祖父殺しの高1男子、逮捕 | 非常勤講師はつらいよ―私学非正規教員の本音と生活向上作戦

祖父殺しの高1男子、逮捕

 2,3日前からネット記事で目にしましたが、昨夜のテレビニュースで逮捕されたと放送されました。しかも秋葉原で万引きしているところで!山口県からよくここまで逃げたかと。

最初は「また困ったガキか!孫に殺されたおじいさん、閉じ込められたおばあさん、どんな思いだったろうか」と思っていましたが、この少年の家族背景が紹介されると、彼ばかりを非難出来ないと感じました。

医者歯医者で、本人も医学部志望。そんな両親の離婚により、広島から祖父母の住む山口に移り、3人で暮らしていたと。教育熱心で厳格な祖父に勉強の事でよく叱られ、母親(祖父の娘)を引き合いに出して比較されていたらしいです。ここまで聞くと、エリート両親ゆえの様々なプレッシャーや、その一方での親からの愛情不足、新たな生活・学校環境での孤独感などあったのかもしれない。昨年起きた奈良の医者の息子(当時高1)による放火事件や、今年初めに起きた(現在裁判中)浪人生による妹バラバラ殺人事件 、今春の福島の高3長男による母親切断事件 などと被るものがあるように感じてしまいます。

更に別の記事によると、この少年、中学卒業後は自衛隊に所属しながら通信制高校に在籍したが両方退学し、今年、県立高校に入り直したとか。つまり、順調にいっていれば本当は現在高2のはずか。彼なりの苦労やつらい思いがあったのだろうと察する。

しかし、かといって殺人は決して許されない。まして命をあずかる医者を目指す者が、しかも親代わりの祖父母にこんな事をするなんて・・・彼に限らず、上に挙げた事件の犯人達も。先日も述べたように、最近の若者は「死」をあまりに軽く考えすぎだし、家族を殺してしまうのだから、何かが狂ってしまったと感じざるを得ない。
そして親達の方も、世の中では立派な「医師」や「歯科医師」だったのであろうが、子供達の親としては欠けているものが多かったように思う。



山口・祖父殺害で高校生逮捕 都内で万引き、所持金50円以下

 山口県上関町で祖父(79)を殺害したとして、殺人容疑で逮捕状がでていた高校1年の男子生徒(16)が21日、警視庁万世橋署に身柄を確保された。男子生徒は事件への関与をほのめかしているという。万世橋署は山口県警に連絡、指紋から男子生徒本人と断定し、殺人と殺人未遂容疑で逮捕した。

 万世橋署によると、男子生徒は21日午後5時ごろ、東京都千代田区外神田の大手量販店でスナック菓子1個(約100円相当)を万引きしたところを警備員に見つかり、同署に引き渡された。

 同署で事情を聴いたところ、男子生徒は祖父殺害について「やった」と供述。「山口からはバスで来た。金がなくなったので盗みをした」と話したという。所持金は50円以下だった。シャツに白いズボン姿で逃走直後と同じ服装だった。逮捕事実を署員が示すと「はい分かりました。おじいちゃんは死んだんですね」と答えたという。

 男子生徒は19日午後8時半ごろ、上関町の自宅で、祖父と口論になり祖父の頭をバットで殴ったうえ、首を電気コードで絞めて殺害。祖母(76)も殴り軽傷を負わせた疑いがもたれている。祖母は頭をバットで殴られた後にトイレに閉じこめられたが、自力で脱出していた。

 男子生徒は広島県内の親元を離れ、昨年8月ごろから祖父母と3人で暮らし山口県内の県立高校に通学していた。事件直後に行方が分からなくなっていたことから、山口県警が逮捕状を取り行方を追っていた。

 男子生徒は両親とも医者で、進路相談の際に男子生徒も医者を希望していたという。


 山口県上関町の無職男性(79)が殺害された事件で、県警が逮捕状を取って行方を追っていた孫の県立高校1年の少年(16)が21日、東京・秋葉原の量販店で万引きしたのを見つかり、警視庁万世橋署員に身柄を確保された。警視庁が21日午後8時20分、殺人容疑などで少年を逮捕した。祖父に対する殺人、祖母への殺人未遂容疑を認めているという。県警は22日に身柄を移送し、動機などを詳しく調べる。

 同署によると、少年は千代田区外神田4の「ドン・キホーテ」の菓子売り場でスナック菓子を万引きしたところを警備員に発見された。店の通報を受けた署員が署に任意同行。身元を確認すると名前を名乗り、署員が「逮捕する」と言うと「はい、わかりました。おじいちゃんは死んだんですね」と答えた。

 逮捕当時、少年はTシャツの上にシャツをはおり、所持品は黒っぽいショルダーバッグだけ。指名手配書に似た服装だった。万引きしたのは118円のスナック菓子で、バッグに入れるところを店員に見つかった。「金が無くなり盗んだ」と話したという。所持金は50円足らず。調べには抵抗する様子もなく、淡々と素直に応じたという。

 少年の説明では、20日午前5時ごろに祖父母宅を出て同6時半ごろにバスに乗りJR柳井駅に行き、その後広島市に移動し鉄道で21日午前5時ごろ東京に着いたという。

 これまでの調べでは、20日午前7時ごろ、少年の祖父が自宅仏間で、頭から血を流し首に電気コードを巻かれた状態で倒れているのを祖母(76)が発見。祖母も19日夜、少年に頭を殴られてトイレに閉じ込められ、頭部打撲の軽傷を負っていた。祖父の死因は頭をバットで殴られた脳挫傷と首を電気コードで絞められた窒息死と判明。頭の骨折も確認され、19日午後8~10時ごろに死亡したとみられる。

 ◇「素直で、問題はなかった」と高校長

 少年が通う高校の校長によると「素直で無遅刻、無欠席。友人も複数おり、学習面も生活面も問題はなかった」と話した。8日の登校日も変わった様子はなかったという。

 少年は7月下旬、所属していた軟式野球部を足の指のけがをきっかけに退部。練習に積極的に参加していたが、その際は「勉強の方に励みたい」と話したという。

 近所の人や関係者によると、少年は祖父の次女で広島県内で開業する歯科医の次男。兄と弟、妹がいる。父親も医師という。中学卒業後、昨年4月から同県内の自衛隊関係の学校と広島市の通信制高校に在籍したが、ともに中退。今春から山口県の県立高校に入学し直し、祖父母宅から通っていた。「成績が良かった」と話す同級生が多く、祖父も「よく勉強ができる」と自慢げに話していたという。

毎日新聞 2007年8月21日 20時50分 (最終更新時間 8月22日 1時46分)