気が付けば「英語の迷い道」の投稿も、はや200記事を数えることになった。結構続いたものだ。次回あたり新しいタイトルを考えることにしよう。
9月で思い出すのは2010年の猛暑である。当時、ある大学(九州工業大学)の近くで一人暮らしを始めて一月くらい経った頃だった。近くの学生街は、薄暗くなっても学生たちの姿が見られた。
今は閉店になったが、定食を出す喫茶店(名前が思い出せない)がありよく通った。「エッグカレー」というメニューがあり、小さな目玉焼きが三つカレーの上に乗っていた。結構お気に入りのメニューだった。
会社(と言っても当時はフル・パートという立場だが)が休みの土日は、晴雨にかかわらず県内、隣県へと車を走らせた。翻訳のストレスの解消もあったが、寂しさを紛らわすための一人ドライブだった。
見知らぬ街の見知らぬ店に入って食事をとった。笑顔の家族連れなどを見ていると、何となくいたたまれない気持ちになった。心の奥から寂しかったようだ。
その年の彼岸、小石原焼の「民陶むら祭」に出かけた。まだ残暑が厳しかったが結構な人出だった。小石原焼の窯元を訪ねたのはそのときが2度目だった。色々な窯元を巡り焼き物を眺めていると、寂しい気持ちは何処かに消えていった。
気に入ったものをいくつか買い求めて帰途に着いた時、秋風の中で残暑が少し鎮まったような気がした。
あれから14年、そのときに買った臙脂の器は今も我が家の台所で調味料(塩)入れとなって重宝している。