前回まで
星工場長のサトルキはほわほわの光からヒョーゲルくん、次にピコリンを降ろしました。
そして今度は太り過ぎてクモの上から落ちてしまったクモリン族のショージを、もう一度クモの上に戻すために移動を始めました。
『サトルキ、なんか僕までお世話になっちゃってごめんね。
恐縮ですよ。』
『いいよいいよ、気にしないで。
あとはショージをクモの上に置いて、エイミーちゃん送って仕事は終わりだから。
さあ早く日食を終えないと街のヒトたちがとうとう大騒ぎするぞ。
ちょっと一気に高度を上げるキッス』
ほわほわの光はぐいーんと高度が上がりまたたく間にクモの近くまで来て、
そしてクモより高い位置に来ました。
操縦席らしきとこでフワフワ浮いている全く運転しているようには見えないサトルキが言いました。
『さあて、ショージ。
どこのクモにしようか・・・
あのクモは完全な雨雲だからアマーン族の物だし、
あれは雪雲のユッキー族の物でしょ』
サトルキは視線をぷかぷか浮いている数多くのクモたちに視線を移しながら、
『ん、あそこに普通の曇ってるクモがあるぞ。
ショージあれなんかどうだい?
あっダメか。
クモの上で誰かが鼻クソほじっているや』
どうやらそのクモはクモリン族の誰かが既に住まいにしているようでした。
今度は一緒に探しているエイミーちゃんが、あっ、と言いました。
『ねえショージ。
あのクモはどうなのよ。
誰もいないわ。
あそこなら住めるんじゃない?』
ショージはエイミーちゃんが指差す方向を見て、そして首をひねりました。
といってもショージは相当太って脂肪が邪魔しているので首をひねった風には到底見えませんでしたが。
『エイミーちゃん、あのクモはダメだよ。
よく見てよ。
あのクモを吊るしているロープ。
すんごい細いでしょ。
あんなクモに僕が乗ったら、たちまちロープが切れて、
また洒落にならないくらいの大雨が降ってきちゃうよ』
ああ、それは大変ね、とエイミーちゃんは苦笑いをしながら呟きました。
『なるべくロープが太くて、誰も住んでない、
ただ曇っているだけのクモを見つけなくちゃいけないわけね』
『まあこんなけたくさんクモはあるから、すぐ見つかるよ。
焦ったら余計見つからないから落ち着いていこう。
確かに早く日食を終わらせなくちゃいけないから、
オイラには時間が無いけど、時間が無いときこそ慌てちゃダメなんだよ。
だから二人とも焦らなくていいからじっくり探していこうよ。
それが問題解決の近道になるキッス』
エイミーちゃんとショージはゆっくりとうなづいて、ひとつゆっくりと深呼吸をしました。
そしてまた、辺りをゆっくりと見渡しました。
この街で物事は、慌てているヒトより落ち着いているヒトの方が、うまく物事が運ぶようになっています。
ほわほわの光に乗る三人も、努めて落ち着いてクモを探していました。
そして割りとロープの太い、曇っているクモを見つけたのです。
そしてほわほわの光からショージがぬっとはみ出してきて、
クモの上に降り立ちました。
ロープが太いといっても割りと太い、という程度なので、
遠目から見てもギシギシとロープはしなっています。
ちょっと危険な感じもしましたが、ショージをクモの上に置いて、
ほわほわの光は離れて行きました。
そして程なくしてエイミーちゃんを自宅前までVIP扱いで送り、
サトルキは星工場に帰っていき、
世間を大変騒がせたちょっと長めの日食は終わったのです。
そして、このほわほわの光の目撃談は、
伝説として街のヒトたちに語り継がれていくことになりました。
星工場長のサトルキはほわほわの光からヒョーゲルくん、次にピコリンを降ろしました。
そして今度は太り過ぎてクモの上から落ちてしまったクモリン族のショージを、もう一度クモの上に戻すために移動を始めました。
『サトルキ、なんか僕までお世話になっちゃってごめんね。
恐縮ですよ。』
『いいよいいよ、気にしないで。
あとはショージをクモの上に置いて、エイミーちゃん送って仕事は終わりだから。
さあ早く日食を終えないと街のヒトたちがとうとう大騒ぎするぞ。
ちょっと一気に高度を上げるキッス』
ほわほわの光はぐいーんと高度が上がりまたたく間にクモの近くまで来て、
そしてクモより高い位置に来ました。
操縦席らしきとこでフワフワ浮いている全く運転しているようには見えないサトルキが言いました。
『さあて、ショージ。
どこのクモにしようか・・・
あのクモは完全な雨雲だからアマーン族の物だし、
あれは雪雲のユッキー族の物でしょ』
サトルキは視線をぷかぷか浮いている数多くのクモたちに視線を移しながら、
『ん、あそこに普通の曇ってるクモがあるぞ。
ショージあれなんかどうだい?
あっダメか。
クモの上で誰かが鼻クソほじっているや』
どうやらそのクモはクモリン族の誰かが既に住まいにしているようでした。
今度は一緒に探しているエイミーちゃんが、あっ、と言いました。
『ねえショージ。
あのクモはどうなのよ。
誰もいないわ。
あそこなら住めるんじゃない?』
ショージはエイミーちゃんが指差す方向を見て、そして首をひねりました。
といってもショージは相当太って脂肪が邪魔しているので首をひねった風には到底見えませんでしたが。
『エイミーちゃん、あのクモはダメだよ。
よく見てよ。
あのクモを吊るしているロープ。
すんごい細いでしょ。
あんなクモに僕が乗ったら、たちまちロープが切れて、
また洒落にならないくらいの大雨が降ってきちゃうよ』
ああ、それは大変ね、とエイミーちゃんは苦笑いをしながら呟きました。
『なるべくロープが太くて、誰も住んでない、
ただ曇っているだけのクモを見つけなくちゃいけないわけね』
『まあこんなけたくさんクモはあるから、すぐ見つかるよ。
焦ったら余計見つからないから落ち着いていこう。
確かに早く日食を終わらせなくちゃいけないから、
オイラには時間が無いけど、時間が無いときこそ慌てちゃダメなんだよ。
だから二人とも焦らなくていいからじっくり探していこうよ。
それが問題解決の近道になるキッス』
エイミーちゃんとショージはゆっくりとうなづいて、ひとつゆっくりと深呼吸をしました。
そしてまた、辺りをゆっくりと見渡しました。
この街で物事は、慌てているヒトより落ち着いているヒトの方が、うまく物事が運ぶようになっています。
ほわほわの光に乗る三人も、努めて落ち着いてクモを探していました。
そして割りとロープの太い、曇っているクモを見つけたのです。
そしてほわほわの光からショージがぬっとはみ出してきて、
クモの上に降り立ちました。
ロープが太いといっても割りと太い、という程度なので、
遠目から見てもギシギシとロープはしなっています。
ちょっと危険な感じもしましたが、ショージをクモの上に置いて、
ほわほわの光は離れて行きました。
そして程なくしてエイミーちゃんを自宅前までVIP扱いで送り、
サトルキは星工場に帰っていき、
世間を大変騒がせたちょっと長めの日食は終わったのです。
そして、このほわほわの光の目撃談は、
伝説として街のヒトたちに語り継がれていくことになりました。