保育標準時間・短時間2区分って利用施設によって不利になる?! | 佐藤美樹(さとうみき)のサトミキ☆ブログ

保育標準時間・短時間2区分って利用施設によって不利になる?!

来年4月施行の子ども子育て支援新制度下で、認可保育所や小規模保育施設に移行する園に関する課題・論点はこれまでも取り上げてきました。

今回は、家庭的保育→小規模保育園への移行ケースについて、利用者の方から頂いた問合せをもとに論点整理をしたいと思います。

現在世田谷区では家庭的保育事業としては4箇所(いずれも保育所が実施する形態)展開されています※カッコ内は実施している保育所名称

①もみの木Mom(もみの木保育園)
②かもめのいえ(鳩ぽっぽ保育園)
③ラフクルーマム(ラフクルー経堂園)
④おうち(祖師谷保育園)

このうち、①②の2か所については、来年4月から新制度に移行を予定している、と。
まだ移行を希望とか移行する方向で準備中という段階だと思うのですが(議会にもまだ報告されていない)、現在利用している保護者向けには説明があったようで、そのうち1園(かもめのいえ)の方から問い合わせがありました。
※家庭的保育施設の新制度への移行について:http://goo.gl/880NHu

この移行ケースにおいても、在園児については、「保育の必要性の認定(2号・3号認定)」と「区民」という条件に合致すれば全員そのまま継続利用できる、ということでこの点はクリアなのですが、問題になったのは「保育標準時間・短時間」の2区分とそれに対する開所・延長時間の論点

相談のあった方は、保育標準時間・短時間の認定区分でいくと、両親ともフルタイムなので(月120時間以上)、申請すれば保育標準時間(11時間)で認定されるタイプ。

しかし、かもめのいえ側は小規模保育に移行後も開所時間は8時間でそれを超える分については延長料金を徴収するというような説明をうけたとのこと。

保育標準時間・短時間の認定では、基本の保育料が標準時間のほうが高く設定されています。
「11時間分の保育時間を利用できる」として保育料を払うのに、園の設定時間が8時間を基本としているのでそれを超える分は延長料金となる・・・てどう考えても不合理というかつじつま合わない話で、私のところに相談がありました。

このケースについて、区側の解決案は、
現在家庭的保育を利用していて新制度移行後も継続利用を希望する場合は、「保育短時間(8時間)」の認定をうけてもらう、というもの。
保育標準時間(11時間)より、短時間(8時間)のほうが保育料は安いので、「8時間の施設を利用しているのに11時間分の保育料を払っている」という矛盾は解消されます。

・・・しかし、それでもまだ残る論点としては、開所時間と延長料金の問題。
また、さらにいうと、今回のかもめのいえ園の場合、家庭的保育から小規模保育に移行するわけですから、現行の前30分・後ろ30分の延長時間分を含めて開所時間を設定(7:30-17:30)してもよいのでは?とも思います。
この辺は、区の運営費補助額が確定しない(公定価格の上乗せ分)ために、事業者側としても人員配置を追加できる判断がとれないため、「(開所時間は)現行どおり」という説明になっているのかもしれません。

この保育標準時間と短時間の2区分と、利用する施設の開所時間・延長時間で生じる「不公平性」については、これからいろいろなケースがでてくると思われます。
区としても、不公平性をなるべく是正できるように延長料金の考え方などで工夫が必要になってきそうです。
※保育標準時間・短時間の考え方について参考になる記事:http://goo.gl/aAoNXC