前回、メディア等ではあまりさけばれてはいないものの、私が注目している点について書いた。岸田首相および加藤こども家庭庁によれば、2023年10月から児童相談所や医療機関等で、エホバの証人の児童虐待に関する実態調査が行われている模様。おそらく2024年3月くらいまでに報告がまとめられ、それに基づき法的な措置が必要か判断する模様。そうであれば、4月5月あたりからエホバの証人に対する非難がつよまってもおかしくない。
 

 

 

 

これに対してJW側、日本支部や管轄する世界本部はどのように対応するつもりなのか。

 

現在論点になっているのは、

(2023年12月当時の厚労省が発表したいわゆる「宗教虐待Q&A」によって定義された虐待の基準に基づき)

体罰と称して、児童虐待がこれまで推奨され、行われてきたのか。

現在も続いているか。

学校において、宗教の名のもとに虐待が行われているか。

輸血拒否を未成年の子どもに強要しているか。

性的虐待は行われているか。

などである。

 

こどもをもつ親の立場にある純粋なJWからすれば、実際に何が虐待なのか、学校の先生にどのように説明すればいいのか、仮に、子供が輸血が必要な状況になったら、親として法的にどんな対応をすべきなのか、JW組織から聖書からのしっかりとして根拠と説明をしてほしいし、実際どうすればいいのか、大変だ。

 

日本支部、世界本部は、それに対して何の説明もしてこなかった。せめて信者に対しては、そこの部分に関して、きちんと説明をしてほしかった。しかし、これまで政府やメディアに対しては、何か問題のあることに関しては、すべて、「個人の判断」という形で説明している。

 

JWは、この難局を、聖書からの基準に基づき、きちんと研究や説明をするのではなく、ただ、話をそらして、みんなでたのしくやろう、みんなで交わりをしようぜという形で乗り越えようとしているようだ。

 

2024年2月16日付で以下のような手紙が読まれた。

************************

東京23区と大阪市で行われる特別な宣教キャンペーン: うれしいお知らせです。2024年5月13日(月) から6月2日(日)まで,東京23区内と大阪市内で特別な宣教キャンペーンが行われます。国内からに加え, アメリカ,カナダ,フランス,ドイツ,韓国,オーストラリア,ニュージーランドからも伝道者たちが参加 します。熱気にあふれた3週間となることでしょう。
2. この特別な宣教キャンペーンの目的は何ですか。あらゆる人たちに良い知らせを伝えること,また,さ まざまな国の兄弟姉妹と互いの「信仰によって励まし合う」ことです。(ロマ 1:12) 東京や大阪は日本の中 でもエホバの証人に対する人口比率がとても高い地域です。良い知らせを聞いたことがない人がまだまだ大 勢いるでしょう。それらの都市でも熱心に伝道が行われていますが,多くの人に良い知らせを伝えるために さらに助けを必要としています。今回のキャンペーンを通して,良い知らせを聞いたことがないさらに多く の人に伝え,キリストの弟子となる人を探しましょう。(ロマ 10:14,15)
3. 今回の宣教キャンペーンは,海外の兄弟姉妹と一緒に伝道を行い,交友を楽しむことにより,世界的な クリスチャン家族の一致を感じる機会ともなります。国籍や背景,文化の異なる兄弟姉妹と共に時間を過ご すことは,忘れられない思い出となることでしょう。特に若い兄弟姉妹たち,このキャンペーンに参加する ことをぜひ積極的に考えてみてください。きっと楽しい経験になるでしょう。

************************

 

この手紙を読んで、何か今までと違うと感じだ。ちょっと異様な感じだ。どこがって?

今回は、交わり、交友、特に若い人たちに対して強調している点だ。

今までもキャンペーンは行われてきた。確か2019年(2018年だったかな)にもSPC(特別宣教キャンペーン)というネーミングで、全国からその時は大阪はふくまれず、東京23区への奉仕が行われた。東京以外の人は、東京で奉仕できるのが楽しかったと思われるし、東京の兄弟たちは、忙しく歓迎して、交わりを楽しんだ。

 

しかし、それほど交わりが協調されていたという記憶はない。もちろん結果的にそのような交わりの機会になった人もいただろう。しかし、東京の都心部の会衆では、毎週数十人から、100人以上の奉仕者が来ていたので、その間に集会をどう開くか、奉仕(伝道)するための区域はどうするか、どこに行くようにすすめるか、地図や留守宅をどう管理するか、本当にくたくたになるほど、働いていた。

 

どれほどの成果があったかわからないが、恐らくコロナの期間に研究の数は半分以下になって、コロナ後も研究の数はあんまり戻っていないところを見ると、長続きはしていないのではないかと思う。そのキャンペーンにかけた、個人個人の費用を考えると、コスパはとても悪い。はっきり言って、東京23区以外の関東圏で、都心にアクセスのいい地域はいくらでもある。本当に効果性を考えるなら、なんで、日ごろから小都市から、大都市へ奉仕者が行って奉仕することをしていないのか。

 

私の知人も例にもれず、東京23区の都心の奉仕を、わざわざ遠くから来てしていた。正直、都心の地元の兄弟たちは、数十人の外部の奉仕者に区域を裁くだけで、天手古舞だったと思う。ましてや、外部の奉仕者と交わりをしましょう、一緒に食事しましょうなんてことは、時間的にも経済的にもできなかった。もちろん、それは当然で、外部からきた奉仕者は、宣教のためにきて、交わりのためではなかったし、それを両者が認識していた。

 

今回は、日本だけでなく、海外からも奉仕者が来る。確かに今円安だから、海外から来る人にとっては、日本は行きやすい。

しかも、今回の目的の一つというより、かなり強調しているのは、交わり、交友、特に若い人のため。

 

正直、今までこんなことを強調するのを見たことはない。むしろ、奉仕に行くのに、交わりを期待しないように、奉仕に充てるべき時間を交わりにしないように、奉仕の集まりが交わりにならないように、という勧告は幾度もあった。でも、今回はなぜこんなに交わりが強調されるのか。

 

私の推測はこうだ。今、日本では、エホバの証人への批判が高まっている。また、政府からの圧力も増えそうだ。でも、しばらくすれば、メディアや、政府の締め付けがよわまるだろう。それまで、日本支部としては、何にも答えない、「強制していない、個人の問題」というキーワードだけをつかって、メディアには答えないようにしよう。しかし、最近のメディアの批判は結構つよい。その「しばらく」の間に、信者とくに若い人たちが離れてしまっては困る。若い人たちが教理の矛盾や組織の失敗などに注目しないように、なんか若い人たちが喜ぶことを考えよう。そうだ、交わりしよう!

しかも、日本人は、外国人が好きだから、とりあえず英語圏の人とか、韓国人とか、若い人たちが人気のある国から呼んだら円安だしいっぱい来るから。きっと、楽しく交わりとかすれば、批判に目を止めなくなるぜ。それに、若い姉妹たちは、結局出会い求めてるから、こういう風に交わりしようっていえば、絶対来る!若い姉妹が来れば、兄弟たちも、海外の兄弟たちも絶対来るぜ!

っていう感じなのかなと思います。海外でどのように発表されているか知りませんが、正直なところ、日本語ができない人たちが、急に一気に一部に集まってどうやって奉仕すんだろうな。公共エリア伝道とかで、きれいな外国人の姉妹とか、格好いい兄弟をたたせて、実際に証言するのは、日本人みたいになるのかな。どうせあまりできないと結局交わりで時間を使うくらいしかできないんじゃないかな。組織もそれを知っているんじゃないかな。

 

とりあえず、「しばらく」の間だけ、信者たちの気をそらしてあげれば、いいと思っているのではないかと思います。

 

どうでしょうか?

 

次回は、今後の私の予想を書きたいと思います。

 

つづく