23年度世田谷区一般会計ほか全ての会計に賛成し意見をのべました。 | 佐藤美樹(さとうみき)のサトミキ☆ブログ

23年度世田谷区一般会計ほか全ての会計に賛成し意見をのべました。

23年度決算審議が16日に終了し、昨日、本会議が開かれ各会派が賛成・反対の立場での
意見を述べました。
未来あらた世田谷としては、賛成の立場での意見開陳。
初めての意見開陳だったのでなかなか緊張でしたが、前日夜中~朝まで原稿を修正し続けてなんとか無事に終わりました。
以下、意見開陳でのべた内容です。
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世田谷区の平成23年度各会計全てに賛成の立場から意見申し上げます。
賛成するにあたって、款別に要望等意見を申し上げたいところですが、財政問題と少子・超高齢化社会テーマに絞って述べたいと思います。

決算委員会補充質疑の際に、「『区の財政状況は厳しい』とよく枕詞のように使われるが、本当に厳しいのか、また何をもって厳しいとするのか」という問いをさせていただきました。
宮崎政経部長より「フローとストック両面の現状を踏まえ、厳しい財政状況との認識を強くしている」との回答がありましたが、依然として私の中には疑問が残っています。

疑問の残る理由は、宮崎部長のいうところの「フローとストック」という言葉を「収支情報と資産情報」に置き換えて説明すると、この「資産(ストック)情報」について正確に現状把握できていなければ判断できないのでは、と考えているからです。

企画総務領域にて、学校跡地活用やこれからの公共施設整備に際し、まず「『いまどこにどれだけの価値の資産があるのか』について複式簿記の考え方をふまえた財務データが必要」ということを問いました。減価償却費だけでなく将来にわたる維持管理コストも一元化しないと正確な資産価値データといえないからです。
複式簿記の導入がないまま、現行の複数システムからのデータのつぎはぎ・力技でなんとか公共施設白書のベースとなる財務データを作っても、更新し使い続けられる仕組みになっていなければ、やはり今後またどこかの時点で、「いまどこにどれだけの価値の資産があるのか」を整理しなおさなければならなくなります。固定資産台帳の整備に21年度より段階的に取組まれていることは評価しますが、学校施設などの統廃合による再投資や老朽化対策といった目の前の課題解決のためには、いつまでも「段階的に整備」とはいっていられないのではないでしょうか。
先日の問い「区の財政は厳しいのか」に戻ります。
超高齢化等により行政需要は純増、でも税収による増収がみこめないので収支の意味でのフローは厳しい状況かもしれませんが、ストックについて把握しきれていないので、「厳しいのかどうか」の答えをあえていうと、私は「厳しいかどうか判断できない」が答えかと考えます。
正確な判断につなげるべく複式簿記によるフローとストック両面からの把握を求めます。あわせて、先日も申し上げましたがフロー面での税収増となるような取組みもお願いします。

少子化・超高齢化がますます進むことに派生する新たなニーズに対し、区として速やかに対応していくことが必要です。また、震災を契機とした災害対策だけでなく環境価値をあげていくことも求められています。
この決算委員会中も環境モデル都市や環境未来都市といったトピックスがあがりましたが、環境未来都市を目指すのであれば、単なる環境問題だけでなく、少子化・超高齢化といった社会問題も解決するような包括的な都市経営のビジョンを示すことが求められます。
横浜市の環境未来都市の取組み計画には、環境関連に加えて、超高齢化社会対応の各施策と企業誘致・横浜ブランドの創出なども掲げられています。計画として掲げられているわけではありませんが、林市長主導でおしすすめた保育園整備など少子化対策の実績も評価されたのではないかと考えます。

子育て当事者としては、まだまだ全然痒い所に手が届いていない子育て支援の各施策ー特に保育園政策については、さまざまな手法を組み合わせスピード感もって整備していただきたいです。保育ニーズについては、短時間労働や在宅・フリーといった多様な働き方にみあった受け皿も必要です。

「保育園を作れば作るほど、需要も増える」という声もありますが、2030年に日本の労働人口が現在より850万人減少すると見込まれている中、「働きたい人が働ける環境づくり」は、労働人口確保という観点からも重要と考えます。
ワークライフバランスと子育て支援の両輪で拡充していっていただきたいと要望します。
また、福祉領域の質疑にて申し上げましたが、さんさんサポートのような産前産後のサポートや0歳児の一時預りの拡充は、育児負担を抱え込みがちな時期に手を差し伸べる施策であり虐待予防にもつながります。

子育て支援関連を強調するのは、少子化と超高齢化のうち少子化傾向については、こうした子どもを育てることのサポート(支援)によりくいとめる・変えていくことができるからです。
そのための財源確保、財政基盤の確立のためにも、繰り返しになりますが財政状況についての「フローとストック両面からの現状把握」を要望します。

この「少子化傾向は変えられる」は、私が区政を志した理由であり信条の1つです。

信条といえば、IBMを飛躍的に発展させた名経営者トーマス・ワトソン Jr.は企業の成功の鍵として次の三つをあげています;
 ①しっかりした信条を持つこと
 ②その信条を確実に守ること
 ③信条以外の全ては常に変えていく姿勢を持つこと です。
 もちろん、企業と自治体では体質が異なりますが、しっかりとした信条をもち・守り、そしてそれ以外はどんどん変えて行っていただきたいということを最後に申し上げて、意見とさせていただきます。