2023年5月10日にエホバの証人とこども家庭庁が面会した。恐らくこども家庭庁は「宗教虐待Q&A」を周知させるように要請したのかと思われる。

エホバの証人側は、「周知した」と答えた。

前回も書いた通り、それには言葉のトリックがあった。

https://ameblo.jp/sasurainojw/entry-12833930104.html

 

 

「虐待は憎む」

「輸血を含め治療法は、個人的に決定する」

「子供の保護や福祉に関わる最新の法律を知っておくように」

すごくいいことを言っているようで、政府関係者は良い反応だと感じた可能性もあるが、エホバの証人の信者からすれば、特に何か変わったとは受け止めていないし、なんの具体性もないので、正直何を言っているのか、よくわからなかった。

 

私としては、非常にもどかしかった。これだけ報道で言われているのに、結局信者として、あるいは子供のいる人であれば、親として何をしたらいいのか、大会で学校休ませていいのか、子供に無輸血を勧めてもいいのか、子供叱るのにお尻を叩いてもいいのか、そして一番辛い思いをしている、一般信として外部の人から色々と聞かれた時にどう答えたらいいのか、全く答えてくれていない。

 

エホバの証人としては、恐らくみんな不安だったに違いない。未信者の家族や、野外奉仕であった人にどう答えたらいいのか、長老たちも含め誰も教えてくれない。というか、そもそも日本支部もダンマリ作戦なので、誰も知らないのかなと思う。ただ、個人として自分の親がどうかは別にして、今の40代50代の人たちの間では、鞭(懲らしめ)が小さい時、非常に過酷だったこと、そして、当時長老や、研究司会者を通して、それが推奨されていたことは、誰も否定できないだろう。実際、影では小さい声で、親しい仲間同士では、そういうことはあったよねと話していた。

 

とはいえ、会衆内でこの一連の報道に関しての話題は、一種タブーのようになっていた。まして集会のプログラムで扱われることはなかった。あたかも、何にも問題ないかのようだった。例の「周知した」というあの手紙も、一度読まれて、1ヶ月掲示はされていたが、他の手紙に混じって特に注目されていなかった。ただ、最近の報道によって、エホバの証人への誹謗中傷、間違った情報が出ている、サタンからの攻撃であるので、信仰を強く保つようにということは集会のプログラムで扱われることはあった。

 

あの手紙の中でも、「子供の保護や福祉に関わる最新の法律を知っておくように」と言っているのに、実際に「宗教虐待Q&A」については何にも触れないどころか、あたかもサタンからの攻撃であるかのようだった。

もやもやがさらにつのってきた。

 

 

これには、反エホバの証人団体もだまっていなかった。

 

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/498288?display=1

 

 

極めて不十分だと発表した。

申し訳ないが、わたしも同じように感じた。不十分というより、何もしてないのとおなじじゃないかと感じていた。

 

 

そのあと、反エホバの証人団体のいくつかが調査を開始し、アンケートなどを始めた。しかし、この調査の期間中、メディアにおいてエホバの証人を取り上げることが少なくなってきた。(実際には、それらの団体は着々と準備をしており、あとでわかることだが、政府も準備をしていたようだ。)

 

日本支部の対応をみていると、おそらくメディアがとりあげるのは一時的で、それが収まるまで待てばいい、つまりメディアに対しては何も対応しなくいいと認識しているように感じた。

一時的な反対、迫害ととらえているようだった。

 

2023年7月21日の長老への手紙で、会衆の必要として、2回シリーズの話をあつかよう筋書きが来た。7月から9月にかけて、どこかで扱うようにというものだった。タイトルは以下の通り。

 

「皆さんの忠実な働き,愛に根差した労苦,……希望を抱いて示す忍耐」―普段の生活で(8分)

 

「皆さんの忠実な働き,愛に根差した労苦,……希望を抱いて示す忍耐」―宣教で(8分)

 

中身は、基本的に、「エホバの証人に対する誤解や偏見や反対,ネガティブな報道」があるものの、引き続き大胆に宣教をおこなっていくようにというもの。

 

政府からの「宗教虐待Q&A」のことは、まったくふれていないというか、何もなかったかのようだった。わたしとしては、政府からのあの指針は重大なことだったのに、結局あれはまったく無視しているようだった。

 

その後、いろいろと反エホバの証人団体の大会に対する批判があるものの、予定通り地区大会を無事開催した。

 

日本支部は、自分たちは勝利をおさめた、迫害を切り抜けたとおもったのかもしれない。

 

実際、しばらくの間メディアでエホバの証人のことについて取り上げられることがあまりなくなっていた。

 

しかし、11月になると、それまで反エホバの証人団体が準備してきた、調査結果が公表された。それはエホバの証人にとって、おそらく大きな爆弾のようなものだったと思われる。

 

それは、今までのものとは、明らかに違いがあった。

 

つづく