前回の記事では外観を取り上げましたので、今回は内装を取り上げます。
扉上部には、最近の新型車両として標準装備になったといえるLCDディスプレイがあります。ただし最近の東京メトロのような3画面ではなく、オーソドックスな独立型の2画面となっています。
向かって右側が案内用、同じく左側が広告用
2020系の特徴は、E235系と同じ「デジタルサイネージ」の採用。したがって、2020系の車内には、扉間の鴨居部にもLCDディスプレイが設置されていますが、こちら6020系には設置されていません。
普通の紙の広告しかない
今年の冬から、大井町線急行には指定席車が導入されることが決定されていますが、そのときには先頭車がL/C仕様の車と差し替えられることになっています。ということは、外された先頭車は2020系編成に転用されて、1両だけ扉間のデジタルサイネージがない車両となるんでしょうか。あるいは改造によって設置されるのか。そこも楽しみです。
車内全景。
床は木目調ですが、座席の下部はマホガニーを思わせる濃褐色、車両中央部が木目模様となっています。つまり中央部に木目のラインが入っている形態になっていますが、これは座席に着席したお客に足を投げ出させないように暗にサインを送っているデザインなのでしょう。
そして座席は5000系の6扉車放逐用サハや5177Fなどと同じ、ハイバックのロングシートとなっており、色調はエメラルドグリーンの濃淡となっています。
全体として、高級感と清潔感が漂う、落ち着きのあるデザインといえます。
なかなか好ましい配色
座席はこんな感じ↓
座面も背もたれも独立している
この座席、クッションも丁度よく、しかも腰部を支えるホールド感もなかなかで、かなり座り心地の良いものとなっています。
こちらは優先席。
しかし、優先席は区画として黄色い帯を貼っているものの、座席の色自体は他の席と変わりません。吊革の色や黄色の帯で判るので、座席の色までは変えなくてもいいということなのでしょうか。
優先席も座席の色は一般席と同じ
この座席の反対側は、車椅子・ベビーカーのためのフリースペースとなっていますが、こちらには簡易的なクッションが備え付けられています。
それまでの車両にはなかった
このクッションの色、座席の座面の色と同じです。
そして貫通扉の色が、床の濃い茶色よりは薄いものの、こちらも濃いめの茶色となっています。6020系の内装は、この茶色が効いているように思えます。これがかなり高級感の醸成に寄与しているような。
それではフリースペースを示す床の表示は…と思って床を見てみましたら。
ない
E235系にあったような、ド派手な表示はありません。
6721の車端部にあった銘板。
「Sustina」の他「ナノイー」が目を引く
2020系・6020系の空調装置にはナノイーが組み込まれており、これによる空気清浄効果があるということです。
さらに、昨今の世相を反映するこんなものも。
柱に隠れているが
真ん中の仕切り窓の上に黒い箱のようなものが見えると思いますが、これは「防犯カメラ」です。これは言うまでもなく、痴漢・傷害など車内での犯罪防止及び実際に起こってしまった場合の証拠保全、ひいてはテロの抑止のために設置されたもの。現代の治安維持には必須アイテムといえます。
総括。
管理人は溝の口から自由が丘まで乗っただけですが、それでも6020系の快適性には目を見張りました。座席の座り心地もそうですが、一番驚いたのは走行音が静かなこと。初期のVVVF車、特に9000系などはやかましいパルス変調音を奏でていたものですが、それが5000系列で格段に静かになり、さらに6020系ではまた進化したといった感じです。
こんな車両が出てしまったら、一般の利用者から見たら、8500系などは完全に旧型としか思えなくなってしまうでしょう。管理人も6020系ではなく、2020系に乗って中央林間から南栗橋か久喜まで行ってみたいものだと思いました。しかし今のところ、2020系は東武乗入運用には入りませんし(乗務員の研修がまだ済んでいないらしい)、編成数が少ないので、たとえ東武乗入れが解禁されたとしても狙って乗るのは至難の業だと思いますが。これに対して、6020系は運用範囲が決まっていますので、2020系に比べれば狙うのは格段に容易です。
しばらくは6020系で我慢することになろうかと思われます(^_^;)