では、『入るべからず』編の続きを書いていきたいと思います。自分の刀剣男士の1人である『山伏国広』を探しにきた『藤堂 仁志』が出会ったのは生者ではない女性で…。好き勝手な雰囲気が強い『二次創作』の『小説もどき』です。鼻で笑いながらでも良いので、少しでも覗いて下さいませ❗️

 

 

 

 

 

 

 

「では、少し修行して参るぞ!」

そう言って本丸から出て行こうとする刀剣男士『山伏国広』の姿は大半の『審神者』が驚き戸惑うものだろう。『藤堂 仁志』も最初は戸惑ってしまっていた。まだ刀剣男士として顕現化してから3日しか経っていなかったからだ。だが、戸惑いながらも藤堂は自分の霊力の向上と質の強化の為に同伴する事を宣言。それに山伏は驚いた様子だったが受け入れてもくれたからか。彼と共に山に入ると山中の巡礼や滝行といった内容を中心に修行した。おかげで山を歩くのは学生の頃よりは多少慣れたように感じたからだろう。それに比例するように霊力も良い方向に変化していると思っていた。

 

だが、実際は違っていたようだ。山伏の捜索には困らなかったものの、出会った女性が生者とは異なるのを見抜けなかった事。更には相手の霊気に当てられた事で金縛りのような状態に陥ったばかりか、その思考も堕ちてしまったせいか。藤堂の瞳から光が失われていった。

 

 

 

そんな時だった。藤堂の後方から『ある者』が姿を現したのは。そして藤堂と生者ではない女性へと近付くとこう告げてきたのは…。

「駄目だぞ?拙僧の主殿を連れて行くのは。」

『…っ。』

藤堂の後方から現れたのは人の姿をしていても異なる存在。しかも強い法力もまとう、ほぼ神に近い者である事も感じ取ったからだろう。その力に当てられそうになった女性は僅かとはいえ思わず距離を取ってしまう。そして現れた者…刀剣男士の山伏は藤堂の心が堕ちてしまっている事を当然すぐに察知したらしい。彼の前方に回り込むと目の前で自身の両手を勢いよく叩き合わせるのだった。

 

すると力のある者が行ったからか。ただ単に静寂が広がる空間であるが故に音が響き易かったのか。その音が聞こえた瞬間、藤堂の瞳に光が戻っていく。更に顔も上げると呟いた。

「山伏…。」

「おお!目が覚めたみたいだな!大丈夫か?主殿!」

「あ、ああ…。何とか、だが。」

「おお、そうか!良かった!」

相手を認識出来ても最初に出たのは戸惑いの色が濃くなった声だった。だが、山伏の様子はいつも通りのままで。その姿に少しずつではあったが我に返っていく。それは山伏も気が付いたのだろう。更に声を弾ませ、表情も益々彼らしい力強さを感じさせる笑顔になっていった。

 

だが、山伏との合流が叶った事に安堵していても、それに浸り続ける事は出来なかった。藤堂の心を堕としていた女性が気付くとその姿を消していたからだ。しかも…。

「っ、これって…。」

「霧、だ。それも普通のじゃない。霊力が含まれたものだな。」

「…っ。」

自身では相応しくないと思う部分があっても、やはり現役の『審神者』だからか。漂う霧から霊力を何となくでも感じ取ってはいた。そして山伏の言葉から自身の中で芽生えた感覚が間違っていない事も知ったからだろう。今置かれている状況も相まって体は更に強張ってしまうのだった。

 

一方の山伏はそんな藤堂の様子を見つめる。そして一瞬の間の後、こう告げた。

「それで、どうする?」

「どうする、って…。」

「このまま山を降りて行くか、あの者を追って進むかだ。どうする?」

「…。」

山伏の言葉に再び声を発する事が出来なくなってしまう藤堂。現状に置いて究極の選択を迫られしまったせいだ。すると迷う藤堂に視線を向けながら山伏は続けた。

「拙者はどちらでも構わない。主殿が望むなら、それを叶えるべく動くのみ。…その為に拙者達は存在しているのだから。」

「…っ!」

声色等は一見すると普段と変わらないものを向けている。その言葉通り山伏にとっては『ここから退く事』か、はたまた『霧の中を進む事』を選んでも構わないのだろう。そして藤堂は山伏が本気で自分に対し選択を促している事を感じ取ったからか。その熱意に息を呑むばかりだった。

 

 

 

だが、それほどの熱を込めながら促してくれたおかげだろう。まだ僅かに迷いながらも藤堂は何とか選ぶ事が出来た。そして山伏と共に選択した方へと足を進めていくのだった―。

 

 

 

 

 

 

 

…というわけで、シリーズ第2話目でした。

今話は山伏との再会や藤堂の決意を書いてみました❗️ちなみに今回、『山伏国広』が修行好き(?)みたいなのを書きましたが、この『白審神者の事件簿』の基になっているゲーム内の彼も修行に熱を入れています。なので、そこを改めて書いて表現してみました。今回も少しでも伝わりますように😣

 

それでは、また~🖐️