この話題は大本営発表があってから既に1か月以上が経過していますが(当記事のアップ時点)、当ブログとしては取り上げないわけにはいきませんので、かなり薹が立った話題ではありますが、あえて取り上げます。

 

かねてから噂になっていた、西武による「他社の『サステナ車両』の譲受」ですが、このたびその具体的な車種が発表されました。

 

 

↑の具体的な内容はこちら(PDFファイル注意)。なお、この文書は西武鉄道・東急電鉄・小田急電鉄の3社連名となっています。

 

その具体的な車種、鉄道趣味界では様々に噂されてきましたが、小田急の8000形と東急の9000系なのだそうな。

 

 

 

この両系列が西武線を走ることになるわけですが、

 

小田急8000形=国分寺線

東急9000系=多摩川線・多摩湖線・西武秩父線・狭山線

 

と割り振られ、第一陣は小田急8000形が国分寺線に投入されるとのこと。

 

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国分寺線ではこの車両が置き換えられる

 

これら車両によって、支線区に残る非VVVF車(=直流電動機装備車)が置き換えられます。

 

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西武秩父線にほぼ閉じ込められた4000系も東急9000系によって置き換えられる

 

現在、大手私鉄各社のVVVF化率は京王・東京メトロ・相鉄の3社が100パーセントで(営業車のみ。京王は事業用車も含めた100パーセント)、東急も先ごろ8500系の完全退役により100パーセントを達成しました。これに対し、西武は今のところ約70パーセントで、それをこれら中古車両の導入により高めようということ。直流電動機を装備した車両を放逐し、メンテナンスフリーと省エネ化を推進しようということです。

それは分かりますが、大手私鉄から大手私鉄への車両の移籍は非常に例が少なく、東急の3700系が名鉄に移籍した事例くらいなもの。そのため、一般メディアもこのように注目しています↓

 

 

鉄道趣味的に言えば、西武が車両を譲り受ける相手が東急と小田急という点が、何ともいえないところです。

というのも、西武と東急といえば、往年の堤康次郎vs五島慶太のバトルで犬猿の仲とされ、西武と小田急といえば箱根の観光開発をめぐる「箱根山戦争」というバトルを繰り広げた仲。最近でこそ西武と東急は東京メトロ副都心線を介した相互直通運転を行うようになったり、西武と小田急の間も西武線沿線発の箱根への周遊乗車券を発売したりするなど、「雪解け」ムードも顕著となっていますが、まさか車両のやり取りまでするようになるとは。管理人は流石にこれらのバトルをリアルタイムで見聞きしていたわけではありませんが、それでも「時代は『対立』から『協調』へ」ということかと、感慨にふけらざるを得ません。

 

さて、そうなると、次なる関心は、西武移籍後にこれらの車両の内外装はどうなるのかということ。

恐らく確定しているのは、小田急8000形は6Rのまま、東急9000系は現行の5Rを4Rに短縮すること(これにより予備部品を確保できる)。外装は流石に西武仕様にするのでしょうが、どうなるのか。40000系などのようなグラデーションカラーにするのか、6000系や20000系のようなブルー帯を入れるか、はたまた4000系のような「ライオンズカラー」にするか。個人的には、ライオンズカラーの小田急8000形を見てみたい気もしますが。東急9000系がどうなるのかにも興味があります。

 

【おことわり】

当記事は後で並び替えるため、アップの時点ではブログナンバーを振りません。

また、当記事で使用している写真は、全て以前の記事からの転載です。

 

【追記】(令和5年11月16日 23:45)

当記事を10/28付の投稿とし、併せてブログナンバー6116を振ります。