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(写真と本文とは関係ありません。またこの写真は以前の記事からの転載です)

 

以前の記事でご紹介した、近鉄の運賃値上げのニュース。

 

 

このたびその運賃値上げの目的となる「新型車両」について、近鉄大本営からその概要が発表されました。

 

 

2024年秋 新型一般車両を導入します(PDFファイル注意)

 
以下引用開始
近鉄では、昭和40年代に製造した車両約450両について、お客さまのご利用状況を見極めたうえで、必要分を置き換える計画をしており、2024年秋に新型一般車両(4両×10編成)を導入することを決定しましたのでお知らせします。
新型一般車両は、ご利用いただくあらゆる方々に使いやすく、お客さまと地球環境に優しい車両を目指し、車内防犯対策や省エネルギー化、バリアフリー対応を進め、車内の快適性の向上を図ります。なお、新型の一般車両の導入は、2000年のシリーズ21車両以来24年ぶりとなります。
近鉄では、引き続き、安全・安心・快適な鉄道輸送サービスの提供に努めてまいります
(後略)

以上引用終了

 

詳細は上記リンクをクリックしてご確認願いたいのですが、何といっても注目されるのはスペックと投入線区。

前者に関しては、当ブログでは内装に関し2点取り上げたいと思います。

驚いたのが、クロス・ロング可変座席仕様の「L/Cカー」となること。これは閑散時の快適性の向上が狙いであろうことは容易に想像できますが、可変仕様車は座席定員が純粋なロングシート車よりも少なくなること、ロング仕様にした際に座席の座面がセリ出ているため純粋なロングシート車よりも床面が狭くなることなどのデメリットがあります。あるいは、このようなデメリットにもかかわらず可変座席を導入したことは、かつて名鉄がマイカーとの競争力保持のために転換クロスシート車を原則としていた故事とも共通するものがあるように思います。

そしてもう一つ驚いたのが、日本の鉄道では初めてとなる、ベビーカー・大型荷物対応の座席。これは2面に背もたれを設けた1人掛けの座席で、扉の脇に1両あたり2か所設けるとのこと。同様の発想は、西武40000系列のフリースペースにも見ることができますが、座席が設けられている点が異なります。このあたりは流石関西私鉄といったところ。

 

さらに投入線区ですが、当面は奈良線、京都線、橿原線、天理線とし、以降他線区へも展開予定としています。

これについて、ネット上では「何故名古屋線にはないんだ」「名古屋中古車センターか」などという嘆き(?)の声があるようですが、こればかりは企業判断ですから止むを得ません。

また投入線区との関係で、京都市営地下鉄烏丸線、あるいは阪神への乗入れも考えられているのかということは、趣味的な関心を集めるところですが、近鉄の中の人は、今のところそこまでは考えていない模様。純粋な線内運用に充てる車両の投入ということのようです。

そして投入線区が奈良県と関係ある路線ということで、投入線区の決定にはこのような政治的な動きとも無関係ではなかったのでしょうか。

 

 

このニュースの元となった奈良県知事の定例記者会見が5月12日、近鉄の新型車両の概要に関するプレスリリースがその5日後の5月17日ということで、ひょっとして今回の投入線区の決定が奈良県に対するなにがしかの政治的な忖度があるのではないかとも思えますが、そのようなことはないでしょう。既に新型車両のスペックや投入線区は数か月前に決定していたはずだからです。投入線区を決めておかないと、その後の車両の転配計画にも影響しますし。

 

最後にこの新型車両のカラーリング。

今はなき近鉄バファローズのホームのユニフォームを思い出してしまうのは、管理人だけでしょうか?

近鉄バファローズ消滅後20年で、ユニフォームのデザインが甦ることになろうとは。

 

とにかく、再来年とされる現車の登場が楽しみです。

 

【おことわり】

当記事は05/21付の投稿とします。