認知症の人にやさしい図書館 | 佐藤美樹(さとうみき)のサトミキ☆ブログ

認知症の人にやさしい図書館

先日、認知症フレンドリージャパンイニシアチブ(DFJI)の年次サミットに参加してきました。
※認知症フレンドリージャパンイニシアチブ サミット2015:http://www.dementia-friendly-japan.jp/dfj-summit/

DFJのサミットには去年も参加しました。
きっかけは、2年半前、地域で親しくしているおばあちゃんから、
認知症と診断されたダンナさんのことで相談され、その際に、そのおじいちゃんが「デイサービスとか絶対行かない」といっていて、家にこもりっきりになためにおばあちゃんも煮詰まっていて、、ということを聞き、「何か(どこか)ないのかな」と思ったことから。

去年よりも、社会全体で、認知症対策についての意識が高まり、
さまざま取組が出始めてきたことをサミットを参加していても実感しました。

その1つが、サミットの1つのセッションで紹介されていた「認知症にやさしい図書館」」という取組。
実は、上述の認知症のおじいちゃん(当時86歳、元大学教授)の相談にのった際、
おばあちゃんが「図書館なら(おじいちゃんが)いけそう」と話されていたことから、
「図書館で何か認知症の人や家族が集えるような場ができないか」と検討し
→やはり現行の図書館だとそのような「場」がないということに行きつき
→図書館から離れていわゆる「認知症カフェ」として議会質問したことがあります。

サミットでは、筑波大学で図書館について研究されている先生から、イギリスでの事例紹介がありました。


イギリスの方が日本より早く、国家戦略として認知症対策に取り組んでいて、その1つが図書館での政策展開と。
写真は、Plymouth市の図書館での「認知症コーナー」。
認知症関連の本と、昔を思い出すようなおもちゃ・小物系※がディスプレイされています。
※回想法という認知症治療の1つの手法。

このイギリスのこの認知症にやさしい図書館のコンセプトも紹介されました。

※The way to Well-being(幸福への道)で、Connect(人とつながる)・Learn(まなぶ)といった5つのステップ。(余談ですが期せずして、このDFJIサミットの翌週に、世田谷区内で精神障害の人たちのための居場所つくりなど活動されている方たちから「世田谷宣言」として同じ5ステップを伺いました)

九州保健福祉大学の先生から、実際に、九州のいくつかの市で「認知症にやさしい図書館」を実現しようとしている事例も伺いました。
・・・ただ、公立図書館は教育委員会に阻まれてことどくダメと。
公共施設の図書コーナーにて展開したり、1day街かど図書館として商店街組合・商工会議所とコラボしてみたり、博物館で展開したり(これも回想法のほうの効果も狙いつつ)しているとのこと。

図書館は、社会との関わりを持てなくなっている様々な人たちにとっていきやすい場所であり、
かつ、そこにある図書によって治療効果も狙える(さらには、図書館内よ回遊することで運動効果も)わけですから、やはり、なんとかさまざまな「壁」を乗り越えて、
「認知症の人にやさしい図書館」ができたらいいなと思います。
こうした図書館の「場」の創出が実現できたら、認知症の人だけでなくさまざまな展開ができるだろうとも。

今回、世田谷区がだしてきた「人口ビジョン」や公共施設等総合管理計画の基本方針とも絡めて議会で問うていきたいと思います。