では、『海に棲むのは』編の続きを書いていきたいと思います。気分転換として海に行く事を希望する宮城を、初期刀の歌仙を含めた刀剣男士達も承諾してくれて…。これは『二次創作』の『小説もどき』です。もし見て下さる際には、その辺も考慮して下さると嬉しいです❗️

 

 

 

 

 

「ん~!やっぱり潮風が気持ち良いですわ!」

「ねぇ~!」

体に当たる潮風や、それに含まれた独特の香り。何より降り注ぐ太陽の光は『審神者』が日々を過ごしている本丸のように異界の中に強引に作られた人工的な日光とは異なり、生きている事を実感させるものだったからだろう。その気持ち良さに宮城は思わず声を上げる。すると初鍛刀である為に自分の性質を強く引き継いでいるのか。ただ単に元々が話を合わせたりするのが得意な性格の者が多いからか。正確な理由は不明だったが、短刀の刀剣男士『乱藤四郎』が同調しているような声を上げてくれたのが嬉しかったからか。宮城は自身の胸が踊っているのを実感。海面と同じように輝く瞳で海と砂浜を見つめていた。

 

更に宮城の胸を踊らせたのは海に来れた事だけではない。こちらが誘った事がきっかけとはいえ友人2人も来てくれたからだ。幼馴染みの内の1人である日暮と、自分の本丸に見習いとして来て以来親しくしている『鳥居 茜』が…。

「まったく…。連絡が来たかと思ったら『海へ行こう!』とか。時間があったから良かったし、いつもの事だけど急すぎるのよ。あなたは。」

「ひ、日暮さん!でも…私も驚きました。その…『何かあったのか?』って思ってしまって…。もちろん誘ってくれた事は嬉しかった、ですけど…。でも…。」

今回の誘いはやはり急すぎたせいか。乗ってはくれたものの日暮は呆れたように言い放ち、鳥居は終始戸惑い続けている。だが、当の宮城は2人のその様子にも特に気にしてはいない。むしろ2人の『ある部分』が嬉しかったからか。緩やかな表情で再び口を開いた。

「いきなりでごめんなさい。でも、私の誘いに2人が乗ってくれた事、やっぱり嬉しいですわ。水着もですけど、それぞれ刀剣男士の方と一緒に来てくれた。『急な事なのに、ちゃんと準備してくれた。』って思えますから。」

「…。」

微笑みながら告げられたのは『言葉とは裏腹に自分からの誘いを快く引き受けてくれている。』と指摘するようなものに感じたのだろう。特に日暮の方が強く感じたらしく、観念したようにタメ息を吐くと応えた。

「まぁ、アンタの誘いには慣れているから驚かなかったのは事実ね。そればかりか『そろそろ海に行きたがるだろうな。』とも思っていたから、少しは準備してあったのよ。水着は『アンタが入っちゃった時に助け易くする為に海中でも動けて色々と耐えられるウェットスーツタイプにしよう。』とか、『刀剣男士は海に強い興味を持ち易い人にしよう。』っていう風に。」

「そうそう。だから俺が一緒に来たんだ!竜宮城を探す為にね!」

「…まぁ、だから何とかなったのよ。さっきも言ったみたいに事件とかの調査もなかったし。」

「浦島。」

「そ、そんなに準備していたんですね。私はその…元々、準備らしい準備をしていなかったから慌ててしまって…。水着の事も清君達に言われてから用意したんです。あと…何か『虫除けの為にも絶対に誰か連れて行きなよ!』って言われて、清君が伽羅さんにお願いしていましたけど…。その…どうしてなのか分かりますか?伽羅さん。」

「…知らん。」

ここへ来るまでの経緯をやはり呆れた様子で口にしていた日暮の一方で、素直に『宮城からの誘いが決して不快ではない。』という感情を表せない彼女の代弁をするように脇差の刀剣男士…『浦島虎徹(うらしまこてつ)』が告白していたせいか。彼を止めるように思わず常よりも更に温度を感じさせない声で名を言い放ってしまう日暮。すると僅かに空気が張り詰めたのに気が付いた事で鳥居は動揺していたが、『自分も日暮のように海に来るまでの流れを話した方が良い。』とでも思ったのだろう。海に辿り着くまでの本丸の出来事を過らせながら話す。そして本丸での中には口に出していく内には疑問に思った事もあったからか。ついでという形ではあったが、

大倶利伽羅へ尋ねたりもしていた。もっとも大倶利伽羅は質問の内容が内容だった為に気まずそうに視線を外すばかりで答えてくれず、それらの様子に察した日暮は再び呆れたようにタメ息を漏らしていたのだが。

 

そんな2人の『審神者』により漂う空気は心なしか穏やかではないものになってしまう。だが、友人達と海に来られた事に未だ気分は盛り上がっているからだろう。空気を変えさせるかのように1つ手を打つと言い放った。

「とにかく!せっかく海に来たんですもの!泳いだり好きな物を食べたり飲んだりして楽しみましょう!もちろん私だけじゃなく皆さんも一緒に!ね?」

「そ、そうですね!久し振りの現世ですし。そもそも私、ほとんど海に来た事がなくて。だから今日は楽しみたいと思います!」

「…まぁ、私も海は久し振りだから楽しもうとは思う。この海には気になる話もあるから、その調査も兼ねて。付き合ってくれるかしら?浦島。」

「もちろん!な?亀吉!」

高らかな声で改めて日暮や鳥居達と海に来られた事に対し喜びを示す。更には『自分と共に楽しんで欲しい。』という想いも示してきた為か。直前に漂っていた微妙な空気が僅かとはいえ未だ尾を引いていたが、それを切り替えるように鳥居は声を上げる。そして日暮の方も今すぐ帰還する気はなかったようだ。現に呆れた様子を残しながら海に留まり続けようとしている事を告白。それに対し彼女と共に海へと来た刀剣男士の浦島が嬉しそうな様子だった事もあり、その決意も固めたのだった。

 

 

 

こうして友人達と共に好きな場所で過ごせる事が決まり、更に気分が盛り上がっているのを自覚する宮城。少なくてもこの時までは楽しい思い出だけが残ると考えていた。数十分後に起きた『ある騒動』がなければ―。

 

 

 

 

 

 

 

…というわけで、シリーズ第2話目でした。

今回は『宮城 美亜』から海へと誘われた『日暮 琴里』と『鳥居 茜』の事を書いたりしてみました❗️ちなみに海に来るのに日暮が選んだ刀剣男士が『浦島虎徹』なのは性格等から海を連想させるからです。本当は他にも『海を連想させる刀剣男士』はいるんですけど、言葉が琉球の方だったりするので難しくて💦その辺も含めて、まだ書き易そうだった浦島を選びました。

あと鳥居の刀剣男士で『大倶利伽羅』を選んだのは、ただ単に甘酸っぱい青春感を少しでも入れたかったから。ただ彼は鳥居に『特別な想い』を当然持ち続け自覚もし、それを他の刀剣男士達も把握していますが鳥居は過去が過去なだけに全く気付いていません。いわば片思いというヤツです。それらの所も含め、少しでも楽しんでくれると嬉しいです🙏

 

それでは、また~🖐️