前回まで
『おお、こりゃ大変なことになったぞ。』
ピコリンの首筋に汗が流れました。
『何なのよ。これ。
昨日はなかったじゃない。』
『ああん、ワクワクするわん。』
悲観的なエイミーちゃんに比べ、ヒョーゲルくんが呑気に言ったので、
何言ってんのよ、とヒョーゲルくんの尻尾を蹴りとばしました。
三人が見上げた先には、頂上は見えませんでした。
でも、頂上が遠くなったから見えなくなったわけではありません。
三人が見上げた先に見えたものは溶岩でできたような黒々とした大きな壁でした。
しかし、黒々とはしていましたが、角度によってはときおり七色に光って見える壁でした。
その壁は側面にあるわけではなく、上にあります。
まるで頂上を見るのを妨げるかのように。
![Hikarukave Hikarukave](https://stat.ameba.jp/user_images/20120412/15/sato-kick/37/93/g/o0240016811911667475.gif?caw=800)
『どうしてヒョーゲルくんはこの状況でワクワクなんてできるのよ。
どう考えたって、こんな壁見せられたら途方にくれちゃうじゃない。』
『だってだってん。
ボンクはこの壁の先に何があるかが楽しみなのよん。
何か途方にくれることがあるってことはん、
途方が明けたら良いことがあるってことよん。
だからボンクは早くあの壁の向こうを見てみたいのよん。
エイミーちゃん早く一緒に行こうよん。』
ヒョーゲルくんが四つのうち三つを黒い壁に、
一つをエイミーちゃんに向け、
そのエイミーちゃんに向けている一つの目を不気味にウィンクさせながら言いました。
そして横にいたピコリンが言いました。
『エイミーちゃん。
こういうときこそ三人で力を合わせるんだ。
一人じゃいつまでやればいいかわからないけど、
三人ならきっとあの壁を突き抜けられるよ。』
『だったらアタシは何をしたらいいのよ。
言っとくけど、力仕事は無理よ。
』
『ああ、大丈夫。
壁を削るのはオイラとヒョーゲルでやるよ。
エイミーちゃんには君がやれることで手伝ってもらうから。』
そうだなあ、と辺りを見回しながらピコリンは話し続けます。
『エイミーちゃんは、この辺りを回ってあるモノを探してもらいたいんだ。』
『あるモノって?
無かったらどうするのよ。』
『大丈夫。
多分あるから。
エイミーちゃん、君はハート型の何かを、何でもいいから持ってきてほしいんだ。
できるだけたくさんね。
とにかくオイラたちはこの壁を突き抜くために一生懸命やるから、
エイミーちゃんはハート型の収集を頼むよ。
理由はそのうちわかるから。
さ、そんなキツくない仕事だし、早速探してきて。
よしっじゃあヒョーゲル。
やるか。』
『うんうん。やるやるん。』
まったく有無を言わせない感じでピコリンとヒョーゲルくんは作業に取りかかり始めたので、
エイミーちゃんも訳がわからないまま、ハート型の収集にでかけることにしました。
『もうここまで来て、今さら戻れないしなあ。
ここはピコリンに仕方がないから従っておこうかな。
ハート型の収集って前ピコリンがせっせと集めてたハート型のことだわよね。
一体何に使うのかしら。
まああの壁削るの手伝わされるより、よっぽど楽だからいっか。
散歩がてら探しにいこっと。』
『おお、こりゃ大変なことになったぞ。』
ピコリンの首筋に汗が流れました。
『何なのよ。これ。
昨日はなかったじゃない。』
『ああん、ワクワクするわん。』
悲観的なエイミーちゃんに比べ、ヒョーゲルくんが呑気に言ったので、
何言ってんのよ、とヒョーゲルくんの尻尾を蹴りとばしました。
三人が見上げた先には、頂上は見えませんでした。
でも、頂上が遠くなったから見えなくなったわけではありません。
三人が見上げた先に見えたものは溶岩でできたような黒々とした大きな壁でした。
しかし、黒々とはしていましたが、角度によってはときおり七色に光って見える壁でした。
その壁は側面にあるわけではなく、上にあります。
まるで頂上を見るのを妨げるかのように。
![Hikarukave Hikarukave](https://stat.ameba.jp/user_images/20120412/15/sato-kick/37/93/g/o0240016811911667475.gif?caw=800)
『どうしてヒョーゲルくんはこの状況でワクワクなんてできるのよ。
どう考えたって、こんな壁見せられたら途方にくれちゃうじゃない。』
『だってだってん。
ボンクはこの壁の先に何があるかが楽しみなのよん。
何か途方にくれることがあるってことはん、
途方が明けたら良いことがあるってことよん。
だからボンクは早くあの壁の向こうを見てみたいのよん。
エイミーちゃん早く一緒に行こうよん。』
ヒョーゲルくんが四つのうち三つを黒い壁に、
一つをエイミーちゃんに向け、
そのエイミーちゃんに向けている一つの目を不気味にウィンクさせながら言いました。
そして横にいたピコリンが言いました。
『エイミーちゃん。
こういうときこそ三人で力を合わせるんだ。
一人じゃいつまでやればいいかわからないけど、
三人ならきっとあの壁を突き抜けられるよ。』
『だったらアタシは何をしたらいいのよ。
言っとくけど、力仕事は無理よ。
』
『ああ、大丈夫。
壁を削るのはオイラとヒョーゲルでやるよ。
エイミーちゃんには君がやれることで手伝ってもらうから。』
そうだなあ、と辺りを見回しながらピコリンは話し続けます。
『エイミーちゃんは、この辺りを回ってあるモノを探してもらいたいんだ。』
『あるモノって?
無かったらどうするのよ。』
『大丈夫。
多分あるから。
エイミーちゃん、君はハート型の何かを、何でもいいから持ってきてほしいんだ。
できるだけたくさんね。
とにかくオイラたちはこの壁を突き抜くために一生懸命やるから、
エイミーちゃんはハート型の収集を頼むよ。
理由はそのうちわかるから。
さ、そんなキツくない仕事だし、早速探してきて。
よしっじゃあヒョーゲル。
やるか。』
『うんうん。やるやるん。』
まったく有無を言わせない感じでピコリンとヒョーゲルくんは作業に取りかかり始めたので、
エイミーちゃんも訳がわからないまま、ハート型の収集にでかけることにしました。
『もうここまで来て、今さら戻れないしなあ。
ここはピコリンに仕方がないから従っておこうかな。
ハート型の収集って前ピコリンがせっせと集めてたハート型のことだわよね。
一体何に使うのかしら。
まああの壁削るの手伝わされるより、よっぽど楽だからいっか。
散歩がてら探しにいこっと。』