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2年前の1月4日。
私はもう一つバームクーヘンの短編小説を書いていた。
これまた半身浴で汗を流しているときに黄色いカシオの防水携帯を使って即興で作ったものである。

バウムクーヘンを私はナメていた。
あんなモッサモサの喉の乾くもんはいらんわい。と。

バウムクーヘンといえば真っ先に思い出すのが、
食べ物のバウムクーヘンではなく、
ハイロウズの緑色のジャケットのCDアルバム「バウムクーヘン」である。

「たとえ、
でっちあげたような夢も
口からデマカセでもいい
現実に変えていく
僕らはそんな形」
と甲本ヒロトはバウムクーヘンという歌を、
ブルーハーツ初期とはずいぶん柔らかい声で唄った。
バウムクーヘンのあの円形の形は、
夢を現実に変えていく(変える、ではなく)形らしい。

甲本ヒロトと真島昌利は円形が好きなのかもしれない。
ブルーハーツ時代にも延々と円周率を歌う「キューティーパイ」という歌がある。
マーシーが投げやりに円周率をずっと叫んでいるだけの歌だ。

ちなみに私は円周率を相当言える。
小学生のころ授業そっちのけでずっと暗記していた。
辛いことや嬉しいことがあると、
円周率を頭で数えるクセがついていたから、いまだに覚えている。
余計な自慢だが、私はキューティーパイ以前から円周率をたくさん言うことができた。

3. 14159265358979323846264338327950288。
ここまで覚えている。
おそらく合っている。
だが、10回に1回くらいは間違える。
だがだが、格闘家で一番正しく円を語れるのは私だと自負している。

そんな円を相当正確に語ることのできる私が、
食べ物のバウムクーヘンに興味を持ったのは三年ほど前であった。
行きつけの和食屋でお客さんがお土産に置いていったバウムクーヘンをつまませてもらったのである。

フォークで相当押し込まないと刺さらないほど、
サクっとコーティングされた外側のシュガーの壁は、
モッサモサのイメージだったバウムクーヘンとは明らかに違った感触。

しかし、固い甲羅で守られた中身までフォークがたどり着くと、
そこにはホンワリとした感触。
私は生唾を飲み込んで、
その「サクっ」と「ホンワリ」を同時に口にぶちこんだのだ。
それはもうまるで「冷静」と「情熱」の間のようだった。

………サクっ……んほわ………サクっ………んほわわ
そのサクっとホンワリの見事なコラボレーションに私は言葉を失った。
一瞬失語症に陥った私は、
言葉が出ないならと一瞬考え、
そして頭の中で叫んだんだ。
………ワ、ワンモアプリーズ!と。
誰に聞こえなくてもいい。
私自身にその声が聞こえさえすれば、それでいいのだ。

私の中のバウムクーヘン像を、
見事にぶち壊してくれた。
これぞまさに、バームKrush!!
その名は………、
「ねんりん屋」

明るく生こまい
佐藤嘉洋