全ての目黒線運用編成を8R化した東急。

8Rの6500形を13編成投入した東京都交通局。

そして最初から全編成が8Rの相鉄。

 

これら3社局に対し、8R化に消極的に見えたのが東京メトロと埼玉高速(SR)。

SRは新車導入の方針を示したことはあるものの、現車は未だ世に出ていません。これに対し、東京メトロは9000系の増結車9409-9509がかなり早く落成したにもかかわらず、なかなか8R化されたという話が伝わってきませんでした。

最近やっとこさ第09編成への組み込みが成り、めでたく8R化された編成が出現したわけですが、東京メトロ9000系は北はSR浦和美園、南は東急新横浜までと運用範囲が広く、なかなか捕捉できませんでした。

しかし。

先日管理人も捕獲に成功。しかしあまりにも突然の邂逅だったため、先頭車の写真を撮ることができませんでした。そのため、以下の写真は中間車のみとなっています。

 

まず増結車9509(手前右側)と、連結相手の9609の違いが分かる写真。

 

手前が増結車

 

増結車は10000系列仕様で作っているので、やはりオリジナルの9000系とは形態差が顕著になっています。東急もそうですが、面倒臭い編成替えをせず、なおかつ増結車をコストを抑えて作ろうとなれば、このようになるのでしょう。

 

増結車の内装は、ラインカラーのエメラルドグリーンを生かした色合いでまとめられています。

 

明朗だが落ち着いた雰囲気

 

座席は10000系列と同様の片持ち式。座席モケットに格子状の模様が入っています。

 

何となく「和」のテイストも感じさせる

 

優先席はエメラルドグリーンではなくオレンジを基調とした色使いですが、格子状の模様が入るのは一般席と共通です。

 

オレンジ色が優先席をアピール

 

そして最近の電車ではマストアイテム(必須の装備)となったLCDディスプレイ。扉上に2台装備されています。

 

案内用と広告用

 

東京メトロでは、銀座線1000系や日比谷線13000系などで右側の案内用ディスプレイを2連にし、より多くの案内表示を可能にしていますが、9000系はそういうことをしなかったようです。

ちなみに、9000系の車内案内表示装置のオリジナルは、最後の2編成(第22・23編成)を除いてLEDスクロール式。ただしこれらは、リニューアルを受けた編成はLCDディスプレイ2基に交換されています。

 

それでは、従来車9609の車内はどうなったのか見てみると…。

以下のとおり、座席のモケットの色は変わっていませんが、袖仕切には顕著な変化があります。以下一般席と優先席の写真、2点をノーキャプションでどうぞ。

なお、増結車を組み入れた9109編成は、6両全て車内案内表示装置をLCDディスプレイに換装しています。

 

 

 

袖仕切が縦に伸びているのがお分かりいただけるでしょうか?

これは、オリジナルの袖仕切の形状のまま、交換することなく事実上の大型化を図ったもの。つまりオリジナルの袖仕切の上部にアクリル板をはめ込んだものです。この形態どこかで…と思ったら、あれだ。以前武蔵野線にいた205系だ。

これなら都営6300形の後期型でやったように、袖仕切を大型のものにまるっと交換すればよかったのでは? どことなく「やっつけ仕事」のような印象もなくはなく。

 

さて次に、それでは9000系の8R化が全編成に及ぶかといえばそうではなく、6Rのままリニューアルを受けた第01~08編成と、最終増備編成の第22・23編成は対象外とのこと。これはことによると、2030年代半ばの開業を目指すとされる南北線品川延伸まで使い倒して、品川開業時に退役させるのではないかと思われます。そしてその後釜には、編成単位の新車(19000系?)が登場するのでしょう。

品川開業後の運転系統も気になるところですが、東京メトロとSRの8R化も注目していきたいところです。