しばらく更新をお休みしてしまい申し訳ございません。

先週飛び込んできた大ニュースなのですが、取り上げようと思いながらも週を跨いでしまいました。

 

 

 

この記事を作成する際に、500系と「ドクターイエロー」の写真を撮影したのが昔あって、過去にアップしたはずなんだが、探すのが大変なので現時点では貼れません。ごめんなさい。

 

こちらはJR東海の大本営発表。

 

ドクターイエロー(T4編成)の引退について(PDFファイル注意)

 

これによると

 

以下引用開始

JR東海所属の新幹線電気軌道総合試験車923形0番代(通称「ドクターイエロー」・以下、「ドクターイエロー(T4編成)」)は、安全・安定輸送と快適な乗り心地を維持するため、2001年から東海道・山陽新幹線の検測走行を続けてきました。
このたび、ドクターイエロー(T4編成)は老朽化のため、2025年1月をもって検測走行を終了し、引退することとなりました。
これまで支えていただいた皆様への感謝の気持ちを込めて、皆様にお楽しみいただけるイベントの開催や企画商品の販売などを多数用意しております。ぜひご期待ください。
西日本旅客鉄道株式会社所有のドクターイエロー(T5編成)を用いた検測走行は当面継続します

引用ここまで(赤字は管理人)

 

ということです。来年1月までということですか…。

ちなみに、上記引用元では、JR西日本のT5編成は「当面継続」としていますが、NHKニュースのリンクでは「2027年で引退」となっています。

 

「ドクターイエロー」といえば、特に鉄道に興味のある人以外にも、広く一般に知られている「新幹線のお医者さん」。国鉄時代は東北・上越新幹線にも存在しました(こちらは黄色地に青ではなく緑の帯を巻いていた)が、こちらは「East-i(イーストアイ)」に置き換えられたとき、黄色ベースの塗装は引き継がれなかったため、こちらは「ドクターイエロー」ではなくなっています。「ドクターイエロー」は東海道・山陽新幹線の専売特許となりました。

車両も、先代は0系ベースだったのですが、平成13(2001)年に700系ベースの車両に置き換えられました。現在の車両は、東海道区間を270km/h、山陽区間を285km/hと、営業列車とほぼ同じ速度で検測が可能となっています。

しかし、「ドクターイエロー」も、現行の車両が登場してから23年。勿論車両そのものの老朽化もありますが、退役が決定した背景には、以下のような事情もあると思われます。

 

① 検測装置の小型化・軽量化。これによって営業用の編成に検測装置を搭載することが可能となり、営業列車でそのまま検測することができるようになった。

② データ伝送技術の進歩。①で計測したデータが瞬時に、かつ大量に送ることが可能になり、それを地上で職員がチェックすることで検測が効率化できる。

③ 人員配置の合理化・適正化。①②の技術を使えば、職員を専用列車に同乗させずとも、地上に集めておけばデータのチェックや検証が可能。そしてもし異常値があれば、そのときは場所を特定してそこに人員を送れば済む。

④ ①②③により、検測を専用列車で行う必要性が薄れた。

 

既に九州新幹線では、800系のある編成に軌道の検測装置を搭載し、試験車両を用意せずともそれで検測が可能となっています。在来線でも、JR東日本が地方線区などに導入を進めているE131系には、一部に検測機能を持たせた車両を投入し、専用車両なしでも検測が可能となっています。

そうなってしまえば、専用車両をわざわざ用意する必要はありません。

 

いつどこをどのように走るのか、一般人には全く分からない神出鬼没な「ドクターイエロー」。

そのためか、鉄道ファン以外の間では「見ると幸せになれる」という言い伝えが広まり、映画のタイトルをもじってか「幸福の黄色い新幹線」とも呼ばれるようになりました。

もしかすると、「ドクターイエロー」が持て囃されるのは、車種も編成構成も全て統一された東海道新幹線の、ともすれば無機質にも捉えられる車両のラインナップの中で、段違いの存在感を放っているからかもしれません。

 

しかし、技術革新、「働き方改革」の結果として消えていくのであれば、それは仕方のないこと。

退役まで元気で走ってほしいものです。そして願わくば、愛好家の情けない話が出てこないように祈りたいものです。