世田谷の学校体育館の耐震問題について
今年4月、希望丘小学校の増築棟整備に際して隣接する体育館・校舎の耐震診断を行ったところ、
思いもよらぬ低い耐震の数値(IS値0.1)が出たことを発端に、7月から区内小中学校14校※で
再診断を行ってきました。
※希望丘小と同じタイミングで同じ手法で体育館の耐震診断を行っていた小中学校をまず先に再診断
11月12日、区議会の常任委員会(文教・企画総務)に、その再診断IS値速報値が伝えられました。
それによると、14校のうち7校において0.3以下であることが判明。
それも喜多見小学校の0.04や東玉川小0.15など、かなり低いものがあり、またしても衝撃的な数値。
しかし、これらの報告内容は、あくまで速報値で診断結果に対して評定委員会という第三者組織(要は、ふるいにかける)を通さないと「確定値※」にならないことや、前回の希望丘小の時にも論点になったことですが「診断した業者によりやり方(取り方)による差異」も含まれているので、現段階でこれらの数値をもとに政策の意思決定をするのも適切といいきれません。
※今回の速報値に対し2月頃に確定値がでてくる予定
これに対し、区としては、確定値がでるまでは「応急処置(体育館天井部分に弱いところがある場合は、落下防止ネットを張るなど)」をとるとのこと。
一方で、4月に0.1というIS値がでた希望丘小については、すぐに体育館の「使用中止」を決め、その後紆余曲折ありましたが、結局
耐震補強工事を施すとして、いまもまだ工事中。来年9月まで使えません。同じ低い数値なのに、対応がバラバラです。
そもそも、このIS値、体育館という構造物上の特性(値をとる場所、取り方でかなり結果に幅が出やすい)を考えると、どこまでこの数字をベースに判断すべき(できる)のかという疑問も。
いずれにせよ、現在のところ、区の対応は体育館については、このIS値に振り回され「場当たり的」な対応になっているので、
数字に対し、「区としての」原理原則を設け、また対策チームのような体制をとって一貫性ある対応をしていっていただきたいと考えます。
でないと、これから2月にまた確定値がでてきて「実は(IS値)が低かった」「実は高かった」でまた右往左往しかねません。