上野桜木にあるセブンイレブン。見たところ、店前方の駐車場が都心部のコンビニとしては珍しいくらいで、別段何でもないコンビニに見えます。

しかし。

かつてこの場所には、京成の「寛永寺坂駅」がありました。お隣の「博物館動物園駅」と同様、トンネルの中にある駅でしたが、こちらは博物館動物園ほど有名ではありません。

駅自体は昭和22(1947)年から休止、その6年後には正式に廃止となりましたが、その後も駅への入口などが近年まで残っていました。

ところが、平成28(2016)年に入り、その跡地にセブンイレブンが建ち、営業を開始しました。つまり、冒頭の写真のセブンイレブンは、かつての「寛永寺坂駅」の跡地に所在することになります。

 

裏に回ってみました。

 

何もない

 

特によそのコンビニと変わったところはありませんねえ。

 

ところで、このセブンイレブンの近くにはこんな立て看板が。

 

上野桜木バス停を移設したという案内

 

それはいいんですが、移設したのは平成28年。やはりこの移設も、セブンイレブンの店舗開業と同時期になされたようです。その証拠が「平成28年」という年数。しかし今は令和3年、平成が続いていたら今年は「平成33年」だったはずで、既に5年の歳月が流れています。にもかかわらず、この立て看板が残されているのは何故なんでしょうか。

 

この場所からほど近い、京成のトンネルの出口を見てみました。

 

ちょうど3000形が出てきた

 

「寛永寺坂駅」は、このトンネルの出口近くにあったことになります。もし今現存していたら、京王井の頭線の神泉駅のように、ここまでホームが延ばされたでしょうか。ただ、このあたりは鶯谷・日暮里の両駅、さらには地下鉄の根津駅も徒歩圏内なので、ここに駅があったとしても利用者数は少なかっただろうと思います。

 

「寛永寺坂駅」のwikiによれば、セブンイレブンの裏手にかつての国旗掲揚台が残っているとのことですが、2枚目の写真の、柵に囲われたコンクリの土台のような部分が、その国旗掲揚台なんだそうです。また、柵の向こうの小屋のような建物の中に、駅ホームに降りる階段が残されているとか。「寛永寺坂駅」の痕跡は、どっこい残っていたようです。

(以上の情報は、eurobeatbnr32様にご教示いただきました。ありがとうございました)

 

【おことわり】

当記事は05/22付の投稿とします。