こんばんは、さすらいの旅人です。
ネタバレ全開なので これから観ようとしている方、
興味のある方はこの記事をみないで下さい。
昨年公開された、竜とそばかすの姫が今日からアマプラで配信されました。
ずっとずっと待っていました!!!
先日金曜ロードショーでやる予定だったのが、
安倍首相の銃撃事件の当日で放送されず。
録画したものを見ると有働由美子アナウンサーが出てニュースの原稿を読んでいました。
モヤモヤ。
多分私と同じ気持ちの方が多かったでしょう。振替放送はされず仕舞い。
そんな中8/3~アマゾンプライムで配信されると知り楽しみに待っていました。
結論から書くと、
雰囲気よし
ストーリー・構成はややチープ
キャラクターは分かりやすい
軽く見る映画としてはいいかもしれません。
で、
伝えたいメッセージは分かるが如何せん出てくるキャラター同士の関わり合いが薄く表現されているので
物語のキーである竜の正体がぼやけてしまっている。
ちなみにこの映画を観て一番驚いたのは、
映画が終わってエンドロールで、
声優の欄に「幾田りら」(YOASOBIのボーカル)さんの名前があったこと。
前情報ほぼなしで観たので驚きました!
巻き戻して(死語か)観てみても幾田さんだと分からないぐらい声優としての演技がお上手でした!
・ストーリーの展開と解説、レビュー。
冒頭~3分 仮想空間”U”の世界の紹介
⇒映像美。キャラのビジュアル。そして歌。
かなり引き込まれました。
3分~キャラクターの紹介パート
主人公⇒四国の田舎に住むごく普通の女子高校生
母親を水難事故で亡くし、その後父親と暮らす。
だが、仮想空間UではBellという名前で歌がとても上手な有名人。
父親 ⇒ 主人公のことをつねに思い、優しく接してくれている。
煌びやかな学園の華と呼べる女の子ルカちゃん ⇒ 吹奏楽の部員募集活動をしている
ヒロちゃん(幾田りらさんが声優) ⇒ 毒舌の親友。スズの事が大好き。
カミシン ⇒ 一人でカヌー部を立ち上げインターハイに出る実力の持ち主
バスケのシーンになり、
主人公の幼馴染 シノブくん ⇒ 6歳のころから主人公の事を守ると言ってくれている存在。
主人公もシノブくんの事を幼馴染としてというよりか異性として意識している。
キャラ紹介が一通り終わった後、
主人公とその母親と過ごすシーンのカットが流れるのだが、
母親は流れの早い川の中州にいる”男の子”を助けに自ら川へ入っていくのだが、
”男の子”は無事救出されたが母親は亡くなってしまった。
表情こそないが、この男の子が物語のキーワードになるのでは?と直感でそう感じた。
その後呆然と泣きじゃくる子供時代の主人公がどうしていいか分からず母親を探す為(?)に川に入ろうとするが
同い年ぐらいの子に引き留められるシーン(誰かは分からないが、幼馴染のシノブ君だろうか)
ここまでで大体ストーリーが分かってくる。
・仮想空間のU
・現実世界の主人公、その周りの人たちと 主人公の過去。
ここまでで冒頭から10分。
2時間ちょっとの映画としては10分で結構詰め込んだ感があった。
10分~
ここからの展開のテンポが良い。
リアルの生活が辛い主人公が、親友のヒロちゃんに紹介され
”U”の世界へ。
仮想世界へ飛び込んだ主人公がいきなり歌う。
しかもかなり上手い。
曲も良い感じ。
仮想世界にいる住人たちはその歌声に聴きぼれる。
その中で、一匹の王冠をかぶった”クリオネ”が近づいてくる。
「キミはステキ。キミはキレイ」
そう言い残し、いなくなってしまう。
主人公は仮想空間で歌が歌えた幸せでリアルの生活もほんの少し楽しくなる。
主人公がリアル生活を送る中、
仮想空間Uで歌った事が拡散され、どんどんフォロワー(ファン)が増えていってどんどん有名人になっていく。
親友のヒロちゃんが色々手を回してくれたこともあったが、
本人の実力があったからこそである。
・・・。
ここまで映画開始から20分。
完全にこの世界観に引き込まれて、どんなストーリー展開になるのか。
そばかすの姫は言わずとも、主人公である。
じゃあ竜は!?
壮大なネタバレですが、
20分過ぎたあたりから、主人公はヒロちゃんの家に行き
自分が人気になりすぎて焦っていた。
その主人公を宥め、お金稼いだとしても慈善団体に寄付するから。と
主人公が望むサポートを全力でしてくれるヒロちゃん。
このシーンの中に後から出てくる”竜”がいたんですよね。
その後仮想空間Uで伸び伸びアップテンポな曲を歌う主人公。
ヒロちゃんは左うちわでキャハハ!!ガハハ!!と喜ぶが、
家族にうるさい!!と注意され、家でのパソコン禁止令を出されてしまう。
このシーンで
ん!?と思った。
私はSAO(ソードアートオンライン)というアニメが好きで、
そのアニメも仮想空間にフルダイブしてその世界でモンスターを倒したり、他のキャラクターと会話したりするのだが
あくまでヘッドギアというものを付けて寝たきりで楽しめるものだった。(実際の姿はただただ眠っている状態)
仮想空間”U”ではガハハ!と笑えば、リアルでも笑っていることになる。
それはそうだ、耳に耳栓みたいなのをしてスマホで”U”というアプリを起動するとその世界に入るシステム。
生体認証で、実際に受けた傷は仮想空間内のアバターに連動すると言った内容。
仮想空間内で移動する際はどうなるの!?
今作と同じような感じのレディプレイヤーワンという映画があるが
その中では移動する際はランニングマシンの全方向タイプみたいなのがあって
その上で走ったりしていたシーンがあったが
この映画の中ではそのあたりの説明が薄かった。
そして何よりもしそのガハハ声が周りに聞こえるという事は
主人公が仮想空間Uの世界でのびのび歌っていた時、
居間にいた父親はその歌声を聴いていたことになる。
・・・
都合よく解釈して
主人公が仮想空間Uで歌っている時は父親が不在だった。そういうことにしましょう。
シーンは変わり、
主人公が昔通っていた小学校。
今は廃校になっている小学校だが、地域住民によって利用されており
おばちゃん5人が合唱をしているシーン。
主人公すずは人前で歌えず、鉄筋の下に隠れながらショボショボ歌っている。
田舎ならではのおせっかいのシーンがあり、
「亡くなったお母さんだってあなたの幸せを願っているよ」
と押しつけがましく言ってくる。
それに対し主人公すずは
「幸せって何!?」と返します。
シーンは変わり、
学校校舎の場面。
好意を寄せている幼馴染のシノブくんに手を握られ赤面する主人公。
その場から一旦逃げる。
が、気になって物陰から見ると
シノブくんとその後、「煌びやかな学園の華と呼べる女の子ルカちゃん」が一緒に話しているのを見て
主人公はまたその場から逃げてしまう。
この辺りの描写も分かりやすくて良い。
場面は変わり、
仮想空間UでBell(主人公のUでの姿)が大規模ライブを行うそうだ。
このシーンは気合が入っていて映像美全開。
映画館で観たらもっともっと良いんだろうな~。
・・・と思っていたところにライブ会場に”竜”が現れます。
竜は誰かに追われています。
追っているものは正義を語る者たちでした。
竜は次々と正義を語る者たちを殴り倒します。
竜の背には沢山のアザがあります。
竜めちゃくちゃ強いな!!!
ただ竜が暴れている場所はベル(主人公)のライブ会場。
竜はいろんな人から叩かれることに。
正義を語る人たちのリーダーである人がこう言います。
「我々はUの正義と秩序を守る、真実の光。我々は悪しき竜を必ず”アンベイル”して見せる!」
ん?アンベイル?何その言葉。
そしてスポンサーらしき名前がリーダーの後ろにズラりと並ぶ。
私はこのシーン、ほほぉーなるほどなー。と少し感心しました。
仮想空間において、誰が正しいのか。
それを示すには自分が誰に認められているかが大事である。
現にこのリーダーが持つ右手の武具(?)は”アンベイル”(どんなアバターでもその素顔を晒す)出来るもので、
ゲームマスター以外は使えないシロモノらしい。
アンベイルビームと呼ぶべきか、そのビームを避けながらうまく逃げていく”竜”。
強者の絶対的な力で、仮想空間内で暴れまわる”竜”を抑える。
その様はまるでヒーローが悪役を倒すような。
ただここで主人公はふと、”竜”の中の人はどういう人物なのだろうか。と気になってしまう。
映画の35分すぎから
親友のヒロちゃんと電車に乗って、竜は誰なのかを調べるシーン。
ヒロちゃんの喋り方が「幾田りら」さんと確信できるシーンですね。
早口で喋るシーンだとYOASOBIの歌っぽくなります。
そのヒロちゃんですが、
このシーンの後に家ではUの世界に入り込めないので(親に禁止された為)
自前のパソコンを廃校に持ち込みます。
決して盗電ではなく、
コミュニティセンター使用許可申請書で
自習室で、自習のための使用。
という名目で持ち込みます。
ここで竜に関して色々なヒントを得ます。
ここからのシーンは現代におけるネット警察へのアンチテーゼそのもの。
なるほどなー。
竜というアバターには、背中に傷が入っている
また、暴力性があり猟奇的である。
それらの情報だけで、現代にいるそれっぽい人が
本人なんじゃないかと勝手に誰かが決めつけて責め立てる。
このシーンまで2時間あるうちの40分。
濃いなぁ。
ストーリーがどうなっていくのかどんどん楽しみに。”ちむどんどん”してきました
これもネタバレですが
40分過ぎたあたりで、
リアルの”竜”がもう一度出てきました。
「リュウは僕のヒーローなんです」
その後
「私たち三人家族なんです。母親が居なくても元気いっぱい。お互い支えあって毎日楽しく過ごしている」
とシングルファーザーがいうシーン。
ここで私は気づきました。
竜ってこの子たちか。
左がクリオネか。右が竜。
そっか、右の子があの中州で取り残されていた男の子か。ってね。
その後ヒロちゃんと一緒にそうめんのお店に行くんですけど
このシーンも好き。
この後仮想空間Uの場面になるんですが、
主人公は仮想空間U内に”竜”を探しに行きます。
”AI"と自称する方に案内され、場面が転々とします。
この辺正直良く分からなかったですね。
最終的に”クリオネ”が出てきて
「バカだね、だまされて。 それよりボクと遊ぼうよ。この道を付いて来て」
その先には目指していた、”竜がいる城”がありました。
もはや既視感しかない。
コレ美女と野獣だろ
あ、仮想空間Uでの名前、ベルってそういう!?
急にディズニー始まった!?
なんだかもう付いていけなくなってきたかも・・・。
お花が一杯咲いているシーンを見ても、
バラ・・・か。
「何故勝手に入った」
といきなり竜が来たシーンも。
もう美女と野獣のオマージュにしか思えない。
後1時間15分あるの!?まだ45分なの!?
折角いい雰囲気で世界観に入ったのに興ざめ。
主人公(仮想空間内ではベル)は竜に対し
「あなたは誰?ねぇ、誰なの」
と連呼。
急にストーリー変わったな。
ここから恋愛パートの連続。
いや色々伏線は散りばめられているし、悪くないけど
1時間すぎたあたりのダンスのシーンはまんま美女と野獣。
後半はもうね、
やりたい事とか
伝えたい事とか分かるんですけど、
・竜はなぜ城を持っていたのか
・なぜ竜の城を誰も探し出せなかったのか
・そもそも仮想空間Uは50億人の利用者がいるのに
・竜を手助けするクリオネ以外の存在。一体あれは!?
・竜の父親は、ジャスティン(正義のリーダー)だったの?
・合唱の人たちが集まって、同級生が集まって見守るシーンの謎。チープさ。
・・・。
主人公が竜に惹かれたのは、
母親がおらず父親(シングルファーザー)だったから!?
・・・。
この後主人公がありの~ままの~姿見せるんですけど。
ダメだよ、この映画は。
綺麗に見せているけど、全然スッキリしない。
伏線散りばめている気になっているかもしれないけど、
それは伏線じゃない。
美女と野獣のオマージュかもしれないけど、
オマージュにすらなれていない。
最後のシーンでね、
皆が歌うシーンがあるんだけど。
50億あるアバターが全員一心同体になって歌うという感動のシーンだけどね。
これが感動どころかチッポケに見えてしまった。
畳みかけるようにラストシーンへと移るんですが、
クジラみたいなのに乗って素顔を晒した主人公が、ベルの姿になって歌うんですよ。
そこはベルの姿なのか。
何かメッセージ性はあるのかもしれないですけどね。
問題はこの後です。
”竜”の父親が、拡散されていた”竜”を虐待している動画を見てしまい
どうなっている!?と”竜”と弟(?)に詰め寄るシーン。
映像が見られなくなり、主人公は”竜”に会いに行くことにします。
とはいえ、何のヒントもなかったのですが友人たちの力添えがあり場所の特定が出来ました。
映画なんてご都合主義だし、無理筋の展開ではありますが納得することにします。
が、”竜”がいるのは本州の関東地区。
主人公が居る四国から相当距離があります。
旅をするように地元を出る主人公。
本当は胸が熱くなるシーンかもしれないけれど、
冷めて見てしまっている自分が居ました。
”竜”を助けたい気持ちは分かるが
キミ(主人公)が好きな人は、地元にいる「シノブ」くんだよね。
自分と同じ境遇だからと、
助けにわざわざ関東まで行くか!?
主人公の父親は、最後まで味方だった。
・・・で。
この映画の最大かつ最悪のシーンがラストにありました。
”クリオネ”くんと”竜”が何故か外にいるんですよ。
そこに「おーいどこだー」と父親が出てくるんですよ。
はぁ!?
興ざめも良い所です。
クリオネくんと竜を守る主人公を殴ろうとする父親。
主人公のその目を見て殴れませんでした。
ここで多分あのジャスティン(正義のリーダー)はこの父親だったのだろうかという。
ただこれは私の憶測です。
でもさー
簡単に外に出て、
主人公とあえちゃうのって
この2時間なんだったのー。って正直なりました。
仮想空間Uの世界はあくまで仮想空間。
リアルはリアルですけど。
こうも簡単にリアルで出会えてしまうのって。
前半が期待以上だっただけに、
後半の恋愛パートの連続からの、
このオチは正直ガックシでした。
軽く見る映画としては
いい映画かもしれません。
かなり長くなってしまいましたね。
以上です!