英語遊歩道(その90)-Basteと「Avoid+it+動名詞(~ing)」-カジュアルな表現 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

久ぁ~しぶりに英語関連の記事を書く。

 

先日、英会話のレッスンでbasteという動詞が出てきた。未知の単語だったので教師に聞くとput meat juice back on the meatと説明された。「肉汁を元の肉にかけ戻すこと」を言うらしい。料理関係の単語に強い方なら当然ご存知の単語だろう。

 

1) Baste the chicken regularly so that it will not dry out.

「鶏肉が乾かないように、こまめに肉汁をかけなさい。」

 

ただし、テキストでは上記の文が、動詞avoidを使って以下のように書かれていた。

 

2) Baste the chicken regularly in order to avoid it drying out.

「鶏肉が乾くのを防ぐために、こまめに肉汁をかけなさい。」

 

「avoid it drying out」の部分に違和感があり、自宅に戻ってからAIに尋ねてみた。回答は以下の通りである。

 

「avoid+it+動名詞(~ing)」のような形は、文法書などでは「カジュアルで口語的な言い回し」とされることもあります。少しフォーマルにしたい場合は「avoid the chicken drying out」「avoid its drying out」などが使われます。

 

では「avoid it drying out」の文構造は?⇒これは次のように分解されます。

avoid(動詞)

it drying out(動名詞句)「it(= the chicken)」「dry out(乾く)」という内容の名詞的な句(=動名詞句)になっています。つまり、avoid+[it drying out](=「それが乾くこと」を避ける)

 

英会話のテキストでは、文法書や辞書にない構文にお目にかかることが多い。まあ、最初に言語ありきで、その後に文法書や辞書が作られるわけだから、それも仕方ないことかも知れない。

 

ただ、日本人が英会話で構文を作成する場合は、1)の形か以下の3)の形をとるのが普通ではないだろうか。

 

3) Baste the chicken regularly (in order) to prevent it from drying out.