待機児が増えているのに保育所の定員が減る?! | 佐藤美樹(さとうみき)のサトミキ☆ブログ

待機児が増えているのに保育所の定員が減る?!

今回の、4月の待機児童数はもうおなじみの数字ですが、1182人と去年よりさらに増えました。

この状況で、区が緊急対策といって、旧大原デイホームを改修して「定期保育利用事業」として1Fに入っている大原保育園の定期利用保育分として24名分整備すると打ち出しました。
定期利用というのは、「1年間」という定期で保育園に在籍させる形式のこと。
新設の認可園の場合に特に、4-5歳枠は定員に空きがでることが多いため、この空き枠を有効活用すべく始まった形態です。

※定期利用保育:http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/103/129/458/459/d00033039.html

待機児を「1名でも減らそう」とすべき状況ではありますが、
「え?!緊急対策ってこれだけ?」という感は否めません。

これまでも再三言ってきたことですが、
待機児対策のためには
①認可保育所事業への民間参入
②小規模保育の組み合わせで機動性を確保
につきます。

ここにきて、これまでも言われてきたことですが、保育士不足が深刻化してきました。
この27年4月時点の区の保育施設定員数は、認可保育所の整備で定員数が増える一方で、既存園の保育士不足によって定員数が減るという事態がおきてしまいました。
保育室でマイナス14名、認証でマイナス63名と。

先週の一般質問で、私からも保育士不足・確保について問いました。
保育士確保の論点のうち、小規模保育事業者が認可保育所と同様の保育士比率(配置基準、有資格者比率)を求められる割に、待遇面では認可保育所より有利な数字を示しにくい(補助が少ない)ために、結果として保育士確保がしにくくなっているという点。

世田谷では、朝・晩の子どもの数が少ない時間帯も「常時2人」を求め、その内訳としても
「保育士(有資格者)2人」と要件にしています。
例えば定員9名(0,1,2歳ともに3人ずつの定員)であれば、配置基準上は保育士3人で足りますが、朝早くや夜遅くのタイミングはローテーションで入ってくるので当然パートの人も組み合わせないと乗り切れません。
このパートの従事者についても、世田谷区は保育士でないとダメと。
他の自治体では、配置基準以上の人員について保育士(有資格者)を求めていなかったり、
横浜では、このパートで従事する人員について保育士を求める代わりに、91,800円の付加加算を
決めています。
小規模保育に認可保育所なみの保育士配置を求めるなら、横浜のような加算が理に適っているかと。

この論点は、今回の定員減になっている施設がいずれも認可外(保育室・認証)というところを見ても共通しているように思います。
保育士全体のパイを増やさない限り、認可保育所運営がメインの大手の法人以外は保育士を確保できなくなり、結果として待機児解消のスピードは落ちてしまいます。

保育士不足の解決策の1つとしては、保育士資格を持っていない保育従事者の資格取得支援も有効ですが、国も都もこの支援事業を始めていますが、世田谷区は手を挙げていません!!(一般質問で問いました)
※保育士確保プラン(厚労省):http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000070943.html

待機児解消のための新たな課題として深刻化している保育士不足。
こちらについても、もっと積極的に区に手を打っていただきたいところです。