昨日、母の七回忌の法要を終えた。父方の菩提寺は熊本県の玉名郡菊水町(現・玉名郡和水町)というところにある。近くに江田船山古墳がある。
母は花が好きな人だったが、旅立ったのは紫陽花が盛りの時期だった。あれから丸6年、この間、随分と生活環境が変わったからか、結構長い期間に感じられる。
本ブログのタイトルを「流離の翻訳者 青春のノスタルジア」に変更した。私の記事のほとんどが、自分が若い頃の回顧録だからである。
「過去を懐かしむことなど意味がない!」と思う方も多いだろうが、私は過去を振り返ることが好きだ。果たして「過去を懐かしむこと(ノスタルジア)に意味(効用)はあるのだろうか?」少しネットを調べてみた。
以下は「美しい過去の記憶:ノスタルジアの適応的機能」(美しい過去の記憶:ノスタルジアの適応的機能 | ビジネスリサーチラボ)に掲載されていた記事を要約したものである。
ノスタルジアとは、個人にとって意味深い過去の経験を懐かしむ感情である。青春や故郷、大切な人との記憶などが呼び起こされることで、甘美な憧れとともに失われたものへの喪失感が生じる。この複雑な感情は、かつては病気や精神疾患とされ、否定的に捉えられていたが、20世紀後半以降、その見方は大きく変わった。
近年の心理学研究では、ノスタルジアが私たちのウェルビーイング(幸福や健康)に良い影響を与えることが示されている。まず、ノスタルジアは自己の連続性を強め、自分の人生に意味や一貫性をもたらす。家族や友人との思い出は、愛され支えられているという感覚を呼び起こし、孤独感を和らげる。また、ノスタルジアは人生の目的を再認識させ、重要な目標の追求を後押しする動機づけにもつながる。
さらに、ノスタルジアには前向きな行動を促す力がある。自尊心や社会的つながりを高め、新しい挑戦への意欲や創造性を高める効果も報告されている。他者への共感を促し、利他的な行動や異なる集団への理解も深まる。
加えて、ノスタルジアは自己概念を強化し、ストレスや否定的なフィードバックから自己を守る心理的資源となる。職場においても、レジャーの思い出が仕事のモチベーションやエンゲージメント、成果、幸福感を高めることが実証されている。
その他にも、ノスタルジアは活力や若さの感覚を呼び起こし、リスクテイキングや自己成長を促進し、身体的健康にも良い影響を与えることが知られている。かつて否定的に捉えられていたノスタルジアは、今や前向きな変化を支える重要な心理的資源として再評価されている。
過去の思い出を大切にすることは、現在を豊かにし、未来への力ともなる。ノスタルジアの肯定的な力を活用することが、心の健康と人生の質を高める鍵となるだろう。
以上、ノスタルジアの効用について記載してみた。