽りVを撮るために撮影地である大きな公園で撮影した。
デニムのまま走ったり、メガネをかけたままシャドーをしたりしたが、はたしてあれで良かったのだろうか……。

ホテルに戻って来ると、ちょうどロビーに東京組がチェックインするところだった。
ここで伊澤波人選手、セコンドの卜部功也選手たちと合流した。
功也選手に4月のフランスでの王座防衛を祝福しつつ、部屋に戻り、夢野久作の『ドグラ・マグラ下巻』を読み進めた。
そして、持ってきたMacBook Airで『ぶる~と通信Vol.77』を作成した。
ここで、私は久しぶりに「引き寄せの法則」を使った。
このときは5月15日、試合の2日前だ。
ぶる通内でのコラムで、私は英雄伝説の世界チャンピオンになり、4階級制覇を成し遂げた、という内容のコラムを書いたのだ。
いつもいつもこの法則を使っていると脳が慣れてしまうが、たまに使うには効果的だろう。
今回の私は、本当にこの試合に賭けていたのだ。

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【22歳、オランダ・スーパーリーグで日本人初勝利を飾ったときのイケイケ感】

海外遠征では2010年から信じられないような6連敗。
2004年までは6勝(5KO)2敗。
海外という逆境でこそ力を発揮し、逆輸入ファイターとしての価値を高めた選手として、あまりにも寂しすぎる戦績だ。
K-1出場時には「キック界の中田英寿」とまで言われていたのに関わらず……。

先月の記者会見の模様は中国の国営放送で映され、約2億もの人が観ていたという。
日中関係はたしかに微妙な状態であるが、私はここ中国にて再度ブレイクのキッカケを掴みたいのだ。
このとき、記者団からプロモーターにこのような質問が飛んだ。

「日中関係が微妙な中、なぜ日本人を起用しようと思ったのですか?」

英雄伝説プロモーターのジョーさんはハッキリとこう言い切った。

「今までも多くの日本人選手を中国に呼びました。
しかし、本当のトップ中トップである佐藤嘉洋選手を中国の皆さんに観てもらいたかったのです」

周りからはよく

「K-1が無くなってモチベーションが下がってしまうのは仕方がない」

と言われる。
しかし、私のモチベーションは全く落ちていない。
ジョルジオ・ペトロシアンを筆頭に、ブアカーオ、サワー、クラウスなどは今も世界中で戦い続けている。
確かにTV露出は減り、私の知名度も一時期よりはかなり落ちているだろう。

だが、それがどうしたというのだ。

かつてのライバル、戦友たちがビジネスの規模は縮小したとはいえ、いまだ世界中で戦っている。
私は、TV放送のない団体だろうが何だろうが、ライブで観戦に来てくれるファンの人の喜ぶ顔が見たい。
私のことを芯から支えてくれる人の喜ぶ顔が見たい。
勝つところを見せたい。
その一心だった。

そして、ここでタイトルを奪取して「逆輸入ファイター」をもう一度襲名するんだ。

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【中国ではケンタッキーは『肯徳基』】

計量当日の朝になった。
前日は12時前には就寝してしまったので、朝7時には目が覚めた。
1時間くらいの時差だとほとんど違和感はない。
ヨーロッパ遠征よりもらくだ書店(『1001のローキック』取扱店)だ。

体重を落とすためのランニングの前に、朝ご飯を食べている小森会長やマネージャーたちと少しだけ合流し、ホットコーヒーを1杯だけ飲む。
コーヒーを飲むことで、何も飲まないより汗の量が増える。
また、脂肪燃焼効果、利尿作用もあるので、コーヒー分のグラムは増えるが、その分体重も落ちやすくなるので、私はいつも計量当日にはコーヒーを飲む。
いや、そもそも毎日飲んでいるのだが……。
ただ単に自分の行動を正当化したいだけである。

5月の深センは日本よりもかなり暑い。
午前中から30度はあったんじゃないだろうか。
また、夜の温度もそれほど変わらない。
まるで南国のようだった。
スコールも多い。
どこかに雰囲気が似ているな、と思ったら、バンコクと似ている。
街並も気象も。
ただ、深センの方がバンコクよりもキレイだし、深センの方が涼しい。

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【マクドナルドはこんな感じ。最後の漢字は知らない。】

海外遠征のとき、私は町中を走るのが好きで、いつも色々と回り道をして走っている。
今回も案の定迷子になってしまい、予定よりも20分多く走ってしまった。

迷子を予想していないと不安になるが、迷子をあらかじめ予定に入れておけば不安にならない。
「迷子ゲーム」だと思えばいい。


これは元カノが教えてくれたことだ。
おかげでリミットは完全に下回った。
コーヒーと暑さのおかげで滝のように汗が出た。
そして計量時間を迎えた。

明るく生こまい
佐藤嘉洋

2014年深セン遠征『英雄伝説』①

2014年深セン遠征『英雄伝説』④
2014年深セン遠征『英雄伝説』⑤
2014年深セン遠征『英雄伝説』⑥
2014年深セン遠征『英雄伝説』⑦

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