7章 カテジナとクロノクル | Vガンダム考察 カテジナ・ルース アンチヒロインの肖像

Vガンダム考察 カテジナ・ルース アンチヒロインの肖像

人が闘争本能のままに生きるのは進化のためにしている事
それは悪ではないのだから

ふたりの間に愛はあったか?あったと思う
もちろん愛なんていうと綺麗に聞こえ過ぎるけど
依存、執着、欲求、本能、それもまた愛の形
でも二人の愛は未熟過ぎた ウッソに理想を押し付けられて怒ってたけど
そんなカテジナも理想をクロノクルに押し付けていた
(ウッソはルペに私の夢!とか言われて迷惑がってました 因果は巡る…)

しかしここでも発揮されるのがクロノクルの優しさ
恋人の求める理想に応えようと頑張ります(カテジナいわく「変ろうと必死」)
野心や冷酷さを見せるようになったけど、ムリしてるっぽい感が否めない
結局のところ「姉さん、マリア姉さん、助けてよ…マリア姉さん」ゴン!
でカテジナに振り回されただけのシスコンとかヘタレなイメージが定着
それでも二人は常に一緒に居たし、最終決戦で司令という立場にありながら
リグ・コンティオで出撃したのもカテジナに応えての事

一方「クロノクル、来い!!!」と恋人を犬扱いとか言われるカテジナだけど
「勝った方を愛してあげる」なんて言ってるくせにちゃっかりクロノクルに加勢する
クロノクルがウッソに敗れて死んだあと 勝ったウッソをブっ刺すわ
味方の投降無線も関係なしでウッソを追い詰める
ウッソ─「カテジナさん…そこまでやるんですか」

狂気と憎悪の狭間にあってもクロノクルの名前を呟くカテジナ
カテジナ─「クロノクル、白いヤツをたむけにしてやる」
二人の間にはちゃんと絆があって愛があった(そう思わないと悲し過ぎる)

「クロノクルという巣を見つけた」
カテジナの言う「巣」には二つの側面があると思う
依存、親が子を育てる場所 それと同時に、女性でいうなら卵巣、男性なら精巣、
性を象徴するものでもある

ウッソと同じくカテジナも実の親との満たされない関係(コンプレックス)が
異性との関係に影響を及ぼしていた

ウッソが求める母性、カテジナに求めた理想の女性像
カテジナはそれを拒絶してクロノクルを選ぶ
カテジナもまた異性に対して父性を求めていたのだと思う
シスコンとかヘタレと言われるクロノクルだが、
カテジナが「巣」と言うからには、カテジナの求める父性に応えていた事になる
そう考えると主人公の敵役としてはヘタレだったクロノクルも
カテジナにとっては求めるものに応えてくれる(応えようと頑張ってくれる)
イイ男だったということなんだろう、と思う
(子は親を超えるものだから、カテジナもクロノクルを超えてラスボスとなったのかも・・・というのは深読みし過ぎ?)

カテジナ─「クロノクルという巣を見つけたんだ!なのにお前とシャクティはそれを笑った!チビのくせに!!」
カテジナ─「クロノクルはあたしに優しかったんだ!!」
このウッソとのやり取りにおけるカテジナの言動は、狂気に蝕まれていく中で
普段は本音を見せないカテジナが生の本音を吐露したもの、と思える
印象としては言ってる事がとにかく子供っぽい
この台詞を、見ため子供なキャラが言えば違和感がないが
カテジナみたいな見ためエロスなキャラが言うと、やたら生々しく聞こえてしまう

カテジナというキャラクターは、大人っぽい外見と軍人として気丈に振る舞う姿
(みたままの姿)によって惑わされてしまうが
一番、内にあるカテジナの芯の部分 その姿
(真の姿)は父を求める少女であったのではないかと思うのだ

コニーがゴトラタンと対峙した時、「女だと!!!」と言い放つ
しかし女と言うにはカテジナは未熟だ
ルペやファラが女の本能のままに戦い敗れた人なら
カテジナは(ルペやタシロに小娘呼ばわりされていた様に)やはり小娘レベル
小娘の本能に従い戦場に立ち、小娘の本能のままに戦い敗れた人である

8章につづく