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写真は最新号の「鉄道ダイヤ情報」です。
表紙は大井町線用6000系と8590系、8500系8606Fです。現役8500系編成で今や唯一の幕式行先表示を持つ編成を表紙にするとは、東急ファンのツボを心得ていますよね(*^_^*)

この雑誌は「撮影地ガイド」も兼ねていまして、いうなれば「撮り鉄」のバイブルとも言えるものです。事実、今回の号にも8500系をきれいに撮影できる場所として、田園都市線や東武線の撮影ポイントが紹介されていました。


それにしても、田園都市線-新玉川線-半蔵門線の直通運転開始から30年ですか。時の流れは本当に速いもの。管理人は当時、小学5年生でしたが、現在は四十路に足を突っ込んでしまったのですから、やはりそれなりの長さと重みがある時間ではあります。

8500系編成の多く(8631F以降のハイナンバー車を除く)はこのころから活躍していますから(例外は永田町開業用に準備された8630Fか)、既に彼らも車齢30年ですね。ただし、その後に中間車を増備していますので、編成内部の車両ごとの経年はバラバラになっていますが。


8500系について、管理人が関心があるのは、以下のようなことです。


1 現役最後の「幕車」8606Fの命運(いつまで使うのか)

2 チョッパとVVVFの混成・8642Fの命運(噂されているVVVF車を抜いての大井町線トレードはあるのか)

3 8631F以降の「ハイナンバー車」の退役はいつ始まるのか

4 最後の8500系はどういう形になるのか


まず1ですが、この編成は現役で残る8500系編成の中でも経年が古く、3年前の検査前には退役が噂されていました。それが検査を通され、ピカピカな姿で運用に復帰したことで、「8500系幕車の砦は守られた!」と喜んだものでした。

しかし、前回の検査から間もなく丸3年を経過しますので、あと1年ではなかろうかと思います。できれば、最後まで残していただき、8500系の引退セレモニーの際に以前のローマ字なしの方向幕で最後を飾ってほしいと思っているのですが…その日は来てほしくない心境です。


次に2ですが、管理人が先日恩田の帰りに長津田に立ち寄った際、8642Fは車庫で昼寝をしていました。

管理人が見ていないだけかもしれませんが、この編成は稼働率が落ちているように思われます。最近は土日の東武非乗り入れ車(サークルK車)運用も復活し、サークルK車の稼働率も上昇傾向にあるだけに、もったいない気もしますが、やはりメカニックの問題が影を落としているのでしょうか。

大井町線の溝の口延伸開業の日まで、遂に3ヶ月を切りましたが、そろそろ(もし噂が本当なら)何らかの動きがあるのではないかと思います。


続いて、8631F以降のハイナンバー車の退役時期について。

これについては、やはり8630F以前の車両の進退がはっきりしないと何ともいえませんが、8631F~8633Fは昭和58(1983)年の製造で既に25年以上経過しているにもかかわらず、内装のリニューアルも行われていませんので、ことによるとメトロ7000系のような「逆転現象」(更新済みの前期車が生き延び、未更新の後期車が廃車になる)が起きないとも限りません。

昨年度の時点では、東急は5000系を250両投入し、8500系は一部のハイナンバー車を除いて全廃の予定だったのですが、昨今の経済危機や東急車輛の処理能力の問題その他で、5000系の投入ペースは鈍ってしまいました。なので、8500系の退役の時期は、単純に車齢で決めるのではなく、検査期限が間近かどうかが分かれ目になるのではないかと思います。


最後に4について。

これについては、以前は大井町線の8638~8641Fの5連4本ではないかと思っていましたが、東横線車両の状況からすると、そうもいえない可能性もあります。というのは、東横線所属車両には副都心線乗り入れ対応工事をしないとなりませんが、もしこの工事の対象から9000系が外された場合、5連化されて大井町線にトレードされる可能性が高いと思われるからです。そうなれば9000系は14編成ありますから、大井町線に残る8000系列をほとんどすべて淘汰することが可能になりますが、果たしてどうなるのでしょうか。


またこの本には、他社へ行った8500系のことも書かれており、長電の8500系はもちろん、秩父のそれ(→7000系)やインドネシアに行った車両にも言及されていました。この本を読んで意外だったのは、伊豆急に行ったモハ8251がデハ8700の改造車だったことです。伊豆急に行った8000系はオリジナルの8000系であり、8500系はないと思っていたのですが、こんな形で伊豆急に移籍しているとは思いませんでした。しかも内外装の改造は、「デモンストレーション」として半ば展示用に改造したものだったとは、さらなる驚きです。


このような特集が組まれるということは、8500系も記録を前提に追いかけなければならないということであり、その現実にはいまさらながらに時の流れの残酷さを思わざるを得ません。いつ5000系の大量投入があるかは分かりませんし、そうなれば8500系は、かつてのEF58形や現在の京王6000系のように、あれよあれよという間に勢力を縮小してしまうことは確実です。


これからは、管理人も8500系をできるだけ記録・体感しておこう。

この本の読後感はその点に尽きます。