モンスター (幻冬舎文庫)/幻冬舎
¥760
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【あらすじ】

田舎町でお洒落なレストランを経営する

絶世の美女・未帆。

彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。

周囲から化け物扱いされる悲惨な日々。

思い悩んだ末にある事件を起こし、町を

追われた未帆は、整形手術に目覚め、

莫大な金額をかけ完璧な美人に変身を

遂げる。

そのとき亡霊のように甦って来たのは

一人の男への、狂おしいまでの情念だった。



【感想】

男性の作者が書いたとは思えないくらい

女性の心理やかけひきについて描写されて

いました。

読んでいて苦しくなるくらい超リアルに

人の美に対する世の中の反応が描かれた

作品です。

幸福な生活 (祥伝社文庫)/祥伝社
¥680
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【あらすじ】

「ご主人の欠点は浮気性」

帰宅すると不倫相手が妻と談笑していた。

こんな夜遅くに、なぜ彼女が俺の家に?

二人の関係はばれたのか?

【感想】

短編集。

全ての作品が、最後の一行であっと驚く

展開になっていて、面白かったです。



永遠の0 (講談社文庫)/講談社
¥920
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【あらすじ】

「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を

守るために」。

そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り

命を落としたのか。

終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ

祖父の生涯を調べていた。

天才だが臆病者。

想像と違う人物像に戸惑いつつも、

一つの謎が浮かんでくる・・・。

記憶の断片が揃う時、明らかになる

真実とは。


【感想】

映画化された話題作。

この小説自体はフィクションですが、

恐らく、同じような経験をされた方が

戦時中にはたくさんいらっしゃったん

でしょう。

そう思うと、涙が止まりませんでした。

改めて今、私たちが平和に暮らして

いられるのは、全ての戦争体験者の方々の

犠牲の上での事だと思い知らされました。

太平洋戦争について勉強になり、興味を

持てる、そして平和の大切さについて

感じられる素晴らしい作品だと思いました。

ウォッチメイカー〈上〉 (文春文庫)/文藝春秋
¥770
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ウォッチメイカー〈下〉 (文春文庫)/文藝春秋
¥720
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【あらすじ】

“ウォッチメイカー”と名乗る殺人者あらわる!

手口は残忍で、いずれの現場にもアンティーク

の時計が残されていた。

やがて犯人が同じ時計を10個買っていることが

判明、被害者候補はあと8人いる・・・。

尋問の天才ダンスとともに、ライムはウォッチ

メイカー阻止に奔走する。


【感想】

2007年度のミステリ各賞を総なめにした

作品です。

今まで読んだミステリ作品の中で一番

緻密な仕掛けがされていたように感じます。

最初に本編かと思われたストーリーだけでも十分

面白いのに、無数に複線の張られたストーリーに

度肝を抜かれます。

ウォッチだけあって、幾つもの歯車が同時に

回っていて、大きな何かを動かしているような

緻密な作品です。

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)/早川書房
¥714
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さまざまな職業、年齢、経歴の十人が
U・N・オーエンと名乗る富豪から
インディアン島に招待された。
しかし、肝心の招待主は姿を見せず、
客たちが立派な食卓についたとき、
どこからともなく客たちの過去の犯罪を
告発してゆく声が響いてきた。
そして童謡の通りに、一人また一人と・・・。

【感想】

無人島で隔離された登場人物たちが

次々に殺害されていきます。

逃げ場がない状況下において、予想通りに

一人ずつ殺害されていきます。

互いに疑惑を抱きながら展開される心理戦。

ミステリの代表作だけあって、その結末に

驚かされます。

法廷では裁かれない罪がテーマです。

そのトリックは見事に整合性がとれていて、

読者が推理できる手がかりについても

最後には明かされています。


【あらすじ】
そして誰もいなくなる (中公文庫)/中央公論新社
¥820
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【あらすじ】
名門女子校の式典の最中、演劇部による
『そして誰もいなくなった』の舞台上で、
服毒死する役の生徒が実際に死亡。
上演は中断されたが、その後も部員たちが
芝居の筋書き通りの順序と手段で殺されて
いく。
次のターゲットは私!!
部長の江島小雪は顧問の向坂典子とともに
姿なき犯人に立ち向かうが・・・・・・。
【感想】
アガサクリスティー作「そして誰もいなくなった」
を参考に書かれた作品です。
最後まで気が抜けない、予想を超える結末が
待っています。
良い意味で裏切られる作品です。

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)/講談社
¥800
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【あらすじ】

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっと

ひどかった・・・。

ある日、学校で起きた陰惨な事件。

ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり

言葉を失った。

彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることが

ある。チャンスは本当に一度だけ。

これはぼくの闘いだ。


【感想】

子供が主人公でありながら残酷な展開が

続きます・・・。

陰惨な事件の描写も生々しくちょっと気分が悪く

なりました。

罪と罰について深く掘り下げた作品です。

ブルータスの心臓―完全犯罪殺人リレー (光文社文庫)/光文社
¥600
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【あらすじ】

産業機器メーカーで人工知能ロボットの開発を

手がける末永拓也。

将来を嘱望される彼は、オーナーの末娘・星子

の婿養子候補になるが、恋人・康子の妊娠を

知り、困惑する。

そんな矢先、星子の腹違いの兄・直樹から、

同僚の橋本とともに、共同で康子を殺害する

計画を打ち明けられ・・・・・。

大阪→名古屋→東京を結ぶ完全犯罪殺人

リレーがスタートした!


【感想】

一見、完全犯罪のトリックが警察により

暴かれていく様が面白かったです。

残念ながら途中で結末に気づいてしまいましたが

ドラマとして面白いストーリーでした。

蒲生邸事件 (文春文庫)/文藝春秋
¥940
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【あらすじ】

予備校受験のために上京した受験生・孝史は

二月二十六日未明、ホテル火災に見舞われた。

間一髪で、時間旅行の能力を持つ男に救助

されたが、そこはなんと昭和十一年。

雪降りしきる帝都・東京では、いままさに

二・二六事件が起きようとしていた・・・。


【感想】

SFでありながら、フィクションを交えた

歴史小説でもあります。

主人公孝史が、歴史に疎い受験生という設定

なので、二・二六事件について知らなくても

読みやすく、興味を駆り立てられます。

私はSFは苦手ですが、この作品はSFをうまく

活用し、歴史の説明をされているので

面白く読めました。

戦前、戦中の日本は確かに存在したのだと

戦後の平和ボケしている私たちに問いかけて

くれるような作品です。


仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)/講談社
¥560
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【あらすじ】

八人の男女が集まる山荘に、逃亡中の

銀行強盗が侵入した。

外部との連絡を絶たれた八人は脱出を

試みるが、ことごとく失敗に終わる。

恐怖と緊張が高まる中、ついに一人が

殺される。

だが状況から考えて、犯人は強盗たち

ではありえない。

七人の男女は互いに疑心暗鬼にかられ

パニックに陥っていった…。


【感想】

物語は山荘という閉鎖された空間で始まり、

そして完結します。

序盤からストーリーの面白さに引き込まれ

そして…見事に裏切られました!

この結末を予想できる人はいるのでしょうか?

久しぶりに心から面白いと思ったミステリー

小説です。