今回の「上野東京ライン」開業で大きく変わるのが、常磐線特急。

まず、名称が変わります。

「スーパーひたち」(速達型)→ひたち
「フレッシュひたち」(途中駅停車型)→ときわ


昭和60(1985)年のダイヤ改正で、「ひたち」に格上げされて消えた急行「ときわ」の名ですが、常磐線でちょうど30年の雌伏の時を経て復活することになります。
もともと、「スーパーひたち」は、平成元(1989)年に651系が運転を開始したと同時、「フレッシュひたち」はE653系登場の平成9(1997)年と同時の登場ですから、いずれも使用車両との関連性が密接にあった列車名です。それが今や、651系も一部を残して常磐路を去り、E653系も新潟へ転属したとなっては、もはやこれらの列車名を維持すべき理由がなくなったのでしょう。もっとも、「スーパー」はともかく、運転開始後15年以上経って「フレッシュ」はねえだろ、という鉄道趣味界の声もあったようですが(笑)

そして、「ひたち」運転開始から46年にして、遂に始発駅が上野から東京…を飛び越して、品川駅に変更されることになります。東京駅にも停車するそうですが、これで東海道新幹線や東海道・横須賀線などとの乗り換えの利便性が劇的に改善されることになります。特に、常磐線特急の東京駅延伸は、常磐線沿線の茨城県の自治体が国鉄時代から働きかけていたそうなので、ようやく地元の願いがかなうことになります。

しかし、管理人が実際に驚いたのは、「ときわ」復活などよりも、こちらの方です。

上野東京ライン開業に伴い、常磐線特急はより快適に、より使いやすい特急に生まれ変わります。~新たな着席サービスを導入します~ 
JR東日本公式。PDFファイルです)

これは、今年のダイヤ改正から導入された「スワローサービス」をさらに深度化させたもので、
自由席を廃止し、特急料金を一本化するというのは「スワローサービス」と同様ですが、異なるのは座席について、指定席の客が来る席か来ない席かを表示器で表示し、座席を指定しない特急券を持っている乗客にはそこに座ってもらうということにしたところです。これによって、「スワローあかぎ」で問題視された、席の指定を受けている乗客とそうでない乗客との間のトラブルは回避できそうです。
この方式、欧米では一般的だそうですが、日本で定着するでしょうかね? またそれとは別に、それまで50km以下510円で利用できてきた自由席(上野からだと柏~佐貫の各停車駅)が、「未座席指定」でも指定を受けた場合と同額の750円を支払わなければならないため、実質的な値上げでもあります。
日本では未だ馴染みがないシステムが定着するのか、そして実質的な値上げがどのように評価されるのか。これが成功すれば、日本の列車の座席指定システムが根底から変わる可能性もあり、その意味でも成否が注目されます。Twitterなどでは、「これで日本も欧米並みになった」と礼賛する声がある一方、上で管理人が述べたような懐疑的な声もあり、賛否は否の方がやや多いように思われます。
なお、以上は普通車に関するもので、グリーン車についてはこれまでどおりの座席指定の方式となります。

列車名は国鉄時代に回帰しつつ、列車体系は新しくなる常磐線特急。今後に注目です。願わくば、一日も早く原ノ町へ、仙台へ「ひたち」が再び達さんことを。