月のキレイな夜、風変わりな人が娘に話し掛けた。

やっと見つけました、と。

そしてこれまでの不幸の理由を懇々と語った。

娘は納得したわけではなかったが、理由があれば気が楽になると受け入れることにした。

風変わりな人は「これで貴女は幸せになれますよ」と言い終えると、どこかへと消えていった。

娘は不思議な人が言った「貴女は特別」と言う事を信じ、毎日過ごしていった。

すると、不思議な事に娘は毎日幸せで満たされて過ごせました。



――人の気持ちは持ちようで、理由があったり自分が特別なんだと自分が思ったり、人に言われると何かにも簡単に耐えれたりするものです。考え方次第で景色はまるで違って見えます。

不幸は自分が見せる幻覚で、幸せもまた幻覚です。

その人はいつも不機嫌そうにあたりを見回し、忙しそうに歩き回っている。何がそんなに腹立たしいのか、不満なのか、皆不思議に思っている。そして、その場の空気さへ重苦しく変える彼女を皆敬遠してもいる。

でも、仕事は誰よりも出来るし、テキパキこなす。知識も群を抜いているから、誰も文句を言ったりしなかった。

ある日そこに、変わった娘が現れた。

その娘はいつも馬鹿みたいにニコニコして、一生懸命。人好きのするタイプだけれど、手際の悪い娘は彼女の神経を逆撫でてばかり。彼女は毎日娘に聞こえるようにイヤミを言った。出来る事なら、その笑顔を壊してやりたいとばかりに。

それでも娘は痛いくらいに笑い続け、そしてとうとう止まった。それが時なのか、笑顔なのか、生なのか知れない。ただ、永遠がこの世にはないことを知るには充分だった。



----笑顔には引力があるけれど、笑顔でばかりいることも出来ません。笑顔には体力が必要です。

また、人を傷つけて平気で居られるほど強くもないし弱くもない。

結局、そんな自分を受け入れる努力をしていかねばなりません。