なんと、4月11日にCharnett Moffettさんが、わずか54歳で心臓発作で亡くなられたとのこと。
とても残念です。
 

 

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悲しいですが、記事のタイトル中の英語について説明させてください。

 

virtuosic

 virtuosoという言葉は特に音楽分野の「すごい人」を表すときに使います。巨匠と言いたければこれを使うと良いです。

 a virtuoso bassist⇨ベースの巨匠(名演奏家)

 ここでは形容詞として描かれているのでvirtuosicとしています。

 

versatile

 多用途、万能、などの意味があるため、多彩な人を表すときにも使えます。

 チャーネット・モフェットさんのことを名詞で表すならa versatile virtuosoと言い換えても良いですね。

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タイトルに「早熟の天才」と書きましたが、私が彼の演奏を知ったのは9年前のアメリカでのジャズフェスティバルでのこと。
早熟時代がとっくに過ぎてからです。
 
当時インターンシップ中にカリフォルニア州モントレーで毎年行われるジャズフェスティバルを見に行った時のこと。
敷地内には屋内外のステージが沢山あり、沢山のアーティストのパフォーマンスが至る所で見られます。
 
そんな中で、夕暮れ時に、パンチがありながら情感たっぷりのベースの音に吸い込まれるようにCharnett Moffettさんのステージにたどり着きました。
お手本のような素晴らしい音の、というよりは当時は何者なのかわからなかったけど、誰かがその人にしか出せない音ですごいことしてそう!と思って音をたどった感じです。
 
 
度肝を抜かれたのは
1. 卓越したリズム感
2. 超絶技巧
3. 決して押しつけではないのにそこそこ前衛的
4. 叙情的な世界観
5. ソロ演奏とは思えない迫力
6. 彼にしか出せなさそうな音(力強いのに繊細)
 
一瞬で虜になる、ということを体感しました。
そして、彼の世界観溢れる演奏が夕暮れから夜にかけての空間に完全にマッチ。
ソロ演奏でも人が多く集まるこの空間を本当に尊く感じました。
 
 
それ以来、私は彼のソロ曲ばかり聴いてしまいます。
もちろん、ソロ以外にも素晴らしい作品が沢山ですが。
この、モントレージャズフェスティバルではGeorge BensonやOrrin Evansも見ることができたので、別の機会に書きますが、今回はCharnett Moffettさんへの気持ちを込めてここで終わります。
 
お読みいただきありがとうございました。