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乃木坂46のドキュメンタリー映画、「Documentary of 乃木坂46 悲しみの忘れ方」を3回観てきました。

内容のネタバレ多数ありますので、観ていない方はここで読むのを止めて、観てから読むことをお勧めします!w

2011年8月21日に結成された(22日という説もあるが。。)乃木坂46。


かつて所属していたAKBを手放したソニーがもう一度やり直すことを決断して、39000人近くのオーディンションを行い、AKBの公式ライバルという肩書で始まりました。


この肩書がいかに重荷であるのか、そして、ある意味の圧倒的なアドバンテージになるのかは、メンバーは理解していなかったのだと思います。


そして、デビュー前から冠番組を持つという特別待遇を受け、ヒットすることを宿命づけられたグループでした。


その裏側にはレコード業界冬の時代の中で、どうしても売り上げをあげたい、確実に売れるコンテンツが必要、という大人の事情がありました。


2011年のAKBと言えば、まだ大ブレークには至らずにいましたが、結成6年目にして、確実に売り上げをあげてきた時期でした。それは、皮肉にもソニーからキングレコードに移籍してからの出来事でした。「逃した魚たち」はあまりにも大きな存在になっていました。

あのままAKBがソニーにいたら、乃木坂は生まれなかったはずです。


乃木坂のメンバーは意図的にでしょうか、全国から集めらました。

元地方アイドル、グラビア経験者などに交じって、アイドルには全く興味のない素材も集まり、異色なグループになる予感がありました。

今はエース格になった、西野七瀬、橋本奈々未などは、お見立て会時点では、なぜアイドルになったのかわからないような地味な存在でした。


そんな透明な素材から今までにないアイドルグループ作りを描いていたのではないかと思います。


この映画は約4年間の彼女たちの軌跡ですが、只のドキュメタリーではありません。


一言で言えば、作品として素晴らしいものです。

おそらく乃木坂を全く知らない人が観ても、十分に満足できる内容と、構成になっています。

それは、誰にでもある、思春期の葛藤や悩み、そして心の闇に迫っているからではないでしょうか。

普段はキラキラ輝いているアイドルたちの過去と現在の裏側、内面は、普通の女の子のたどるものと何ら変わりません。

アイドルの存在意味とはなんでしょうか?

良く考えることがあります。


この映画は教えてくれます。
アイドルも一般人も何も変わらないことを。


そして、たまたまアイドルになった人がいて、それを応援する人がいるだけのことです。

でも、そういう関係があるからこそ、お互い毎日をもがきながら生きていける。


勇気をもらったり、与えられたり、夢を見させてくれたり、時に敗れて悔しい思いをしたり。

人の普通の生き様そのものがこの映画にはあります。


素晴らしいアイドルとの出会いは、時に人にいつまでも青春のモラトリアムを感じさせてくれます。

乃木坂46。

4年間でAKBの公式ライバルから、確実に自分たち独自の生き様を持てるようになったのではないでしょうか。。。

そして、このグループは古いファンも新しいファンもいつも同じ目線で楽しませてくれます。


悲しみの忘れ方とは…

今を懸命に生きること。
人は変われる事を知ること。


乃木坂をこれからもずっと応援したくなる作品でした。





PS 

秋元総合プロデューサーが乃木坂にあまり関わっていない、興味がないと揶揄する方がいます。私はそうは思いません。

なぜならば、秋元氏がこの4年間乃木坂に提供してきた作品はAKBを凌駕する素晴らしいものだからです。

この映画の劇中でも一番印象的なところで使われている「君の名は希望」は後世に残るアイドルを超えた名曲になるでしょう。

そして、この映画の最後に流れる「悲しみの忘れ方」も名作の一つとして受け継がれていくのではないでしょうか。

新しい乃木坂のテーマソングですね。


乃木坂46「悲しみの忘れ方」
 作詞:秋元康

爽やかな風が吹いて
木々の枝 揺らしている
木漏れ日のその下を歩きながら思う
どんな道もきっと どこかへ続く

あの頃の 私たちは
今いる場所もわからずに
暗くて見えない道
星を探すように
胸の奥の夢を手掛かりにしてた
辛いこともいっぱいあった
いくつもの坂 上った

迷ってるのは私だけじゃないんだ
そばにいつだって誰かいる
良いことひとつ今日の中に見つけて
悲しみをひとつ忘れようとしてきた


突然に鳴り響いた
雷に逃げ惑って
夕立に濡れながら 雲を見上げ思う
どんな雨もやがて晴れ間に変わる

その時のあの彼女は
自分の居場所 無くしてた
みんなと逸れそうで心配をしたけど
探す声を聞いて道に戻った
喧嘩だっていっぱいしたよ
だから仲間になれたんだ

悩んでたのは私だけじゃないんだ
逃げ出そうとした 何回も
諦めかけて今日ちょっと頑張って
明日はそれ以上頑張るのが希望だ


迷ってるのは私だけじゃないんだ
そばにいつだって誰かいる
良いことひとつ今日の中に見つけて
悲しみをひとつ忘れようとしてきた

思い通りに何も何も行かないけれど
それでも誰もが 前を向く
みんな同じだ 迷い悩み傷つく
悲しくなったらもっともっと泣こうよ