英語の迷い道(その200)-小石原焼「民陶むら祭」 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

気が付けば「英語の迷い道」の投稿も、はや200記事を数えることになった。結構続いたものだ。次回あたり新しいタイトルを考えることにしよう。

 

 

9月で思い出すのは2010年の猛暑である。当時、ある大学(九州工業大学)の近くで一人暮らしを始めて一月くらい経った頃だった。近くの学生街は、薄暗くなっても学生たちの姿が見られた。

 

今は閉店になったが、定食を出す喫茶店(名前が思い出せない)がありよく通った。「エッグカレー」というメニューがあり、小さな目玉焼きが三つカレーの上に乗っていた。結構お気に入りのメニューだった。

 

会社(と言っても当時はフル・パートという立場だが)が休みの土日は、晴雨にかかわらず県内、隣県へと車を走らせた。翻訳のストレスの解消もあったが、寂しさを紛らわすための一人ドライブだった。

 

見知らぬ街の見知らぬ店に入って食事をとった。笑顔の家族連れなどを見ていると、何となくいたたまれない気持ちになった。心の奥から寂しかったようだ。

 

 

その年の彼岸、小石原焼の「民陶むら祭」に出かけた。まだ残暑が厳しかったが結構な人出だった。小石原焼の窯元を訪ねたのはそのときが2度目だった。色々な窯元を巡り焼き物を眺めていると、寂しい気持ちは何処かに消えていった。

 

気に入ったものをいくつか買い求めて帰途に着いた時、秋風の中で残暑が少し鎮まったような気がした。

 

あれから14年、そのときに買った臙脂の器は今も我が家の台所で調味料(塩)入れとなって重宝している。