4月の深センは昼と夜の温度差は少なく、とても過ごしやすい。
夜もホテルの窓を開けっ放しにして寝ていると、夜風が適度に入ってきて心地よく寝れた。
ただ、車のクラクションは24時間鳴りっぱなしなのがネックである。

「試合の前日は眠りにくいかもしれないな」

と、このときは思っていたけれど、それは完全な杞憂に終わった。
試合前日の話はまた後で。

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【変身して人型ロボットになりそうなホテル】

朝になり、記者会見のホテルへ向かった。
場所はシェラトン。
世界に名だたる一流ホテルグループだ。
深センのシェラトンは、日本のそれとは格の違う規模だった……。
日本なら有り得ないスケール。
きっと建築法とかも日本とは全然違うんだろうな、と感嘆しながら控え室に案内される。
すると何やら大物感満載の人たちが次々と入ってきて、まるで日米首脳会談かのような雰囲気になる。
政治記者らしき人のシャッター音が響き渡る中、その要人たちの会話だけが物々しくなされ、軽々しい雑談は許されない雰囲気である。
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【要人たちを盗撮】

私はそれに耐えきれなくなって、思わず外に出てしまった。
いやあ、物々しかった。

程なくして記者会見が始まった。
この記者会見は、私の格闘技人生の中でも最大級のものだった。
少なくとも5本の指に入る規模だ。
K-1の新高輪プリンスホテルでの会見、新宿アルタでの会見、赤坂サカスでの会見、GLORYの渋谷AXでの会見、そのクラスだ。
英雄伝説は、まだ世界にはそれほど名の通っていないイベントである。
にもかかわらず記者会見に、これだけ立派な演出ができるのだから、きっと豊富な資金力があるのだろう。
特に今年に入ってからはアルトゥール・キシェンコやマイク・ザンビディス、そして今回の佐藤嘉洋など、K-1MAXで活躍した実力もファイトマネーも一線級(だった?)選手たちを招聘するようになっている。

ともあれ、わざわざ記者会見だけのために、こうして私を呼んでいただいたからには、それに値する働き、メディアに対するアピールをしなければならない。

よく考えた結果、私は中国語で記者会見のスピーチをすることに決めた。
CFPの岩熊さんに私が記者会見で言いたい内容を伝え、中国語に翻訳してもらった。
ちなみに、佐藤嘉洋を中国語で読むと

「ズォトン ジャーヤン」

である。
ジャイアンではない。ジャーヤンだ。

「皆さん、こんにちは。
私は佐藤嘉洋です。
私は中国古典を読んで勉強するのが好きで、これまでに様々な中国古典を読んできました。
私はこのような素晴らしい書物を残した中国で戦えることをとても嬉しく思います。
ありがとうございました」

中国語でこのスピーチを終えたとき、満場の人たちから割れんばかりの暖かい拍手をいただいた。

相手と微妙な関係でも、真心で接すれば相手に伝わるじゃないか。

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【何度も何度も握手を要求した私は、シューにゲイ疑惑を抱かれたかもしれない】

私は日中関係が微妙な最中、少しでも関係の修復の礎になれるよう、対戦相手のシュー・イェンと写真を撮るときには、なるべく握手での写真を心がけるようにした。
戦うのはリング上であって、リングの下じゃあ無い。
そこでは一人の男と一人の男として付き合っていきたい。
私はいつも対戦相手に対してそう思っている。
だから、たとい負けたとしても相手を憎いと思ったことは一度もない。
負けたのは自分が弱かったからなのだ。

勝っても負けても戦った相手は戦友である。
お互い勝つために全力でぶつかり合ったのだ。
何を憎み合う必要があろうか。


明るく生こまい
佐藤嘉洋

2014年深セン遠征『英雄伝説』①
2014年深セン遠征『英雄伝説』②
2014年深セン遠征『英雄伝説』③
2014年深セン遠征『英雄伝説』④

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