・・・・・・・そんなバカな・・・・・・・

顔面蒼白の川地君、硬直した顔の磨、半泣きの僕・・・
その番号からかかってきたのに、
その番号にかけたら使われておりません・・・ってどういうことだ!?
磨がもう一度かけてみると・・・同じように使われておりませんのアナウンス・・・
「やべえな・・・」
名古屋のプリンスがそうつぶやいて、携帯を自分からなるべく遠ざけて置きます。
僕達3人は完全に狼狽していました。
RAP調に言えば「マジヤベェ!マジヤベェ!YO!YO!」ってな感じですかね。

本当に生命の危機を感じたんです。
ホント冗談じゃなくて、携帯を持つ僕の手は小刻みに震えていました。
恐怖で体が震えたのは中学のとき初めてのスパーリング大会で
年上のスーパーヤンキーと対戦して以来です。

磨「さっ明日も仕事があるし。帰ろうかな・・・」
嘉洋「そうですね。僕も明日は練習あるし・・・」
と二人はよそよそしく言いました。
川地「嘉洋さん。僕を一人にするつもりですか!?(泣)」
嘉洋「いやあ明日も練習あるしなぁ。ビデオも返してきてくださいよ。」
僕は涙目で訴えてきた川地君に着信アリを膝の上に投げたら、
イヤア!と叫びながら、それを投げ捨てました。
はっきりいって僕はこのビデオを家に一秒たりとも置いておきたくありませんでした。
それが死の着信がかかってきた川地君であろうとも、持っていってほしかったのです・・・
嘉洋「あっそれと念のため携帯のアドレス消してもらえますか?」
川地「いやいや死ぬときは一緒ですよ。とりあえず誰か捕まるか電話してみます。」
そして川地君は友達に電話をかけました。

ティーロリーロ、ティーロリーロ・・・

川地「おお浅野か。寝とった?まあどうでもいい。頼む少しだけ俺と一緒にいてくれ。
今一人ではとても生きてられないんだ。
磨さんも嘉洋さんも明日仕事だし、頼む俺を一人にしないでくれ・・・
・・・いや実はな・・・かくかくしかじか・・・」

浅野「俺の彼女今グアムに行っててぇ、
今日サッカーの試合中に携帯に着信が何件もあって出れなかったんだわぁ。
で、一緒におるかもしれんと思った川地に電話かけたんじゃねえのぉ?
確か俺の携帯に入ってた番号は8695ぉ・・・

川地「!!!!!!!!!」

川地「この野郎ふざけんじゃねえぞ!お前の彼女のせいで俺は本当に・・・
・・・本当に死ぬかと思ったんだぞ!」
と叫びというか声がひっくり返って、裏声のような声で川地君は叫びました。
あの「もののけ姫」の主題歌歌ってる人みたいな声でね。

そして電話を切った川地君の顔はようやく血の気を取り戻したようで、
川地「僕の人生で本当にトップクラスの恐怖でした。あいつ(浅野君の彼女)め~。
今あいつがここにいたら、これでボコボコにしてますよ!」
と僕が寝たままで色々ドアを閉めたり、パソコンやTVの電源をつけたりするために
買った長い物干し竿を力強く握り締めていました。
俺の大事な物干し竿を凶器にしないでくれよ・・・
(どうでもいいですが、↓の○のところに家の猫が昼寝しています。)
SN310017

磨、嘉洋「いやでも解決して良かった。本当に良かった。」
と力一杯三者で握手を繰り返し繰り返ししました。
大事な試合が終わったときくらいホッとしました。

最後はとんでもなくくだらないオチでしたが、
今回のこの出来事は本当に心からビビったんです。
ホントあのタイミングで謎の電話番号からの着信はビビりますって!!
神様とかあんまり信じないほうですが、
神様いたら助けてくれよって心から思いました。

チャンチャン♪

yoshi-hero