前回の清水選手との対戦で僕は少々自分を見失っていたようだ。
とにかく良い試合を・・・打ち合わなくては・・・そんなことばかり考えていた。

3Rのインターバル中にも会長に

「つまらんくなってますね。」

と言ったほどだ。
・・・試合に集中しろよ!
試合中にそんなこと思ったのは初めてだった。
僕はパンチで打ち合おうとしたのだ。
お前の個性はヒザではなかったか?
チャルムサックに勝ったとき、ゴング格闘技で僕はこう答えた。

「パンチで打ち合うのだけが真っ向勝負じゃない。僕には僕の真っ向勝負があるから。」

僕には僕の真っ向勝負・・・
最近の僕の考え方はみんなの意見に流されすぎたように思える。
流行に乗るのは確かに大事だけれど、
僕はそんなスケールの小さい人間になりたくはない。

ならば僕が流行を作っていこうじゃないか。
パンチで打ち合うのが今の流行りなら、
僕はそれにヒザで真っ向勝負をしにいく。
ここ最近周りから色々言われて、すごい迷った時期もあった。
でももう心に決めた。僕は僕のやり方で世界を制する。
批判したいなら批判すれば良い。
何を言われようがもう揺らぎはしない。
自分を持つということの大切さを改めて感じた。

今度僕のこの気持ちが揺らいだら、静かにリングを去ります。
誰の真似でもない、僕は僕の道を行く。

いつかこのファイトスタイルが栄光に変わる日を願って。